あけましておめでとうございます!科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、今年も最新科学の?に挑戦し続け、わかりやすい情報提供に努めます。
ひので」2006年9月23日午前 6時 36分(日本標準時) に打ち上げられた、太陽観察衛星です。これまでにも宇宙空間からの皆既月食を観測したり、プロミネンス中にアルベン波を発見したり、コロナの謎を探求するなど活躍を続けています。

3つの望遠鏡(可視光・磁場望遠鏡、X線望遠鏡、極端紫外線撮像分光装置)が搭載され、これまでにも驚くべき発見をしてきました。今回発見されたのは、アネモネ型ジェットの発見です。アネモネとは何でしょう?

辞書で調べると花の名前で、キンポウゲ科イチリンソウ属多年草だそうです。もう一つ意味があって「Sea Anemone」というとイソギンチャクという意味。

今回、太陽の表面にイソギンチャクのような多数の腕のようなものが発見されました。コロナの中にアネモネ型ジェットが見られることは「ようこう」のときに発見されていました。

太陽表面は、予想以上にダイナミックな活動をしており、ジェットを多数吹き出しています。そのジェットの吹き出しているところを観察してみると多数の炎の腕がたくさん観察されました。アネモネ型ジェットの発見です。

観測の結果、多数の腕は磁力線に沿って発生していることがわかりました。そしてジェットは、磁力線の腕同士が近づくと、磁力線のつなぎ換え(磁気リコネクション)がおき、炎がそれをきっかけにしてジェットを発生させていたことがわかりました。

この発見から、6000℃の太陽の表面が100万℃のコロナに加熱され、高温になる謎が解明されるかもしれません。 (参考HP 京都大学・国立天文台・JAXA)  

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ひので衛星によって発見された彩層アネモネ型ジェットについて


柴田 一成理学研究科附属天文台(花山天文台)教授の研究チームは、昨年、わが国のJAXA/宇宙研より打ち上げられた太陽観測衛星「ひので」(Solar B)の観測により、太陽の彩層と呼ばれる層(太陽表面の上空の大気層)が非常に小さなジェット現象(細長い高速の流れ)に満ち満ちていることを発見しました。この研究成果が米国科学誌「サイエンス」に掲載されることになりました。

昨年、わが国のJAXA/宇宙研より太陽観測衛星「ひので」(Solar B)が打ち上げられ、太陽の驚くべき素顔が明らかになってきました。中でも興味深い発見は、太陽の彩層と呼ばれる層(太陽表面の上空の大気層)が非常に小さなジェット現象(細長い高速の流れ)に満ち満ちていることが発見されたことです。彩層は誰が想像していたよりも、ずっとダイナミックだったのです。爆発やジェットに満ち満ちていたのです。とりわけ、そのような小さなジェット現象のうち、ジェットの足元が、「アネモネ型」(イソギンチャク型)をしているジェットが多数発見されたのは驚きでした。

アネモネ型ジェットは、今から16年ほど前、わが国の打ち上げたようこう衛星の太陽X線観測により、X線ジェットとしてコロナ中で多数発見されました。ジェットの足元の形が、イソギンチャク(sea-anemone)そっくりなので、このように呼ばれます。アネモネ型の形状から、コロナのX線ジェット生成機構が磁気リコネクション(磁力線つなぎかえ)と呼ばれるメカニズムであることが判明しました。

今回発見された彩層のアネモネ型ジェットは、コロナのアネモネ型ジェットの数10分の1程度の長さしかなく(長さ=2000−5000km)、速度も遅い(10−20km/s)ですが、形がコロナのX線アネモネ型ジェットとそっくりなのです。このことから、ジェット発生のメカニズムが、磁気リコネクションであると考えられます。ジェットは彩層中、普遍的にいたるところに存在するので、このことは、磁気リコネクションが太陽彩層中で普遍的に起きていることを示唆します。ユビキタス・リコネクション(普遍的に発生するリコネクション)が発見された、と言っても良いでしょう。

磁気リコネクションは太陽面爆発(フレア)の発生機構であることが知られています。一方、太陽の謎の一つであるコロナ加熱機構の有力な説の一つに、微小リコネクション(ナノフレア)説(パーカー1988)があります。今回発見された彩層アネモネ型ジェットのエネルギーはまさにナノフレアのエネルギー程度なので、ユビキタス・リコネクションの発見は、コロナ加熱のナノフレア説をサポートする、と言えます。(京都大学 2007年12月7日)

 

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