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三宅島は火山島である。2000年に噴火があり、このとき世界でも類を見ないほど多量の火山ガスが発生している。このため、2000年9月2日から全島民が避難した。2005年2月1日15:00に避難指示が解除された。しかし、火山ガスはいまだ発生しており、一時的な観光客も含めた島の滞在者全員に脱硫マスクの携帯が義務付けられている。2006年11月現在島の約45%は立ち入り禁止区域となっている。

昔は、現在活動している火山を活火山、活動を休んでいる火山を休火山、活動を止めてしまった火山を死火山と呼ぶことがあった。具体的には、常に噴気活動があったり頻繁に噴火する火山を活火山、噴火記録はあるが現在は活動していない火山を休火山、噴火記録のない火山を死火山としていた。

しかし、噴火や噴気活動の間隔は火山によってまちまちであることなどから活火山と休火山を分けることは難しく、気象庁は昭和40年代から噴火記録のある火山や活発な噴気活動がある火山をすべて活火山としていた。事実、1968年(昭和43年)に発行された火山観測指針(気象庁職員のための火山観測マニュアル)には、噴火記録のある富士山も活火山リストに掲載されている(一般には休火山と思われていた)。

そういった中、死火山と一般には考えられていた木曽御嶽山が1968年(昭和43年)から活発な噴気活動をはじめたことから活火山に変更され、1979年(昭和54年)に水蒸気爆発を起こしたことから改めて死火山の分類区分が無意味であることが一般的にも認知された。

さらに研究が進むにつれて、2,000年以上の休止期間をおいて噴火する火山もあることが明らかとなり、国際的には1万年以内に噴火した火山を活火山とするのが主流となってきた。このことから、火山噴火予知連絡会は2003年(平成15年)、「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」を活火山と再定義し、気象庁もその定義を踏襲することになった。

活火山をこのように定義すると、頻繁に噴火する火山から数千年の休止期をおく火山まで幅が大きくなるので、火山噴火予知連絡会は同時に、火山学的に評価された火山活動度により、ランクA・ランクB・ランクC(Aが活動度が高い)の新しい3区分を定義した。しかし、これでは一般の住人や入山者・登山者に分かりにくいとのことで2007年12月1日から活動度の高い火山に5段階の噴火警戒レベルを導入、それ以外の活火山には活動に応じて噴火警報・噴火予報を発令することになった。

三宅島とは?


三宅島(みやけじま)は伊豆諸島の島。雄山(おやま)を中心としてしばしば激しく噴火をすることで知られ、日本の気象庁によって火山活動度ランクAの活火山、常時観測対象火山に指定されている。最近では2000年から活発な火山活動が続いている。島の全域が富士箱根伊豆国立公園となっており、行政区画は島全体が東京都三宅村に属する。

島は雄山を最高峰とする水深300〜400mの海底からそびえるひとつの火山体で、玄武岩質の成層火山である。頂上部に直径約3.5kmの外側の桑木平カルデラと、2,400年前に形成した八丁原カルデラと、2000年の噴火によって出来た直径約1.6kmの内側のカルデラがある(八丁原カルデラは、2000年のカルデラ形成で消滅した)。このほか、山腹から付近海底での割れ目噴火がよく見られ、1983年の噴火など、割れ目火口が海岸近くに達したときは激しいマグマ水蒸気爆発が起こりやすい。また、溶岩の粘性が低いため溶岩流も起こりやすく、1983年には溶岩流が阿古地区の集落の約7割を焼失させた。

1983年の測量では最高点の標高は814mだったが、2000年にはじまった噴火によって、火口などが500m以上陥没し、現在の最高点の標高は775.1mとなっている。

2000年の噴火


2000年に発生した噴火では、6月26日18:30すぎに群発地震が始まり、19:33に気象庁が噴火の恐れが高いとして「緊急火山情報」を出し、翌27日朝までに坪田・三池・阿古・伊ヶ谷地区の住民が島の北部に避難。そして、9:00ごろに島の西方約1kmの海上で海底噴火が発生した。

その後、三宅島西方海域で群発地震が発生し、震源域は時間とともに西北西に移動。そして、7月1日16:00すぎ、神津島付近でM6.4の地震が発生し、神津島では震度6弱を観測した。

一旦火山活動は沈静化するものの、7月4日から再び活発化。7月8日18:43に雄山で水蒸気爆発が発生。灰色の噴煙が島の東側に流れ、赤色の火山灰が降下した。噴火そのものは小規模だったものの、翌5日朝になって、山頂部に直径約800mの巨大な陥没火口ができていることが判明(雄山の山頂部がそのまま陥没していた)。約2,500年ぶりとなるカルデラ形成となった。カルデラは直径・深さともに成長していき、14日・15日と水蒸気爆発を起こして島内に大量の火山灰を降下させた。

8月10日早朝6:30ごろに山頂の陥没口から噴火が発生。噴煙は上空6,000m以上に達した。その後、18日・29日に大規模な噴火があり、18日の噴火の噴煙は上空15,000mに達し、火山弾が住宅地にも落下

29日の噴火では低温の火砕流様の噴煙が海まで達し、雨による泥流が頻発した(この時住民が数名飲み込まれたが、低温だったことが幸いして死傷者は出なかった。また、この時火砕流の中からインターネットの掲示板に状況を書き込んだ女性が一部で話題となった)。これらの火山弾の被害や「火砕流発生」の報道などが全島避難という決断を後押しした。小規模な噴火はその後も断続的に発生する。この間の噴出物の総量は約1,100万m³と推定されており、御蔵島だけでなく100km以上離れている八丈島でも降灰が確認されている。

この噴火は、世界的にも稀な大量の火山ガスが放出されているところに大きな特徴がある。8月中旬から刺激臭がするという報告が入り、9月に入ってからは徐々に二酸化硫黄の放出が増加。1日あたり5万トンにも達した。その後は放出量が減少していくものの、2006年7月現在においても数千トンもの放出が続いている。なお、日本において人為的に発生する二酸化硫黄の量が1日あたり約3,000トンとされている。

こうした活発な火山活動のため、2000年9月2日から全島民が避難したが、2005年2月1日15:00に避難指示が4年5か月振りに解除された。しかし、火山ガスはいまだ発生しており、2006年11月現在島の約45%は立ち入り禁止区域となっている。

火山ガスとは?


火山ガス(かざんガス、volcanic gas)は、火山の火口や噴気口から出る成分のうち、気体のもの。火山ガスを多く含むガスを火山性ガス(かざんせいガス)と言うこともある。

主成分は水蒸気だが、二酸化炭素も若干含まれる。

通常は硫化水素二酸化硫黄(亜硫酸ガス)、塩化水素も含む。これらの成分が多いときは、動植物の生命に大きな危害を与える。また、熱により周辺の生態に大きな影響があることも多い。吸った動物・人間が、その場で死亡することも珍しくない。

噴火はしなくても、恒常的あるいは間歇的に火山ガスのみを噴出する火山も多い。温度は100℃以上のことが多い。(出典:Wikipedia)

 

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