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2006年8月にそれまで惑星とされていた冥王星が国際天文会議で、惑星からはずされ準惑星になった。冥王星は、なぜ惑星からはずされたのだろう?

冥王星は小さく、冥王星なみの天体がいくつも発見されたことが、はずされた理由の一つである。冥王星は太陽より60億km(40AU)はなれており、太陽系の外縁部である「エッジワース・カイパーベルト」に属する。この付近に「マケマケ」「エリス」「オルクス」など冥王星なみの天体がいくつか発見されている。

太陽系の化石
「エッジワース・カイパーベルト」はまた、短周期彗星の供給源だと考えられている。この付近に存在する天体の多くは氷でできている。これらの天体が太陽に近づくと長い水蒸気の尾を引く彗星になる。

この付近の天体は46億年前に太陽系が誕生したとき、惑星とはならずに取り残されたものと考えられ、太陽系の化石と呼ばれている。この太陽系の化石を調べれば、太陽系誕生の謎が解けるかもしれない。

アメリカ航空宇宙局 (NASA)がこの「化石」をとらえることに成功したという。いったいどうやって?

実は「エッジワース・カイパーベルト」まで取りに行ったのではなく、向こうからやってきた天体の一部を頂いたのだ。

彗星探査機「スターダスト」
1999年2月に打ち上げられたNASAの探査機「スターダスト」は2004年1月2日、氷やちりの粒子及びガスを含んだビルト第2彗星のコマのサンプルの採取に成功した。
2006年1月15日「スターダスト」が切り離した、サンプルの入ったカプセルが、アメリカ・ユタ州の砂漠にある空軍施設の用地内に着地した。

中から取り出された、数千のサンプルは世界中の研究機関に送られた。日本では九大の中村智樹准教授(地球外物質科学)の研究室に送られた。

中村さんらは、兵庫県の大型放射光施設「Spring8(スプリング8)」などにちりを持ち込み、高温下でできた物質の性質の解明などに取り組んだ。その結果驚くべきことがわかった。

ちりの中に、かつて1400度以上の高温にさらされてできた物質のあることが確認された。氷のかけらの多数浮かぶ、極寒の太陽系の果てになぜ?

国立天文台の渡部潤一准教授は「ちりはかつて太陽の近くにあり、何らかの原因で遠い太陽系外縁部まではじき飛ばされた可能性がある」と指摘。太陽系ができる過程で大規模な物質の循環があったようだ。

オールトの雲
最近の研究では「エッジワース・カイパーベルト」の外側の広い範囲に「オールトの雲」という天体群が存在していることもわかってきた。「オールトの雲」は、長周期彗星や非周期彗星の起源として太陽系の外縁を取り囲むように存在している。最近、発見された「セドナ」という準惑星も、ここに属すものと考えられている。

今まで考えられていた太陽系の歴史が、これから数年のうちにまったく変わったものになるかもしれない。楽しみな話題である。

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地球のはるかかなたの宇宙で採取された「星くず」が、九州大学にある。太陽の周りを回る彗星(すいせい)から噴き出したミクロン単位の「ちり」を、米航空宇宙局(NASA)の探査機が捕まえたものだ。太陽系の誕生当時の姿をとどめた「化石」として世界各国の研究者が競って分析中で、太陽系の歴史を書き換える成果が生まれつつある。

福岡市東区の九大箱崎キャンパスにある中村智樹准教授(地球外物質科学)の研究室。手のひらに収まるサイズの箱の中に、一緒に並べた髪の毛よりもはるかに小さな黒い粒があった。大きさは髪の毛の太さの10分の1程度しかない5〜20マイクロメートル(1マイクロメートルは1千分の1ミリ)。

ちりを捕らえたのは、NASAが打ち上げた探査機「スターダスト」。04年に地球―太陽間の2.6倍も離れた約4億キロのかなたで、彗星に最接近。直径5キロほどの彗星の中心核から噴き出したちりを採取した後、06年に地球に帰ってきた。回収されたちりは約5マイクロメートル以上のもので約1万個。日米欧の研究者に分けられ、一斉に分析が始まった。

中村さんは宇宙から地球に落ちてきた隕石(いんせき)や細かいちりの研究者で、分析に参加した一人。九大には50個ほどがあり、東京大や大阪大、神戸大なども分析に加わった。

この極めて小さなちりがなぜ重要なのか。「太陽―地球間の距離の30倍も離れた太陽系外縁部の物質だからです」と中村さんは話す。

ビルト2彗星は、現在は木星の重力によって軌道が変わり太陽に接近するようになっているが、もともとは太陽系の果ての「エッジワース・カイパーベルト」と呼ばれる領域の天体。惑星から降格された準惑星・冥王星など、氷でできた小天体が無数に集まっている場所だ。そこにある物質は、約46億年前に太陽系ができた当時の状態をそのまま残しており、そんな物質でできている彗星を詳しく調べることで、太陽系がどのような歴史を経てきたのかがわかると期待されている。

各国の研究チームの分析の結果、ちりの中に、かつて1400度以上の高温にさらされてできた物質が確認された。中村さんらは、兵庫県の大型放射光施設「Spring8(スプリング8)」などにちりを持ち込み、高温下でできた物質の性質の解明などに取り組んだ。国立天文台の渡部潤一准教授は「ちりはかつて太陽の近くにあり、何らかの原因で遠い太陽系外縁部まではじき飛ばされたということになる。太陽系ができる過程で大規模な物質の循環があった、というイメージができつつある」と話す。

現在は、太陽系ができる前に作られた可能性がある物質が発見されるなど、各国が競って研究を進めている。

「現在考えられている太陽系の歴史が、これから数年のうちに変わってくるかもしれない」と中村さん。「これからは独自の研究を進め、太陽系外縁部で天体がどのように誕生したかを解明したい」と意気込んでいる。(asahi.com 2008年7月11日) 
 

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