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今日は各地で30℃を超えている。今年も暑くなりそうだ。

ヒートアイランド(Heat island)とは、都市部の気温がその周辺の非都市部に比べて異常な高温を示す現象をいう。ヒートアイランド現象の原因はなんだろうか?

1.緑地や水辺、裸地などの減少や舗装による、降雨の地面への浸透量減少、土中の保水力低下、ひいては蒸発・蒸散量の減少
2.アスファルトやコンクリートによる、光反射率の低下、熱吸収率の増加。 
3.産業活動における工場、家庭の空調設備、自動車などによる人工排熱
オフィスビルの情報機器による人工排熱。 
4.建築物や都市の地形変更(特に高層建築物)による、風の流れの変化

などの原因が挙げられる。ヒートアイランドが進めば進むほど、冷房需要が増加し、それが排熱の増加を招いてヒートアイランドをさらに促進するという悪循環も指摘されている。 

首都大学東京大学院の高橋日出男教授(気候学)らは、東京都心の高層ビル群の風下の地域が、局地的な大雨が多発する傾向性のあることが分かった。ヒートアイランドに加え、風がビルにぶつかって上昇気流がおきやすく、雨雲が発達するためとみられている。

高層ビル群のならぶ、新宿に隣接する中野区や汐留地区など臨海部のある品川区など開発地域の風下側で、大雨が多発する可能性があるという。

ヒートアイランド緩和策は?


太陽光の吸収量を減らす、排熱を減らす、冷却効果を高めるといったことを目的に緩和策が取られている。

1.緑化、近年は屋上緑化・壁面緑化(緑のカーテン)の採用も多い。東京都や兵庫県においては条例によって一定の条件下で屋上の緑化が義務付けられている。また多くの都市で助成金が出る。
2.高光反射率素材・塗料の採用。
3.水辺の整備、湿地や湖沼などの保護や拡張。
4.透水性舗装・保水性舗装・遮熱性舗装の採用。
5.「風の道」の確保。水上や郊外から涼しい空気が都心に流れやすいようにする。シュトゥットガルトの事例やベルリンのポツダマープラッツ周辺再開発に伴う事例が有名。
6.散水、打ち水
7.ドライミストなどの新たな冷却機器の設置。
8.自動車・航空機などの輸送機器、建築物(空調・給湯)からの人工排熱の抑制、冷却。

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高層ビル群は山岳地帯、雨雲発達…局地的大雨呼ぶ 首都大学東京分析


東京都心の高層ビル群の風下の地域は、局地的な大雨が多発する傾向があることが首都大学東京大学院の高橋日出男教授(気候学)らの分析で分かった。風がビルにぶつかって上昇気流が生まれ、雨雲が発達するためとみられ、新宿に隣接する中野区などが大雨になりやすい。都心では近年、集中豪雨が増加しており、都市型水害の対策づくりに役立ちそうだ。

都市部の集中豪雨はヒートアイランド現象との関連などが指摘されているが、高層ビル群との関係はよく分かっていなかった。千葉・幕張で25日から開催される日本地球惑星科学連合大会で発表する。

高橋教授らは平成14年までの11年間の夏季に、都心で1時間に20ミリ以上の強い雨が降った226回のケースを分析。強雨の約2時間前の風向きや、航空機からレーザーで測量した1棟ごとのビルの高さとの関係を詳しく調べた。

その結果、東風のときは新宿の西側の中野区で強い雨が降る回数が最も多かった。南風のときは池袋の北西の板橋区や練馬区、北風のときは渋谷の南の目黒区などで最多となり、いずれも高層ビル群の風下の地域が大雨に見舞われる傾向がはっきり現れた。

風がビルにぶつかると行き場を失って上昇するが、高層ビルほど強い上昇気流が生まれる。湿った空気が高層ビルによって上空へ運ばれ、短時間で雨雲が発達し、風下側に大雨をもたらしているらしい。

大雨は高層団地がある板橋区高島平でも多発する傾向があった。一方、千代田区の皇居付近や東部の下町では少なかった。

局地的な大雨は気圧配置や気温など多くの気象条件が影響するため、発生場所をピンポイントで予測するのは難しい。高橋教授は「風向きによって大雨の発生場所を予測したり、防災対策を重点的に進める地域の選択に役立つのではないか」と話す。

都内では汐留地区など臨海部の開発が進んでおり、高橋教授は「今後は品川区など開発地域の風下側で、大雨が多発する可能性がある」とみている。(産経ニュース2008年5月24日)

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