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先日バイオマスカーボンニュートラルであり、持続的に再生可能なエネルギーとして注目されていることを学んだ。そしてバイオマスの一つとして、多くの植物に含まれているセルロースからバイオエタノールをつくる方法が研究されていることを紹介した。

セルロースとは、植物の細胞壁の主成分で、地球上に最も存在量が多い高分子であり、(C6H10O5)nと非常に大きく、分子中に多量の水素(H)を含む。樹木は、その7割がセルロース類で構成され、セルロース同士がからまり束になって強い細胞組織を作っている。

セルロースが含まれるものとして、植物(樹木、作物など)以外にも、植物から生成されたもの(紙、木材、食品など)、古紙、家畜排せつ物、食品廃棄物、建築発生木材、下水汚泥などの植物性廃棄物がある。

昨年7月、東北大学多元物質科学研究所の張其武・助教、斎藤文良・教授らは、木材チップなどに含まれるセルロースから、高純度の水素を効率よくつくりだすことに成功した。

具体的には、セルロースを金属水酸化物と混ぜ、メカノケミカル処理(乾式粉砕)という方法で細かくした後、アルゴンで満たされた電気炉の中で加熱した。この結果、水素の含有率が93.5%に達する高純度の水素ガスが発生した。

この方法が実用化されれば、間伐材などこれまで利用価値が小さかったセルロース含有廃棄物から、燃料電池など将来利用範囲が拡大すると見込まれている高純度の水素を製造することが可能になると期待されている。(参考HP 東北大学プレスリリース)

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セルロースから高純度の水素製造に成功


木材チップなどセルロースを加熱するだけで高純度の水素を効率よくつくりだすことに、東北大学の研究チームが成功した。

この方法により、間伐材などこれまで利用価値が小さかった廃棄木材などから、燃料電池など将来利用範囲が拡大すると見込まれている水素を製造することが可能になると期待されている。

東北大学多元物質科学研究所の張其武・助教、斎藤文良・教授らは、セルロースを金属水酸化物と混ぜ、メカノケミカル処理(乾式粉砕)という方法で細かくした後、アルゴンで満たされた電気炉の中で加熱した。この結果、水素の含有率が93.5%に達するガスが発生した。水素以外のガスはメタンが大半(6.4%)で、残りはきわめてわずかな一酸化炭素と二酸化炭素だった。

リン酸塩型燃料電池の燃料として水素を使用する場合、一酸化炭素の濃度が1%以下でなければならないとされているが、この条件を満たす高純度の水素が発生したことになる。

メカノケミカル処理は、粉砕することで物質の結晶構造が変化、物理化学的な性質も変わることが期待できる。今回の方法では、セルロース結合をゆるくした結果、加熱によってセルロース結合から水素だけを離脱させることが可能になった。

現在は木材チップなどを用いた確認実験の段階だが、廃棄木材などから大量の水素を製造できる簡単な方法ととして、実用化の見込みは十分あると研究者たちは言っている。 (サイエンスポータル 2007年7月24日) 

メカノケミカル(MC)処理とは?


メカノケミカル(MC)処理とは,粉砕処理と同義であるが,粉砕は固体を細かくすることを目的にしているのに対して,MC処理は,粉砕処理によって固体の結晶構造を変化させ,結合状態変化によって発現する物理化学的性質の変化や活性化を利用した様々な化学反応を起すことが目的である。

そのエネルギーレベルは、熱化学を上回るといわれ、これまでにも多くのユニークな現象が報告されてきた。異種物質の粉砕では、不安定(活性)な中間物質の生成を経て固相反応が達成されるが、この変化は、加熱・溶融法における経路とは異なる。

メカノケミカル(MC)法の基本原理より引き出される物質の原子・分子レベルの固相を取り巻く雰囲気との相互作用から、湿式あるいは加熱法と組み合わせることにより資源からの有価物(固体や気体)回収が可能になる場合が多い。本法では,乾式粉砕によって,セルロース結合を変化させ(ゆるくし),加熱処理によって結合から水素を選択的に離脱させて高純度水素を発生させることを可能にした。

リン酸塩型燃料電池用水素ソース


燃料電池は、水の電気分解の逆反応で、水素と酸素の化学反応から直接発電することができる高効率でクリーンな発電方法として、いくつかの方式について開発が進められている。

燃料電池として固体酸化物型燃料電池 (SOFC)や固体高分子型燃料電池(PEFC),溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC),リン酸水溶液を用いた燃料電池などがあるが,特に,リン酸水溶液を用いた燃料電池は200℃付近の低温動作が可能で、商用化段階まで開発が進んでいる。この燃料電池用水素は高純度であることが要求され,特にCO許容濃度が1%以下となっている。

セルロース


セルロースとは、植物の細胞壁の主成分で、地球上に最も存在量が多い高分子であり、(C6H10O5)nと非常に巨大な分子構造をしている。樹木は、その7割がセルロース類で構成され、セルロース同士が絡まり束になって強い細胞組織を作っている。

セルロースは、グルコースが結合した多糖類の一種で、不溶性であるが親水性が強く、化学的に安定し加水分解しにくい。しかし、安定なセルロースも酵素や濃い酸やアルカリによって分解され、目的に応じて溶解性や親水性と疎水性のバランスを比較的容易に変えることができ、工業用品や食品など幅広い用途がある。

セルロースが含まれるものとして,植物(樹木、作物など),植物から生成されたもの(紙、木材、食品など),古紙、家畜排せつ物、食品廃棄物、建築発生木材、下水汚泥などの廃棄物などがある。( 2007.7.23 東北大学プレスリリースより )
 

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