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私たちに必要な5大栄養素にはどんなものがあったでしょう?
そう、タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル(無機質)でしたね。6番目として、食物繊維を入れることもあります。

ではミネラル(無機質)とはどんなものでしょう?
正解はカルシウム(Ca)・リン(P)・マグネシウム(Mg)・ナトリウム(Na)・カリウム(K)・塩素(Cl)・鉄(Fe)・銅(Cu)・亜鉛(Zn)・セレン(Se)・マンガン(Mn)・ヨウ素(I)・コバルト(Co)・イオウ(S)・モリブデン(Mo)・クロム(Cr)などがあります。

このうち「リン」は植物の肥料の3要素にも入っていて、リン酸は花付き、実付きを良くする肥料分で花肥(はなごえ)または実肥(みごえ)ともいわれます。果実を収穫する場合や、花をたくさん咲かせる必要のあるときには欠かせない養分です。

「リン」はヒトの体内のミネラルとしても重要で、カルシウムの次に多い栄養素です。大人の体にはおよそ700gのリンが含まれています。

体内で「リン」はどんな働きをするのでしょう?
体内のリンはその85%がカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯をつくる成分(リン酸カルシウム・リン酸マグネシウム)になっています。

残りの15%は筋肉、脳、神経などの様々な組織に含まれ、エネルギー(ATP)をつくり出す時に必須の役割をしています。

また それ以外に 血液中ではリン酸塩として 血液の酸やアルカリを中和する働きをします。また、リンはリン酸や、DNA(核酸)の成分でもあります。ビタミンB1・B2と結合して補酵素となる働きもあります。また 糖質代謝を円滑にします。 

「リン」はどんな食品に多く含まれているのでしょう?
 広く動植物食品に含まれていますが、とくに魚類、牛乳・乳製品、大豆、肉類に多く含まれます。

「リン」どれくらいとったらよいでしょう?
リンは、現代の食生活では一般に不足することはなく、むしろとり過ぎが問題です。その原因のひとつに、リンを多く含む食品添加物が加工食品や清涼飲料水などの酸味の素として使用されていることがあげられています。

 リンはカルシウムの代謝と関係が深く、カルシウムの摂取量が低い一方でリンを過剰にとる食事を長期間続けると、骨量と骨密度が減る可能性があるといわれています。丈夫な骨のためにカルシウムをしっかりとることはみんなが知っていることですが、一方でリンをとり過ぎないことも重要なのです。

外食や加工食品に偏りがちな場合は、リンの摂取量が多い可能性があります。食生活を見直すとともにカルシウムの多い食品を摂取するようこころがけましょう。

リンを汚水から回収・再利用する新技術
このように動・植物ともに必須のミネラルでありながら、国内での生産量はほとんどなく、輸入にたよっています。一方、河川に混じると、微生物の発生の原因となる「水質汚染物質」でもあります。

養豚業などで発生する汚水の中には、水質汚染物質である高濃度のリンが含まれており、汚水を放流する前にリンを除去する必要がありました。また、リンは枯渇が懸念される有限資源でもあるため、汚水中のリンを回収し再利用することが望まれています。

先日、農業・食品産業技術総合研究機構の研究グループが、養豚場からの排出汚水から簡単な設備でリンを回収、肥料などに再利用できる技術を開発しました。

汚水に含まれるリンの回収には、弱アルカリ化することが必要でしたが、研究チームは、汚水中に空気を送る曝気(ばっき)槽を設けることで、この問題を解決しました。曝気により汚水中に溶存していた二酸化炭素(CO2)を追い出し、pHを8-8.5に上昇させることができました。

次に曝気槽に金網を沈めると、表面にMAP(リン酸マグネシウムアンモニウム)が付着し回収することができました。MAPは簡単にはがれて、そのまま肥料として使えます。

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養豚汚水からリンを効率よく回収、再利用


養豚場からの排出汚水から簡単な設備でリンを回収、肥料などに再利用できる技術を農業・食品産業技術総合研究機構の研究グループが開発した。

既設の汚水処理施設の改善でも対応可能で、さらに近年の穀物増産などにより価格が急騰しているリンを回収、再利用できることから、実用化の可能性が大きい技術と期待されている。

農業・食品産業技術総合研究機構の畜産草地研究所を中心とした研究チームは、豚舎から排出される汚水にリン酸イオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオンなどが、リン酸を結晶化するMAP(リン酸マグネシウムアンモニウム)反応にちょうど適した濃度で含まれていることに着目した。ただし、結晶にするには水素イオン濃度(pH)を8-8.5にする必要がある。研究チームは、汚水が流入する部分に、汚水中に空気を送る曝気(ばっき)槽を設けることで、この問題を解決した。曝気により汚水中に溶存していた二酸化炭素(CO2)を追い出し、pHを8-8.5に上昇させることができる。

曝気槽に金網などの回収用部材を沈めると、表面にMAP(リン酸マグネシウムアンモニウム)が付着し、付着したMAPは引き揚げた回収用部材から簡単にはがし落とすことができる。この方法で汚水中のMAPの半分、汚水1立方メートルにつき最大170グラムのMAPを回収できることが確かめられた。回収したMAPは日干しするだけで、そのままリン酸肥料として再利用でき、実際の栽培実験で特にタマネギについては市販のリン酸肥料より効果が高いことなどが確かめられた。

研究チームは、陶磁器の釉薬(うわぐすり)としての利用も検討している。日本は、リンをすべて輸入に頼っている。(サイエンスポータル 2008年6月20日)

参考HP Wikipedia「リン」
農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 プレスリリース
 →
  http://nilgs.naro.affrc.go.jp/press/2008/0618/shosai.html#menu
グリコ栄養成分百科 → http://www.glico.co.jp/navi/dic/dic_09.htm
 

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