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中国・四川省で12日大きな地震があった。その規模は神戸阪神淡路大震災の30倍にもなるという。当初数千人の死者が出たという報告が、しだいに増えていき、14日午前の時点では、死者の数は1万2千人にのぼっている。これからも増えそうな様相だ。

5月12日午後3時28分(北京時間2j時28分)、四川省文汶川県(北緯31度、東経103・4度)においてM7・9の地震(初期段階でM7・6と発表した地震)が発生した。中国国営の新華社通信は、同省での死者は綿陽市で7000人以上、徳陽市綿竹市で2000人以上で、綿陽市ではなお約1万8600人が生き埋めになっていると伝えた。震源地の同省アバ・チベット族チャン族自治州、汶川県付近の被害状況が確認されれば、死傷者はさらに増える見通しだ。

中国では、1976年に24万人の死者を出した唐山大地震(河北省)以降で最悪の地震被害になりそうだ。救助活動に向けて、13日昼までに武装警察部隊約2万人が動員され、人民解放軍も空軍も含め3万4000人以上が各被災地に移動している。

今回の地震の主な特徴


広範囲なゆれ:1500km離れている北京、上海をはじめ香港、台湾、タイの首都バンコク、ベトナムのハノイでも揺れを感じ、台湾各地では同日午後2時38分前後に2分以上揺れを感じたという。また、マンションの高層階住民やサラリーマンたちは6、7分以上も揺れを感じた。この理由は地下10kmという、比較的浅いところで起きたために横波が伝わりやすかったと考えられている。

大陸の内陸部:大陸の内部はプレートの境界がないので、地震が起きにくいとされているが、ヒマラヤが近いこのあたりの地域は例外だ。世界の3分の1の直下型地震は、地球の陸面積の14分の1を占める中国に集中。しかも四川や雲南はヒマラヤ造山帯近くの「地震の巣」だ。

建物の倒壊・下敷きによる被害:今回は8割の建築物が倒壊する街も出るなど、建物のもろさが被害を拡大。ビルに鉄筋のない手抜き工事が問題化。上海や北京では地震と同時に高層ビルから飛び出すなど“危険な避難”が目につき、地震に不慣れな中国人の姿が浮き彫りとなった。

国際支援:今後、国際的支援を要請する可能性も高まっている。被災規模が大きく、少なくとも数万と推定される負傷者の治療や百万人規模の被災者の救援に緊急支援を必要としているからだ。チベット騒乱事件で国際社会との摩擦が続く中、国際的支援を受けることで、国際関係を修復することも考えられる。1976年に24万人の死者を出した唐山大地震(河北省)以前は海外の支援を受け入れなかった。

直下型地震:中国・四川省で12日起きた地震は、四川省を北東―南西方向に走る断層帯(竜門山断層)の一部が動いて起きたとみられている。筑波大の分析では、まず長さ約100キロ、幅約30キロの断層が最大で約7メートルずれ、続いて、その北東側で長さ約150キロ、幅約30キロの断層が4メートルずれた。通常のマグニチュード(M)と比べ、断層の動いた量から地震のエネルギーをより正確につかめるモーメントマグニチュード(Mw)は7.9となり、6.9だった阪神大震災に比べて地震の規模は32倍になった。  

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四川大地震、断層のズレ250キロ、破壊力「阪神」の30倍


中国・四川省の地震を引き起こした断層について、長さ約250キロにわたる断層が2段階にわけて動いたとする分析結果を筑波大の八木勇治准教授らが13日まとめた。
大きな断層のずれが相次いだことで、広い範囲に記録的な揺れを引き起こしたとみられている。

今回の地震は、四川省を北東―南西方向に走る断層帯(竜門山断層)の一部が動いて起きたとみられている。八木准教授の分析では、まず長さ約100キロ、幅約30キロの断層が最大で約7メートルずれ、続いて、その北東側で長さ約150キロ、幅約30キロの断層が4メートルずれた。阪神大震災を起こした断層は長さ約40キロで、今回はその6倍強になる。

地震開始から約50秒かけて最初の断層が動き、10秒後に2番目の断層が約60秒かけて動き、揺れは約2分間続いた可能性がある。

地表近くで最も大きくずれたため、被害の拡大につながった可能性があるという。震源近くでは地表に約7メートルの段差が現れているとみられる。地震の規模を示すマグニチュードは7・9で、その破壊力は、阪神大震災の30倍にもなるという。

米地質調査所は、地震を引き起こした断層の規模を長さ約200キロ、幅約20キロと見積もっている。ずれが進行した時間は約2分とみており、八木准教授の見解とも一致する。また、断層の中に「特にずれが大きい場所が2か所ある」としている。(2008年5月14日03時09分  読売新聞)

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銭 鋼
朝日新聞社

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