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これまでで最小のブラックホールが見つかった。「近くを通過するときはご注意!スパゲティーのように細く伸ばされ、ちぎれてしまいます」とNASAはエイプリルフールのユーモアを交えて発表した。

1日、米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センターの研究チームは、質量が太陽の3・8倍で直径が約24キロとこれまでで最小のブラックホールの発見を発表した。

このブラックホールは太陽系が属する天ノ川銀河のさいだん(祭壇)座にあり、2つの星がお互いを回る連星のうちの一方。2001年に発見され、研究チームは、ブラックホールに渦のようになって巻き込まれていくガスが発するエックス線を解析する新たな方法で質量を推計した。

ブラックホールは、大質量の恒星が超新星爆発した後、自己重力によって極限まで収縮することによって生成すると考えられている天体。重力が強く、光さえも抜け出せないと考えられている。

従って、ブラックホール自体を直接観測することは、これまで成功していない。周囲の物質の運動やブラックホールに吸い込まれていく時に物質が出すX線や宇宙ジェットから、その存在が予想されている。

ホーキングのブラックホール蒸発説
以前の物理学においてはブラックホールはただひたすら周囲の物体を飲み込み質量が増大してゆくだけであった。しかし、一般相対性理論に量子論を加えた理論を開拓したことで知られるホーキング博士は、ブラックホールから物質が逃げ出して最終的にブラックホールが蒸発する可能性を指摘している。

ブラックホール非存在説
2007年6月21日「ブラックホール」について、米オハイオ州の名門ケース・ウエスタン・リザーブ大の物理学者らが「存在しない」という新説を出している。新説は、新たな計算により、物質の流出が星がつぶれていく途中にも活発に起きるため、ブラックホールになり切れないと主張。それでも複雑な効果により、外から観測した場合はブラックホールがあるように見えるという。

地球上で実験でできる?小さなブラックホール
2007年運転開始の加速器LHCで極小型のブラックホールの生成実験が予定されている。 余剰次元理論に基づく計算によれば、LHCの衝突エネルギー(7TeV(7テラ電子ボルト))で極小ブラックホールの生成が可能であるとされ、余剰次元理論の検証ができると期待されている。余剰次元モデルが正しくなければブラックホールは生成しないが、生成した場合、ホーキング放射によって,ブラックホールは直ちに蒸発すると考えられている。

地球を通り抜けた?小さなブラックホール
1903年ロシアの森林上空で起きたツングースカ大爆発の原因
を、小型ブラックホールが地球を通り抜けたものとする説が1973年テキサス大学の物理学者らにより提唱された。当時、彼等の説が広く支持されることはなかったが、その後のホーキング放射説により見直されている。 

現時点ではどれも推測の域を出ない。科学の謎は深く興味深い。

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NASA、直径24キロの最小のブラックホール特定


最小のブラックホールの想像図。お互いを回る近くの星(後ろ側)のガスを巻き込んでいる(NASA提供・共同) 米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センターの研究チームは1日、質量が太陽の3・8倍で直径が約24キロと、これまでで最小のブラックホールを特定したと発表した。

このブラックホールは太陽系が属する天ノ川銀河のさいだん(祭壇)座にあり、2つの星がお互いを回る連星のうちの一方。2001年に発見され、研究チームは、ブラックホールに渦のようになって巻き込まれていくガスが発するエックス線を解析する新たな方法で質量を推計した。

恒星は寿命を迎えると超新星爆発を起こし、太陽質量の1・7−2・7倍以上だとブラックホールになり、それより小さいと中性子星になると考えられている。これまで見つかっていた最小のブラックホールは6・3倍だったという(2008.4.2 MSN )

 

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