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沖縄では、サンゴ礁を食い荒らすオニヒトデの大発生が問題になっている。

具体的な被害として、オニヒトデの大発生は「サンゴ礁の生物多様性や美しい海中景観が失われる。」「サンゴ礁の恩恵を受けている水産業や観光業など、地域経済に大きな影響を与える。」「サンゴ礁がオニヒトデにより壊滅的な被害を受けた場合、回復が困難となる、あるいは回復するまでにたいへんな時間がかかる。」などの点で問題とされる。

そのため、大発生時には対症療法的に駆除作業が多大の予算をつぎ込んで行われてきた。しかし、すべてのオニヒトデを駆除することは不可能であること、また漫然とした駆除がかえって間引きによるオニヒトデの生長を助長しオニヒトデの再生産に荷担する可能性があることなどから、その効果は懐疑的である。

オニヒトデは4月下旬から7月にかけて放卵・放精する。生殖器は腕の付け根にある。一匹のオニヒトデは1年に数千万個の卵を産み、海中で受精した卵は発生してプランクトン幼生になる。

プランクトン幼生は数週間海の上を漂う。この間にどれだけ移動するのかはよく解っていなかったが、近年、オニヒトデの遺伝子を調べてみたところ、黒潮の流れに乗り、沖縄だけでなく四国の南西岸、紀伊半島、三宅島まで流されていくことが判明した。

プランクトン幼生は、サンゴ礁の上に降りてきて、0.5mm位の稚ヒトデになります。冬になると直径が1cm位になる。

オニヒトデは生後2年の夏には条件がよければ20cmに成長し、放卵・放精を行うようになり、それ以降は毎年放卵・放精を繰り返す。寿命は6〜8年と考えられている。
  
オニヒトデは腹側(下側)に口があり、そこから直接胃を出し、サンゴに押し付けて、体外でサンゴを消化して吸収する。このため、食べられると白い骨格だけがきれいに残る。このような食べ方をするので、複雑な形をしているサンゴを食べることが出来る。

成体のオニヒトデはサンゴを食べるが、小さい頃からサンゴだけを食べているのではない。

卵から孵化したばかりのプランクトン幼生の頃は植物性プランクトン食べる。その後、着底してから1cmになるまでの約6ヶ月間は石灰藻(サンゴモ)を食べている。

オニヒトデも小さいうちにサンゴに近づくと、逆にサンゴに食べられてしまう。オニヒトデを食べる生き物として、ホラガイ、フリソデエビ、フグ仲間、モンガラカワハギ、ハタの仲間、オウギガニの仲間、ウミケムシの仲間、クラカオスズメなどが知られている。しかし、ホラガイやフリソデエビなどは数が少ないうえにオニヒトデだけを食べるわけではないので、大発生を防ぐ役には立ちそうにない。

オニヒトデの体表面には大量の有毒の棘が生えており、これがヒトの皮膚に刺さるとオニヒトデ粗毒によって激しい痛みを感じ、アナフィラキシーショックによって重症に陥る可能性もある。

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沖縄でサンゴの天敵「オニヒトデ」が大量発生すると、幼生が黒潮に乗って本州や四国にまで押し寄せ、被害が飛び火することが、東京工業大の灘岡和夫教授(沿岸環境学)らの研究で分かった。05年にラムサール条約に登録された和歌山県・串本などの沿岸では近年、オニヒトデによるサンゴの食害が問題化している。沖縄から流れ着いた幼生が引き金になっている可能性が高いという。

オニヒトデは直径30センチ前後になる大型のヒトデで、体は毒のある鋭いトゲに覆われている。大発生すると、その海域のサンゴを食べ尽くし、壊滅的な被害を与える。沖縄県の石垣島や西表島の周辺では現在、オニヒトデが急増しつつある。環境省の調査では、海底で目撃される個体数は06年度の約7倍。約20年ぶりの大発生となる恐れがある。

産卵のピークは5〜7月ごろで、幼生は海中を漂いながら2〜7週間生き続ける。灘岡教授らは、南の海で生まれたオニヒトデの幼生が、海流によってどのように拡散するか、スーパーコンピューターを使って計算した。

その結果、石垣島や西表島の周辺海域で発生したオニヒトデの幼生は、年によっては5週間ほどで四国から紀伊半島の南岸に到達することが分かった。国内外の20カ所以上でオニヒトデの遺伝子を調べると、紀伊半島や四国のオニヒトデの遺伝子は沖縄やフィリピンと極めて近く、予測が裏付けられた。

沖縄のオニヒトデが今後も増え続けた場合、大量の幼生が本州沿岸に襲来する可能性が高い。灘岡さんは「黒潮は、まるで海の中の高速道路。オニヒトデの幼生を本州付近まで一気に運ぶようだ」と話している。( 2008年04月09日asahi.com ) 
 

大自然ライブラリー 沖縄・サンゴ礁の海 長田勇

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