ニュースで学ぶサイエンス!このブログでは、最新科学情報をくわしく調べ、やさしく解説!科学がわかります。
「アインシュタインの眼」はBShiで火曜日の夜7:00〜7:44に放映している番組だ。

現代の最先端の科学技術でつくられたスーパーカメラを使って、ミクロ単位の技を持つ職人や秒速の世界でプレーするスポーツ選手、精巧なハイテク製品の仕組みや驚異の自然現象など、私たちの眼や耳では通常とらえることができない世界を鮮やかに映しだす素晴らしい番組である。

先日はイルカの持つ驚異の身体能力を、スーパーカメラを使って解き明かしていた。これまであまり、知られていなかったことをはっきりととらえていた。

イルカとクジラの違い


イルカとクジラは特別な差はなく、成体の体長でおよそ4mをクジラとイルカの境界と考えられている。しかし、これも定義ではなく、実際にクジラ、イルカと呼ばれている種の体長から逆算したものであり、この規則に当てはまらない種もある。コマッコウや、ゴンドウクジラのかなりの種は、4mに達しないが、クジラとされる。シロイルカ(ベルーガ)は、「イルカ」とついているが、成体は5mに達し、クジラのなかまにはいる。

驚異のジャンプ力


イルカというと水族館などのイルカショーを思い浮かべる人も多いだろう。頭がよいのでさまざまな芸を披露して私たちを楽しませてくれる。代表的な芸にジャンプがある。水中で速度をつけて水面から飛び上がり、ハイジャンプ・ハードルジャンプ・バックスピン・スピンジャンプ・テールキック・ランディングなど技も多彩だ。また飛び上がって空中にぶら下げたボールを嘴でつついたり、尾で叩いたりといった曲芸もできる。

あのボールの高さは約6mもある。どこにそんなパワーが秘められているのだろう?

番組で尾ひれの筋力を測定すると、何と250kgものパワーで泳いでいることがわかった。そしてもう一つは尾ひれの形、あの三日月型のヒレはスピードを出すのに適した形であることがわかった。さらに、最近の研究では皮膚の垢や皮膚の細かい「しわ」が高速で泳ぐ時に役立つことまでわかってきた。

驚異の超能力


もう一つ驚くのはとぎすまされた感覚だ。あの狭いプールで全力で泳ぎ、全力でジャンプしてもなかまのイルカとぶつかって怪我したなんて話は聞いたことがない。

いったいどうやって狭いプールの中を、イルカ達は高速で泳ぐことができるのだろう?

番組では目隠したイルカに、水中に投げた輪を取らせると、どこに投げても見つけ出し嘴にかけてくることがわかった。彼らは目が無くても、絶えずソナー音を頭から発しており、水中にある物体にはね返った音で、場所も形も認識できる器官をアゴに持っている。

そしてさらにコミュニケーション能力だ。ショーの時あの狭いプールでなかまと息を合わせて、並んでジャンプ!いったいどうやって息を合わせているのだろうか?

番組で水中を観測して、捕らえたのがホイッスルのような音だ。彼らはソナー音とは別のヒューという音を出して、なかまと盛んにコミュニケーションを取る。そして見事なチームワークを披露することができるのである。

イルカは私たちヒトとは別の感覚を発達させた、別の世界に生きる動物なのである。私たちは「ヒト」としての感覚でしか世界を判断しないが、他の生物から見るとまた違った世界が広がっており、そこから学ぶことは多い。

参考HP:NHKアインシュタインの眼「イルカ 高く!早く! 〜驚異の身体能力〜」
  http://www.nhk.or.jp/einstein/index.html


ここまでわかったイルカとクジラ―実験と観測が明らかにした真の姿 (ブルーバックス)
村山 司,笠松 不二男
講談社

このアイテムの詳細を見る
恋人はイルカ ドルフィントレーナーにあこがれて
中村元
マイクロマガジン社

このアイテムの詳細を見る

ブログランキング・にほんブログ村へ ブログ検索 ブログランキングへ ランキング ←One Click please