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ナメクジウオ」は、原始的な脊索動物(せきさくどうぶつ)である。脊椎動物の最も原始的な祖先であると考えられ、生きた化石である。

脊索動物(せきさくどうぶつ)とは、動物の分類のひとつで、トカゲ、ヒトなど脊椎(背骨)をもつ動物であるセキツイ動物と、それと近縁な動物群であるナメクジウオ類などやホヤ類などの3つのグループをあわせて呼ぶ。

脊索(せきさく)は全ての脊索動物の「胚」で見られる柔軟な棒状体である。セキツイ動物では発生の過程で「背骨」と置きかわり消滅してしまう。ナメクジウオでは、背骨は持たず、「脊索」が一生にわたって体の主軸を支える。

今回、京都大、国立遺伝学研究所や英米などの国際研究チームが、「ナメクジウオ」のゲノム解析に成功した。「ナメクジウオ」は、「ホヤ」とともにセキツイ動物の祖先とされる動物なので、どちらがより人類に近いか興味深かった。

その結果、ヒトなど脊椎(せきつい)動物の祖先はホヤ類ではなく、ナメクジウオ類であることが分かった。6月19日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載された。

ゲノム解析の結果、ナメクジウオのゲノムの大きさはヒトの約6分の1で、約21600個の遺伝子を特定した。このうち、1090個の遺伝子をホヤと比較し、ナメクジウオの方が早く現れ、原始的であることを確認した。また、遺伝子の60%がヒトと共通しており、並び順も似ていた。一方、ホヤは独自の進化を遂げた傍流と分かった。

ちなみにウニのゲノム解析の結果(2006年)と比較すると、ウニのゲノムの大きさはヒトの約4分の1(8億1400万塩基対)で、遺伝子数はヒトとほぼ同じ23000個。遺伝子の70%がヒトと共通している。ウニは、セキツイ動物と共通する祖先から5億2000万年前に分かれたと推定されている。

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背骨をもつ脊椎(せきつい)動物の祖先はホヤでなく、ナメクジウオだった。京都大、国立遺伝学研究所が米英などの研究機関とナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)を解読し、ヒトやホヤのゲノムと比べた結果、進化の順番が明らかになった。19日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に発表する。

ナメクジウオは浅い海底にすむ体長3〜5センチほどの生物で、日本では瀬戸内海などにいる。背骨(脊椎)はなく、脊索(せきさく)と呼ばれる筋が頭から尾まで貫いている。「頭索(とうさく)動物」に分類される。

一方、ホヤは、生まれた直後はオタマジャクシのような形をしていて、尾にやはり脊索がある。「尾索(びさく)動物」に分けられ、尾の脊索は成体になると消失してしまう。

ヒトなどの哺乳(ほにゅう)類や、爬虫(はちゅう)類、魚類などの脊椎は脊索が進化してできたとされ、ヒトも大きくはナメクジウオやホヤと同じ「脊索動物」に属する。これまでは最初にホヤが生まれ、その後、形態がより脊椎動物に近いナメクジウオが現れたと考えられていた。

研究チームは今回、ナメクジウオのゲノムをすべて解読して、約2万1600個の遺伝子を見つけた。これらを、すでに解読ずみのヒトやホヤのゲノムと比べたところ、ナメクジウオが最初に生まれたことが確認できた。

研究リーダーの一人、京都大の佐藤矩行(のりゆき)教授によると、遅くとも5億2千万年前、脊索動物の共通の祖先からナメクジウオが分岐し、その後、脊椎動物に進化した。ホヤはその過程で分かれ、独自に進化したと考えられるという。

また、ヒトの遺伝子の9割がナメクジウオにもあることも、今回、わかった。

佐藤さんは「脊索動物の進化と脊椎動物の起源について、最終決着がついた。新たな学説はもう生まれない」と話す。( asahi.com 2008年6月19日2時17分 )

 

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早川 いくを
バジリコ

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ナメクジウオ―頭索動物の生物学
安井 金也,窪川 かおる
東京大学出版会

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