科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、最新科学の?をなるべくわかりやすくコメントします。
私たちのからだはどこも乾燥せずに潤いが保たれているのはなぜでしょうか?

「水分補給しているからに決まっているじゃないか?」当たり前といえば当たり前のことです。でも、もう少しつっこんで質問するとどうでしょうか。

小腸や大腸で吸収された水分はどうやって60兆個もある体中の細胞の1つ1つに送られるのでしょうか?

私たちは「血管」が栄養分や酸素、水分、不要物、二酸化炭素を運ぶことは学んでいますが、その先は習っていません。血管からしみ出した組織液がどうやって細胞に水分を行き渡らせるのか、そんなことがまだわかっていませんでした。

それが2003年のノーベル化学賞「アクアポリンの発見」で解明されました。ところが問題はそれだけではなかったのです。

細胞は水分だけあっても生きていけません。どうやって必要なときに必要な養分を必要なだけ取り入れることができるのでしょう?また不養分はどうやって取り出されるのでしょう?

こちらの方は少し複雑ですが、似たような仕組みがあると、考えられ研究されてきました。その正体がGタンパク質(1994年ノーベル生理・医学賞)やGPCRです。

Gタンパク質とは?


Gタンパク質とはグアニンヌクレオチド結合タンパク質のことで、通常は膜受容体関連のタンパク質を指します。このタンパク質はGタンパク質共役受容体(GPCR)により活性化され、細胞外の養分を中に取り入れたり、細胞外の刺激を信号として、伝えるはたらきがあります。

Gタンパク質共役受容体(GPCR)とは?


GPCRとはGタンパク質共役受容体(G-Protein Coupled Receptor)のことです。Gタンパク質共役受容体(GPCR)は膜内に7回膜貫通ヘリックスドメイン、細胞外側にリガンド結合部位、細胞内側にGタンパク質が結合する部位を有して、細胞外の化学的情報を細胞内に伝達する機能を有する膜タンパク質です。

GPCRは大きく3つのタイプに分類されるが、なかでもロドプシンのようなGPCRが大半を占め、生理活性アミンや大半のペプチドをリガンドとするレセプターがこれに属します。

細胞内のGタンパク質は生理的に不活性な状態ではGDPを結合したαドメインがβ、γの2つのドメインとヘテロ3量体を形成しており、受容体の活性化に伴ってGDP−GTP交換が生じてαドメインが解離すると共に受容体タンパク質からも解離しています。


G-タンパク質とGPCRの関係


我々の身体は様々な精緻なしくみの上に成り立っています。そのしくみの一つに細胞のシグナル伝達があります。我々が摂取した食物は消化され、吸収されて多様な分子として血流にのります。

この様々な物質の中から必要な物のみが細胞に取り込まれます。この選別はどのように起こるのでしょうか。多くの場合、細胞膜表面にある受容体と呼ばれるタンパク質と、シグナル分子であるリガンド(一次メッセンジャー)と結合することから始まります。

受容体がリガンドと結合すると、細胞内側で受容体の構造が変化し、G-タンパク質が結合できるようになり、活性化します。活性化したG-タンパク質は細胞膜にある機能性のタンパク質(酵素、イオンチャネルなど)を活性化して必要な分子を細胞内に取り込んだり、情報を伝達できるようになります。

細胞がブドウ糖を取り込む仕組み

例えば、細胞がグルコース(ブドウ糖)を取り込むときは、インスリンがリガンドになります。従って、インスリンが鍵、受容体が鍵穴の役割を担っていて、インスリンが結合したときのみグルコースが入れるようなドアが開くのです。

それ故インスリンが不足すると血糖値が上がります。このような“風が吹けば桶屋が儲かる” 的なしくみは身体中いたる所にあるのです。リガンドの受容体との結合がG-タンパク質の活性化と共役するため、このような受容体をG-タンパク質共役受容体(G-Protein Coupled Receptor)と呼ばれています。

視細胞が光を伝える仕組み

あまたあるGPCR のうちで唯一化学構造が明らかになったものがあります。それは、我々の網膜にあるロドプシンというタンパク質です。

ロドプシンは光に反応してG-タンパク質を活性化し、複雑な過程を経て、イオンの透過性を変化させます。

その信号が脳に伝達され、我々はものを見ることができるのです。この場合、光がリガンドとなるのです。
 

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