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青森県の観光地「十和田湖」の水辺で白鳥が謎の死をとげた。調べてみると、毒性の強い鳥インフルエンザ「H5N1型」に感染していることがわかった。H5N1型は鳥に感染しやすい。白鳥から野鳥に感染し、さらに近くの養鶏所にいる鶏にまでインフルエンザウイルスが運ばれると大変なことになる。今現地では文字通り、水際で何とかくい止めようと必死の防御活動を展開している。

インフルエンザウイルスにはA・B・Cの3型があり、このうちA型とB型がヒトのインフルエンザの原因になる。C型は小児期に感染して呼吸器感染症の原因になりC型インフルエンザと呼ばれるが、毎年世界的な大流行を起こす一般的な生活の中で呼ばれるものとは症状や原因ウイルスの性状の点でも差異が大きい。

A型とB型のウイルスの表面にあるヘマグルチニン(赤血球凝集素、HA)とノイラミニダーゼ(NA)という糖蛋白の違いで、インフルエンザの種類が決まる。

A型インフルエンザウイルスでは、これまでHAに16種類、NAに9種類の大きな変異が見つかっており、その組み合わせの数の亜型が存在しうる。これらの亜型の違いは「H1N1」や「 H16N9」といった略称で表現されている。

このうちヒトのインフルエンザの原因になることが明らかになっているのは、2008年現在でH1N1、H1N2、H2N2、H3N2の4種類である。この他にH5N1、H9N1などいくつかの種類がヒトに感染した例が報告されているが、これらの型ではヒトからヒトへの伝染性が低かったため大流行には至っていない。

鳥インフルエンザについては、基本的に鳥を介して伝染する。人には感染力が弱いのだが、感染力の高いものに変異するのは時間の問題と予想する学者もおり、恐れられている。現在、鳥に対して猛威をふるっているのは、「H5N1型」と「H5N2型」。

最近起きた「鳥インフルエンザ」事件


平成16年1月に山口県で起きた79年ぶりの国内流行の原因は、毒性が強いH5N1型ウイルス。大分県でチャボが感染、同2月には京都府の養鶏場でも流行が分かった。

京都の養鶏場はすぐに通報しなかったため被害が拡大。一時は鶏の出荷も続けたため、全国的に鶏肉や卵の風評被害を引き起こす事態になった。最終的に28万羽近い鶏を処分。農水省の専門家チームが感染経路の究明にあたり、3地域のウイルスは渡り鳥によって別々に持ち込まれたと推定された。

17年6月には茨城県の養鶏場で、毒性が弱いH5N2型が流行。感染は県内各地に拡大し、570万羽が処分された。その後の調査で、中米から輸入された違法ワクチンが原因との見方が強まったが、明確な証拠は見つからず、感染経路は謎のままだ。

どちらのケースでも養鶏場の従業員や防疫作業を行った人に、症状が表れない弱い感染があったことが判明。人に容易に感染する新型インフルエンザに変異する恐れから健康不安も高まった。

最近では平成18年1月、宮崎県清武町の養鶏場で鶏が大量死。死んだ鶏は2400羽にもなった。この時のウイルスは強毒性のH5N1型とわかっている。

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秋田県小坂町の十和田湖畔で見つかったオオハクチョウの死骸(しがい)などから検出された鳥インフルエンザウイルスは、独立行政法人・動物衛生研究所(茨城県つくば市)の検査で29日、鶏に感染すると致死率が高い強毒性のH5N1型とわかった。

同型の野鳥への感染は、昨年1月に熊本県で衰弱死したクマタカ以来で3件目。渡り鳥では初めて。環境省は周辺で野鳥のフンを採取するなど感染の広がりがないかを調べている。

湖畔で21日、オオハクチョウ3羽の死骸と衰弱した1羽が発見され、検出されたウイルスを同研究所が鶏8羽に接種したところ24時間以内に7羽が死んだ。

鶏への感染や野鳥の大量死は確認されておらず、秋田県は感染が広がらないとみている。東北・北海道のオオハクチョウの多くはシベリアなどに北上している。

現場から30キロ以内では、比内地鶏農家14軒など秋田、青森、岩手3県の養鶏・採卵業者56軒が243万羽を飼育している。3県は鶏の変死がないかや防鳥ネットなど防護策に不備がないかの調査をしている。通常は人に感染しないが、環境省は野鳥の死骸などに触れないよう呼びかけている。

H5N1型は韓国で流行しているが、関連は不明だ。04年には京都、大阪両府でハシブトガラスの死骸から検出された。養鶏場でも同年に山口、大分、京都の3府県で、07年には岡山、宮崎両県で感染が確認された。(2008年4月29日17時37分  読売新聞)

 

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