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皮膚の色の違いというと何を思い浮かべるだろう?

人種差別?黒人・白人・黄色人種?肌の色が違っても中味は一緒だ。あまり科学的に考えたことはなかった。しかし、人類の長い歴史から見ると、皮膚の色にもちゃんとした科学的な根拠があった。

例えば、赤道付近の国々で、肌の黒い人が多いのは強烈な紫外線から体を守るためであるし、イギリスや北欧の人たちの肌が白いのは、逆に紫外線を吸収するために白くなっている。

肌にメラニン色素ができると、肌は黒くなる。紫外線を多量に浴びると、皮膚の細胞を「がん化」させることがある。メラニン色素は有害な紫外線を防ぐ

一方、紫外線は体に必要なビタミンDをつくる働きもある。夏であれば1日5分、皮膚の一部に太陽が当たれば十分な量のビタミンDができる。

NHKの「病の起源 第2集 骨と皮膚の病 〜それは“出アフリカ”に始まった〜」ではとてもわかりやすく、皮膚の色が環境に適応していることを教えてくれた。

肌の色の黒いインド人の夫婦がイギリスで暮らしている。すると、夫婦の子供には、なかなか歯が生えてこなかった。肌の色の黒い子供はビタミンDが不足するからだ。医者からビタミンDを処方してもらうと、やがて歯が生えてきた。もちろん、白人の子供にはそんなことは起きない。

オーストラリアに住む白人。南半球では南極上空にオゾンホールができる。オーストラリアでもオゾン層が薄くなり、紫外線量が増えている。何と白人の3人中2人は皮膚がんになる。日焼けをしないように、皮膚に日焼け止めを塗り、耳が隠れる防止を着用する。それでも毎日皮膚のチェックは欠かせないという。オーストラリアは2001年に建国100年を迎えたばかり、白人の肌はまだ新しい環境に適応できないのだ。

日本も例外ではない、冬場の日本海側は雪の日が多く、日照時間が少なくなる。この時期には、お年寄りの骨粗鬆症が増える。ちょっと転んだだけで骨折するなんてこともある。この原因は日照不足によるビタミンDの不足にある。

20万年前にアフリカにいた、人類の祖先は肌の色を黒くし、メラニン色素を増やすことで、紫外線から人体を守ろうとした。それから、アジアやヨーロッパなど北に移り住むに従って、紫外線量が少なくなるので、長い年月をかけてメラニン色素を減らし、黄色から、白色へと皮膚の色を変えていったのである。

このNHKの番組「病の起源」では、自然環境と人類の皮膚の色には微妙なバランスがあることをわかりやすく説明している。すばらしい番組である。
 

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NHK「病の起源 第2集 骨と皮膚の病 〜それは“出アフリカ”に始まった〜」


転んだ拍子に骨を折る、転倒骨折をする高齢者は毎年60〜80万人(推定)。寝たきりになる場合も多く、脳卒中に次ぐ2番目の原因となっている。高齢者にとって恐ろしい転倒骨折が、太陽光と深く関係していることが分かってきた。

太陽光に含まれる紫外線を皮膚に浴びることで作られるビタミンD。このビタミンDが不足すると、カルシウムの小腸での吸収骨への吸着が妨げられ、骨がもろくなってしまう。ビタミンD不足は、さらに歩行速度やバランス、そして筋力の低下を招き、転倒の危険を増すことも分かってきた。

人類進化をひも解くと、その道のりは太陽との闘いだった。およそ20万年前にアフリカのサバンナで誕生したヒト、ホモ・サピエンスは、強烈な紫外線から身を守るために褐色の肌を獲得した。しかし、およそ6万年前、アフリカを出て生息域を世界へと広げる過程では、今度は褐色の肌がビタミンDを作るのに必要な紫外線をも遮断してしまうという問題が生じた。この事態に、ヒトは北へ向かうにつれ肌の色を薄くし、紫外線とのバランスを取った。こうして生まれた肌の色の多様性が私たちヒトの多様性を生んだ。

しかし現在、高度な文明を手に入れたヒトは、地球規模の移民や、ほとんど太陽に当たらない生活など、自らの適応に逆らうような行動をとっている。その結果、皮膚がんやくる病、そしてビタミンD不足といった、進化の中で解決してきたはずの病に悩まされるようになった。太陽と闘い続けたヒトの進化を振り返り、太陽との付き合い方を考える。(出典: NHKスペシャル )
 

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