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白金(Pt)は指輪やアクセサリーなどの装飾品として使われる一方、化学の分野では燃料電池の電極触媒や自動車の排気ガスの触媒として重要なはたらきをしている。しかし、希少金属であるため値段が高くなるのがネックで、燃料電池がいまだに一般に普及していない原因になっている。 

最近自動車メーカーのダイハツで白金電極を使わず、ニッケルやコバルトの電極を使う燃料電池が開発されたそうだが、どこまで白金電極に迫れるのかまだわからない。

現在「カイロ」というとホカロンなどの化学カイロが主流だが、大正時代から終戦後には白金カイロが一般に普及していた。これはベンジンなどの燃料に白金を触れさせると触媒作用によりゆっくり酸化発熱する現象を利用したカイロである。

白金などの金属には、自分は変化しないが、触れた物質を分解する不思議な性質を持つ。このようなはたらきをする物質を触媒という。触媒のはたらきは知られていたが、金属表面でどのようなことが起きているかわかっていなかった。

白金触媒の表面ではどんなことがおきているのだろうか?

マックス・プランク財団フリッツ・ハーバー研究所名誉教授のゲルハルト・エルトゥル教授は、1960年代から金属表面における原子・分子の吸着現象を解明する研究を発展させ、化学吸着に伴って生じる金属結晶表面原子の再配列現象を明らかにした。

こうした「固体表面の化学反応過程にかんする研究」について、2007年度ノーベル化学賞が贈られた。

今日は「触媒」についてと「表面化学」について調べる。(参考HP Wikipedia)

関連するニュース
ノーベル化学賞、独のゲルハルト・エルトゥル氏
スウェーデン王立科学アカデミーは10日、2007年のノーベル化学賞を独マックスプランク協会フリッツ・ハーバー研究所のゲルハルト・エルトゥル名誉教授(71)に授与すると発表した。  

授賞理由は「固体表面の化学反応過程の研究」。エルトゥル博士は金属などの表面で進む化学反応を調べる方法を考案し、肥料合成や大気汚染軽減などに用いられる触媒の性能向上に道を開いた。賞金は1000万スウェーデン・クローナ(約1億8000万円)。

金属などの表面は、空気中に置くと、酸素などさまざまな分子に覆われてしまうため、表面で起きる化学反応を調べることは困難だった。エルトゥル博士は、真空に近い状態に実験材料を置くなど、表面化学反応を原子レベルで正確に調べる方法を確立した。

この方法をもとに、鉄の表面の化学反応を観察し、詳しく解明。その結果、空気中から窒素を取り出し、人工肥料の作成に利用できる反応の効率が上がった。白金表面で有毒な一酸化炭素が二酸化炭素に変わる反応を初めて画像化することにも成功、白金が自動車の排ガス浄化装置に広く用いられる契機となった。

エルトゥル博士は、固体表面の化学反応の重要性にいち早く気付き、1960年代から研究を開始。「表面化学」を、大きな研究分野に育てた。その成果は、燃料電池や半導体の製造など最先端技術にも応用されている。オゾン層が破壊される仕組みの解明など環境分野にも貢献している。(2007年10月10日  読売新聞)

ゲルハルト・エルトゥル教授(ドイツ)について マックス・プランク財団フリッツ・ハーバー研究所長 ベルリン自由大学及びベルリン工科大学教授 1936年生まれ。 

エルトゥル教授は、1960年代から金属表面における原子・分子の吸着現象を解明する研究を発展させ、化学吸着に伴って生じる金属結晶表面原子の再配列現象を明らかにした。

教授はまた、世界に先駆けて固体表面における化学反応を原子・分子レベルで動的にとらえる研究を展開した。

教授は、その一連の優れた研究成果によって固体表面の研究に新しい潮流を開き、材料界面の科学と技術に重要な新しい研究分野を発展させ、大きな貢献を果した。

経歴
1961 ステュットガルト工科大学 学士号取得
1965 ミュンヘン工科大学 博士号取得
1965 ミュンヘン工科大学 助教・講師
1968 ハノーバー工科大学 教授
1973 リュードビッヒ・マクシミラン大学 教授
1986 マックス・プランク財団フリッツ・ハーバー研究所 教授
2004 マックス・プランク財団フリッツ・ハーバー研究所 名誉教授

受賞歴
1992 日本国際賞
1998 ウルフ賞
2007 ノーベル化学賞 

研究
ハーバー・ボッシュアンモニア製造法における鉄触媒表面での分子レベルでの反応機構解明、金属表面における一酸化炭素酸化過程の画像化、化学吸着に伴って生じる金属結晶表面原子の再配列現象の解明など、画期的な業績を多数上げています。 以上の研究によって固体化学における新たな流れを作り出し、「表面化学」という一大研究分野の確立に貢献しました。

触媒とは何か? 触媒(しょくばい、catalyst)とは、特定の化学反応の反応速度を変化させる物質で、自身は反応の前後で変化しないものをいう。触媒がもつ作用(触媒作用、catalysis)自体を指す場合もある。 

1823年にデーべライナーは白金のかけらに水素を吹き付けると点火することに気がついた。白金は消耗せず、その存在によって水素と空気中の酸素とを反応させることを明確にした。後に反応によって消費されても、反応の完了と同時に再生し、変化していないように見えるものも触媒とされた。

現在では、反応の種類に応じてたくさんの種類の触媒が開発されている。特に化学工業有機化学では欠くことができない。また、生物にとっては酵素が重要な触媒としてはたらいている。

触媒は、自発的に起こり得る反応の反応速度を増加させる。本来、自発的に起こり得ない反応は、触媒を用いても進行するわけではない。たとえば、水素と酸素を混合して水が生成する反応は、触媒を用いて効率を上げることができる。これは、水が安定な物質で生成しやすいからである。

一方、水を触媒によって水素と酸素に分解することは、より不安定な物質を作り出すことになるので、触媒反応によって達成できない。つまり、触媒は化学平衡そのものには影響を与えない。このような反応を実現するには、電気や光などのエネルギーを与える必要がある。また反応に必要なエネルギーを与えたとしても有意な速度で反応が進行するとは限らず、その場合にも触媒が必要とされる電極触媒光触媒など)。

表面化学とは何か?
表面化学とは、「気体−液体、気体−固体、液体−液体、液体−固体、固体−固体など、物質の界面に特有な構造・性質、またそこで起こる種々の物理化学的現象を扱う化学の一分野」と定義される。

物質の表面について研究することは、鉄が錆びるといったような化学的なことだけではなく、生物の細胞がどのように機能するかといった生物的な観点や、工業的に重要な触媒反応、オゾン層の破壊の仕組みを解明するにも、重要な研究分野である。

 

われわれの身の回りにある固体や液体には、必ず表面がある。ただ、見れば何の変哲もない境界面ではあるが、表面には内部とは異なる性質を示すことから物理化学的に非常に興味深い現象が起きている。 


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