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インターネットで「DICE―K」で検索すると、もちろん、ボストン・レッドソックスの松坂大輔のことがズラーッと記事になって現れた。

米マサチューセッツ工科大の利根川進教授は、ノーベル生理学・医学賞を受賞した日本人である。教授は「免疫グロブリン」の研究でノーベル賞をとった後、研究テーマを「脳神経細胞」の研究へあざやかに転換した。

その利根川教授が脳神経細胞の新しい遺伝子操作技術を「DICE―K」と名付けた。「DICE―K」は脳の神経回路のスイッチを自在に「オン」「オフ」する世界で初めての遺伝子操作技術である。

これまでの方法では、実験動物の脳の一部を回復できないように、人為的に壊して調べるため、壊さなくてよいところも壊し思わぬ副作用が出る。脳の機能を維持したまま、神経回路をピンポイントで操作できる今回の手法を使えば、正確に実験できる。

利根川教授は、マウスの実験で、3種類の遺伝子を組み換えて、記憶を担う脳の「海馬」という領域にある特定の神経細胞だけを操作した。この神経細胞は、「ドキシサイクリン」という抗生物質に反応して回復するようになっている。

海馬は、学習や記憶にかかわる脳の領域で、二つの重要な神経回路がある。その一方の回路を「DICE―K」を使って遮断すると、新しい環境で素早く記憶する力が衰える。 「ドキシサイクリン」をえさに混ぜると記憶力がよみがえった。回路のスイッチを自在にオン・オフすることで、その働きを調べられる。

遺伝子操作で機能を制限されたネズミをノックアウトマウスというが、機能を回復できるスイッチまでつけた技術は世界で初めてだ。ノックアウトマウスをリカバーマウスにする、すばらしいアイデアである。

脳のはたらきは今注目されている分野でもある。「DICE―K」を使うことで、私たちの複雑な神経回路の謎が解き明かされるかもしれない。「DICE―K」は難敵に立ち向かう力強い味方になる。

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その名は「DICE―K」…利根川教授が遺伝子操作技術開発


ノーベル生理学・医学賞を受賞した米マサチューセッツ工科大の利根川進教授が、脳の神経回路のスイッチを自在に「オン」「オフ」する遺伝子操作技術を世界で初めて開発することに成功した。

脳の神経がどのように働いているかを調べるための研究に有用な技術で、利根川教授は、大学と同じマサチューセッツ州を本拠地とする米大リーグ、ボストン・レッドソックスの松坂大輔投手にちなんで、英文の頭文字をつなぎ、この手法を「DICE―K(ダイスケ)」と名付けた。25日の米科学誌「サイエンス」(電子版)に掲載される。

これまでの方法では、実験動物の脳の一部を回復できないように人為的に壊して調べるため、広範に壊すことによる影響が出る。脳の機能を維持したまま、神経回路をピンポイントで操作できる今回の手法を使えば、状態がより正確に把握できるという。

利根川教授は、マウスの実験で、3種類の遺伝子を組み換えて、記憶を担う脳の「海馬」という領域にある特定の神経細胞だけを操作した。この神経細胞は、「ドキシサイクリン」という抗生物質に反応して回復するようになっている。(2008年1月25日  読売新聞)
 

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