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超伝導とは、物質を極低温に冷やすと電気抵抗がゼロになる現象だが、それだけではない。

超伝導にはいくつかの特徴がある。それは、完全導電性、マイスナー効果(完全反磁性) ジョセフソン効果、ピン止め効果などである。

これらの様々な不思議な性質を持つことから、超伝導は単なる電気が通りやすくなるという「完全導電体」ではなく、水が氷になるような、まったく新しい第4の状態変化(相転移)であることがわかった。

超伝導を起こす物質は1911年オランダのヘイケ・カメルリング・オネスによって水銀が4.7K(−268.3℃)で突然電気抵抗がゼロになることで発見された。

1986年ドイツのベドノルツとミューラーが銅酸化物La-Ba-Cu-O系で10Kで超伝導が起こることを発見すると、さまざまな銅酸化物で高温超伝導が発見されるようになり、一大ブームを引き起こした。

1987年ヒューストン大学のチューらによって、Y-Ba-Cu-O(Y系超伝導体)が90K(ケルビン)で超伝導を示すことが発見された。

2001年青山学院大学の秋光純らのグループが、ごくありふれた物質として市販もされていた二ホウ化マグネシウム(MgB2) が、実は 39 K(ケルビン)で超伝導を示すことを発見した。JR東海はJR式マグレブに、二ホウ化マグネシウムのコイルを採用。

超伝導転移温度は次々と塗り替えられ、2004年、水銀系銅酸化物において高圧下での160Kの転移温度が最高記録であったが、その後記録は伸びず、頭うちになっていた。

今回、東京工業大の細野秀雄教授(材料科学)の研究チームが、絶対温度32K(セ氏−241度)で電気抵抗がゼロになる新しいタイプの高温超電導物質を発見した。

細野秀雄教授らは、これまで超伝導には適さないとされてきた鉄に着目。鉄とヒ素、ランタンの酸化物が層状に重なった化合物をまずつくった。さらに化合物の中の酸素の一部をフッ素に置き換えると、32Kで超伝導になることを見つけた。

今回発見された新高温超伝導物質は、「LaOFeAs」。この化合物の鉄やランタン、ヒ素をそれぞれ、性質が似た元素に置き換えることで、非常に多くの組み合わせの高温超伝導物質がつくれる可能性があるという。(参考HP JST・Wikipedia)

関連するニュース
新タイプの高温超伝導物質を発見 東工大など


東京工業大などのチームは18日、鉄を含む新しいタイプの高温超伝導物質を見つけたと発表した。この化合物は絶対温度32度(絶対零度は零下273.15度)で超伝導となった。さらに、予備的実験では同50度程度でも超伝導となる可能性が示された。高温超伝導物質はこれまで、銅の酸化物を含むグループ、金属系のグループに大別されるが、両者の中間的な「第3」のグループが見つかったことになる。

科学技術振興機構は同日、今回の成果を発展させるため、特別研究チームを発足させ、研究を支援していくと表明した。成果は米化学会誌の電子版に掲載される。

東工大の細野秀雄教授らは、これまで超伝導には適さないとされてきた鉄に着目。鉄とヒ素、ランタンの酸化物が層状に重なった化合物をまずつくった。さらに化合物の中の酸素の一部をフッ素に置き換えると、絶対温度32度で超伝導になることを見つけた。

この化合物の鉄やランタン、ヒ素をそれぞれ、性質が似た元素に置き換えることで、非常に多くの組み合わせの高温超伝導物質がつくれる可能性があるという。

超伝導は物質を極低温に冷やすと電気抵抗がゼロになる現象。より高温で超伝導になる物質があれば、送電ロスのない電線や電子機器などに応用できる。金属系では秋光純・青山学院大教授らが見つけた2ホウ化マグネシウムで絶対温度39度、銅の酸化物系は同約160度で超伝導になる物質が見つかっている。 ( asahi.com 2008年02月18日 ) 

超伝導とは何か?


超伝導とは、物質を極低温に冷やすと電気抵抗がゼロになる現象だが、それだけではない。超伝導にはいくつかの特徴がある。

完全導電性 
電気抵抗がゼロのため、一度流し始めた電流が永続する。電圧降下なしに直流電流が流れる。超伝導で初めて発見された性質である。

マイスナー効果(完全反磁性)
超伝導体内部から磁場を排除して内部磁場をゼロにする。超伝導体を磁石上で常伝導状態から徐々に冷やしていき、転移温度を超えた瞬間に浮き上がる現象がマイスナー効果によるものである。

これは常伝導状態で超伝導体内に磁束が侵入していたものが、超伝導になると同時に磁束を排除して浮き上がるものである。なお、単に超伝導体の上に磁石が浮く現象だけでは、永久電流による効果かマイスナー効果による効果かの判断はできない。

ジョセフソン効果
絶縁体を間に挟んだ2つの超伝導体間を、電圧降下なしにトンネル電流が流れる。2つの超伝導体の間に挟まれた絶縁体には超伝導状態を表す波動関数の位相差に比例した電流が流れる。ミクロな波動関数という概念をマクロに観測できるという点で、超伝導現象をもっとも象徴する特徴といえよう。

ピン止め効果
磁束が第二種超伝導体の内部にあるひずみや不純物などの常伝導部分に捕らえられ、ピンで止めたように動かなくなる現象。第二種超伝導体において、外部磁場が臨界磁場Hc1とHc2の間にあるときに起こる。(参考HP アイラブサイエンス 2007.07.06 2007.07.07より)
 

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