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黄砂(こうさ)とは、東アジアや中央アジア内陸部の砂漠または乾燥地域の砂塵が、強風を伴う砂嵐などによって上空に巻き上げられ、主に春を中心に東アジアの広範囲に飛来し、地上に降り注ぐ気象現象のことである。降り注ぐ砂のことも「黄砂」と呼ぶ。

代表的な発生地としては、西からタクラマカン砂漠(中国西部)、ゴビ砂漠(中国北部・モンゴル)、黄土高原(中国中央部)の3つが挙げられる。しかし、この他にも中央アジアや東アジアの広い範囲に分布する砂漠や乾燥地帯が発生源となっているのではないかと見られている。

しかし、黄砂の量は降水量よりもむしろ嵐による強風の程度や頻度に左右されることが多い。現在、黄砂の大部分は、発生地である乾燥地帯を襲う砂嵐によるものだと考えられている。そのため、強い低気圧が通過した前後などは砂嵐が多く発生し、黄砂の量も多くなる。また、砂粒の大きさなども関係しているとされる。

時期としては、春に最も多く発生する。降水量が少なく地面が乾燥する冬は、シベリア高気圧の影響で風があまり強くない穏やかな天候が続き、乾燥地帯の表土は積雪に覆われて飛ばされにくくなるため、黄砂が発生しにくい。

春になると、表土を覆った積雪が融け、高気圧の勢力が弱まる代わりに偏西風が強まり、低気圧が発達しながら通過するなどして風が強い日が増え、黄砂の発生も増えるためと考えられている。春の中盤に入り暖かくなってくると植物が増え、夏になると雨が多くなるため、土壌が地面に固定されるようになって次第に黄砂の量は減り、秋に最少となる。

黄砂は上空を浮遊しながら次第に大気中のさまざまな粒子を吸着するため、その成分は発生する地域と通過する地域により異なると考えられている。中国・韓国・日本などの工業地帯を通過した黄砂は硫黄酸化物や窒素酸化物を吸着すると考えられているが、中国と日本の茨城県つくば市でそれぞれ採取された黄砂の成分調査によると、つくば市のものは二酸化窒素(NO2)や硫酸水素(HSO4)が増加しており、これを裏付けている。

韓国では、黄砂の中から硫酸塩などの化学物質や、病原菌なども検出されている。また、同じく韓国で2003年、黄砂の飛来する前後に行われた疫学調査では、尿の成分測定で発ガン性物質が増加したと発表された。

肺に入ると炎症を起こすシリカや、カビの菌糸体を構成するβグルカンなどが含まれているという研究結果もある。

大気中を進むうちに紫外線などを受けるため、病原菌の一部は死滅すると考えられているが、化学物質が紫外線により分解されて有害なものになることも懸念されている。

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黄砂に有害物質、中韓の工場排ガスが付着か…東大分析


国内で3月中旬に観測された黄砂に、中国や韓国の工業地帯が発生源とみられる有害物質が付着していたことが、東京大環境安全研究センターの戸野倉賢一准教授らの分析でわかった。

戸野倉准教授らは3月17〜19日、東大構内で大気中から約5万個の土壌粒子を採取。名古屋大チームが開発した粒子ひと粒ごとの組成を調べることのできる装置で分析した。

その結果、粒子の2割程度が中国から飛来した黄砂で、その大半に硝酸塩や硫酸塩が付着していたことがわかった。

黄砂は中国のゴビ砂漠などから偏西風に乗って日本国内に移動するが、その途中には中国や韓国の工業地帯がある。黄砂の季節に有害物質の大気中濃度が上がることから、付着していた物質は、石油、石炭を使う工場から排ガスとして大気中に放出された窒素酸化物などが、上空で黄砂に付着し、変化したものである可能性が高いという。

戸野倉准教授は「発がん性物質が、今後見つかる可能性もある」と話している。(2008年4月4日21時46分  読売新聞)
 

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