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銅やアルミニウムなど金属の市場価格が高騰している。金属の価格高騰の原因は何だろうか?

第一に中国の経済成長が挙げられる。中国の銅消費量は1990年には51万トンだったが、2005年には364万トンにまで増えた。自動車の急増や建物の建設ラッシュで多くの金属が必要になっている。北京五輪に向けて社会基盤の整備も急ピッチで進んでいる。さらに、インド、ブラジルなどの新興工業国でも金属の需要が伸びている現状がある。一方、産出できる金属の量には限りがあり、需要の増加にすぐには対応できない。金属が世界的に品薄になり、価格が高騰している。

第二に投資資金の流入である。「値上がりを受け、商品市場で銅やアルミなどが『確実に値上がりが見込める銘柄』とみられるようになった。米国最大といわれる年金基金なども資金を投入した。銅やアルミの投資市場の規模はもともと小さいので、多額の投機的資金が流入したことで値上がりが加速した。一方、鉄の原料となる鉄鉱石は、鉄鋼会社と鉱山会社の交渉で価格が決まります。投機的な資金が入り込む余地はない」(読売新聞「金属価格の高騰」より2007年2月6日)

金属は身の回りにある、美しい光沢を持つ当たり前の存在であるが、自然界にはこのようにきれいになったものはほとんど存在しない。手間暇をかけて、鉱石から取り出したり、リサイクルし、再利用しているのだ。

金属を取り出す原料となる岩石を鉱石という。自然界にある金属はどんな姿をしているのだろう?またどうやって美しい金属になるのだろう?どれも重要な金属「鉄・銅・アルミ」について調べてみた。

鉄鉱石の種類


鉄鉱石の主要成分は酸化鉄であり、多く使われる鉄鉱石は赤鉄鉱 (Fe2O3)、磁鉄鉱 (Fe3O4)、褐鉄鉱 (Fe2O3•nH2O)、磁鉄鉱の粒状鉱物である砂鉄などである。黒灰色で金属光沢のある輝銀鉱 (Ag2S)、金色に光る黄鉄鉱 (FeS2) は鉄鉱石としての値打ちは無い。他に針鉄鉱 (FeO(OH))、針鉄鉱と組成は同じだが鉱物としては区別される鱗鉄鉱 (FeO(OH))、菱鉄鉱 (FeCO3) などが存在する。

鉄の製錬
鉄の製錬はしばしば製鉄と呼ばれる。簡単にいえば、鉄鉱石に含まれる様々な酸化鉄から酸素を除去して鉄を残す、一種の還元反応である。鉄鉱石を原料とする日本の近代製鉄は1858年1月15日(旧暦1857年安政4年12月1日)に始まったと言われ、その後急幕末以降、欧米から多数の製鉄技術者が招かれ日本の近代製鉄は急速に発展した。現在の日本では、鉄鉱石から鉄を取り出す高炉法とスクラップから鉄を再生する電炉法で大半の鉄鋼製品が製造されている。

高炉から転炉や連続鋳造工程を経て最終製品まで、一連の製鉄設備が揃った工場群のことを銑鋼一貫製鉄所(もしくは単に製鉄所)と呼び、臨海部に大規模な製鉄所が多数立地していることが、日本の鉄鋼業の特色となっている。

日本では電炉法による製造比率が粗鋼換算で30%強を占める。鉄が社会を循環する体制が整備されており、鉄のリサイクル性の高さと日本における鉄蓄積量の大きさを示している。鉄スクラップは天然資源に乏しい日本にとって貴重な資源であり、これをどう利用するかが、注目されるべき課題とされている。

銅鉱石


銅鉱石を構成する鉱石鉱物には、次のようなものがある。自然銅(Cu)、輝銅鉱(Cu2S)、斑銅鉱(Cu5FeS4)、銅藍(CuS)、黄銅鉱(CuFeS2)、 硫砒銅鉱(Cu3AsS4)、安四面銅鉱(Cu,Fe,Zn)12Sb4S13、赤銅鉱(Cu2O)、黒銅鉱( CuO)、藍銅鉱(Cu3(CO3)2(OH)2)、孔雀石(Cu2(CO3)(OH)2)

銅の製錬
銅鉱山で得られた黄銅鉱(主成分CuFeS2)にコークスのほか融剤として石灰石とケイ砂を加えて溶錬炉で溶融し、鉄分を除く。銅分は銅マットや銅�ョ(どうかわ。銅精製への中間製品。硫化銅と硫化鉄の化合物から成る)の形で濃縮される。同時に生じる鉄分はケイ砂によって取り除かれる。また、ケイ砂と石灰石からケイ酸カルシウムが生成し、これが融剤として銅の融点を下げる。
 
そして、銅マットを転炉に入れて、空気を吹き込んで不純物(硫黄、鉄など)を酸化除去し、粗銅(銅含有率は約98%)を精錬する。このとき2000℃を越える高温になり、還元される。
 
いかなる金属元素も高温にすれば還元されるのは、酸素、硫黄は気体となり粒子数が増大する方向に平衡が移動するからである。 その後、粗銅は電解精錬によって、99.99%以上の純銅に精製される。電解精錬によって得られた銅は電気銅とも呼ばれる。

アルミニウム鉱石


ボーキサイト(bauxite)はアルミニウムの原料であり、酸化アルミニウム(Al2O3、アルミナ)を 52%−57% 含む鉱石である。実際にはギブス石(gibbsite、Al(OH)3)、ベーム石(boehmite、AlO(OH))、ベーム石と組成は同じながら層状結晶の構造が異なるダイアスポア(diaspore、AlOOH)などの水酸化アルミニウム鉱物の混合物であり、鉱物ではない。

アルミニウムの精錬
ボーキサイトからアルミニウムを精錬するためには、まず不純物である二酸化ケイ素(SiO2)と酸化鉄 (Fe2O3)を除く必要がある。ボーキサイトを加圧、加熱下で濃水酸化ナトリウム溶液に浸すと、ケイ酸塩のほか、酸化アルミニウムがアルミン酸ナトリウムとして溶け出す。

水酸化鉄は不溶性であるため、赤泥として沈殿するから廃棄する。上澄み水溶液を取り出して冷却し、結晶核として水酸化アルミニウムの結晶を加えて放置すれば、粒状の水酸化アルミニウムが沈殿する。ケイ酸塩は水溶液に残るため、ケイ素も除去できたことになる。

最後に、水酸化アルミニウムを焼成することでアルミナ(酸化アルミニウム)を得て(バイヤー法)、これを融解した氷晶石(Na3AlF6)に 5% 程度融かして炭素電極を用いて融解塩電解することにより(ホール・エルー法)、陰極に単体のアルミニウムが得られる。

アルミニウム鉱物、ルビーとサファイア


ルビーやサファイアも鉱石であるから驚く。ボーキサイトと同じ酸化アルミニウムだ。ただし、これに不純物としてクロムが入ったものがルビーで、鉄やチタンが入ったものをサファイアという。

ルビーはコランダム(鋼玉:こうぎょく)と呼ばれる鉱物の一種である。コランダムは宝石の中ではダイヤモンドの次に固い鉱物で、モース硬度は9。主成分はアルミナ=酸化アルミニウム(Al2O3)である。

ルビーは、どんな光の中でも赤い光を発することができる。これは、ルビーの中の1%のクロムが光エネルギーに反応し、自ら赤く発光するためである。

サファイアはコランダムのうち宝石としての価値があり、かつ色が赤でないものをいう。不純物の違いで濃赤色を呈するものはルビー(不純物:クロム)となる。

「青玉」という和名があるように、一般に濃紺あるいは青紫色をしたもの(不純物:鉄、チタン)と考えられているが、濃い赤以外のあらゆる色、黄色や茶色、薄紅色などのものもサファイアである。また、工業的に生産される単結晶コランダムもサファイアと呼ばれる(この場合、サファイアガラスなどと呼ばれる事があるが、結晶なのでガラスではない)。(出典:Wikipedia) 
 

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