あけましておめでとうございます!科学大好き!アイラブサイエンス!このブログでは、今年も最新科学の?に挑戦し続け、わかりやすい情報提供に努めます。
C型肝炎訴訟、いわゆる薬害肝炎訴訟の和解協議が成立した。被害を受けた原告団の方達が笑顔でインタビューを受けている姿を見て、ああ良かったと思った。

昨年末の12月23日、福田康夫首相は、原告側が求める被害者の「全員一律救済」を盛り込んだ法案を今国会に議員立法で提出すると述べ、1月15日に薬害肝炎被害者救済特別措置法が成立した。

国が認めた薬剤を、知らずに使われて感染した薬害肝炎。このような悲劇はもう起きないようにしたいものである。しかし、一方でまだ分かっていないことがあるということでもある。科学の力で謎を解いていく姿勢は、これからもずっと必要であろう。

私たちは自分の体のこともよく分かっていない。例えば私たちの腸内に、どんな菌が棲んでいるのかもよく分かっていない。腸というと有名な大腸菌は、実は全体の0.1%にも満たない。

東京大の服部正平教授(ゲノム科学)らは、腸内細菌の遺伝子を調べ、その結果、細菌の8割は未知のものだということがわかった。

ヒトの腸内には一人当たり1000種類、100兆個以上の腸内細菌が生息しており、糞便のうち、約半分が腸内細菌またはその死骸であると言われている。そのほとんどが知られていないのは腸内が嫌気性の特殊な環境にあることがあげられる。

最近腸内の細菌は善玉菌と悪玉菌、日和見菌があり、善玉菌をふやすことが大切であると言われている。

善玉菌には乳酸菌のなかまであるアシドフィルス菌、腸内ビフィズス菌、エンテロコッカス菌、ストレプトコッカス菌、ビフィドバクテリウム菌、ラクトバチルス菌などや腸球菌、ユウバクテリウム菌などがあり、これらの菌は腸内の状態を酸性に保つ役目を果してくれ、有害な物質を発生する悪玉菌と呼ばれる菌種の働きを抑え、健康に必要な状態を作り出している。

一方 、大腸菌、クロストリジウム属(ウエルシュ菌、ボツリヌス菌)、ブドウ球菌などは悪玉菌と呼ばれており、腸内を腐敗させたり体に悪影響を及ぼす有毒なガスなどを腸内で作り出す。

日和見菌としてはバクテロイデス属があり菌の個体数では腸内で一番多い。(参考HP Wikipedia・腸内細菌ドットコム)

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1000種類に上るとされる健康な人の腸内細菌は8割が未知で、同じ食事をとることが多い家族同士でも細菌集団に大きな違いがあることが、東京大や宮崎大の共同研究で分かった。乳幼児から成人まで日本人13人の腸内細菌の遺伝子を解析し、18日発表した。今後、炎症性腸疾患大腸がん患者などの腸内細菌と比較することで、予防や診断に役立てる。

腸内細菌としては大腸菌ビフィズス菌などが知られているが、全体像やその役割はほとんど知られていなかった。

服部正平・東京大教授(ゲノム科学)らは、生後3カ月から45歳までの健康な13人(乳児4人、幼児2人、成人7人)の大便に含まれる腸内細菌の遺伝子計66万個を解析し、その機能や個人差などを調べた。

その結果、細菌の8割は未知のものだと推定された。乳児の細菌の遺伝子では、母乳に含まれる糖類やビタミンなどを取り込む遺伝子が増えていたが、離乳した幼児や成人はDNAを修復したり殺菌性物質に抵抗する遺伝子が増えていた。

DNA修復に関する遺伝子の多さは、食品に含まれる有害性物質が予想以上に存在しているためだと考えられるという。

生まれたばかりの乳児の腸は無菌だが、母乳を飲み始めると細菌群が生じる。細菌が親から子どもへ伝わる可能性も指摘されていたが、親子や夫婦間で細菌群は似ておらず、それぞれ独自の集団が形成されていた。

服部教授は「家族間で腸内細菌に大きな違いがあったのは予想外だった。これだけ詳細な腸内細菌の調査は初めてで、食と病気との関係解明などにつなげたい」と話している。(毎日新聞 2007年10月18日)
 

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