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火星探査機フェニックスがついに火星に水があることを発見した。足もとの土を掘ると、白い結晶が現れたからだ。しばらくするとその結晶は姿を消した。白い結晶は水が氷になったもので、これが溶けて蒸発したのだという。

しかし、火星の大気は二酸化炭素が主成分のはず。二酸化炭素が固体となったドライアイスでも白い結晶はできる。どうやって水であることを確認したのだろう?

ドライアイスであるか、氷であるかは、火星の気温が問題である。火星の表面温度はどのくらいあるのだろう?

火星の大気の主成分は二酸化炭素。気温は昼間でも−9℃。夜には−77℃まで下がる。また気圧は地球に比べると100分の1程度しかなく、その結果高低差わずか75cmでも気温差が15℃近くもある。季節によっても温度差はあり、夏の昼間では27℃まで上昇することもある過酷な環境だ。

ドライアイスの温度はどのくらいだろう?ドライアイスは1気圧中では、−79℃で固体から液体にならずに、いきなり気体になる。固体から気体になることを昇華という。

温度から見ると、もし白い結晶がドライアイスであるならば、ほんの数分で蒸発してしまうであろう。発見された白い結晶は4日後に蒸発してなくなった。このことから水であることが結論づけられたようだ。

しかし、それだけで水と結論づけるにははやくはないだろうか?こんなに鮮明な映像でも、確実に物質を特定するのは難しい。

水を確認する方法は?


他に水を調べる方法はないだろうか?地球上で水の存在を調べるのは塩化コバルト紙である。他には無水硫酸銅を使う方法もある。塩化コバルト紙は水分を吸収して青から赤に変色する。

今回の火星探査、塩化コバルトを持っていけば、すぐにわかったのではないだろうか?密封した青色の塩化コバルトを火星の土壌に落としてみて、赤くなるかどうかを観察すれば一発でわかったはずだが?

また、その他には無水硫酸銅を使う方法もある。無水硫酸銅は白い薬品であるが、は水にふれると青に変色する。

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火星に氷「やっぱりあった」 NASAなど、写真分析で


火星探査機フェニックスが火星の土をすくい取った跡。左(15日撮影)では左下の影の部分に白っぽい塊が数個見える(拡大写真参照)が、右(19日撮影)では消えている=NASA、アリゾナ大など提供

米航空宇宙局(NASA)とアリゾナ大などは20日、火星探査機フェニックスが撮影した写真の分析から、火星極域の地表近くに氷が存在することを確認した、と発表した。今回の発見で、かつて温暖だった火星には地球型生命に不可欠な液体の水が存在し、微生物などが生きられる環境だった可能性が高まった。

確認の決め手は、ロボットアームの先のスコップが火星の土をすくい取った跡の写真。15、16日に撮影された写真では、さいころ大の白っぽく光る塊が写っていたが、19日の写真では消えていた。

これらの塊は氷や塩、またはドライアイス(二酸化炭素の氷)の可能性がある。しかし、蒸発して消えたとみられることと、少なくとも1日間は安定に存在していたことから、塩やドライアイスである可能性はないという。

計画の主任研究者でアリゾナ大のピーター・スミス上級研究員は「この光る塊は水が凍ったものであり、ほかの物質ではないことを示す証拠が見つかった」と話した。

5月25日に軟着陸したフェニックスは、土のサンプルを加熱し、出てきたガスの分析から氷や生命の痕跡である有機物の確認も目指している。( asahi.com 2008年6月21日 )

 


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