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私たちの体の中を、毎秒数百兆個もの微粒子が通り抜けている。しかし、私たちは気がつかないばかりか、全く害はない。この微粒子とは何でしょう?

正解はニュートリノ。 電子の100万分の1以下の大きさしかないから、ニュートリノから見ると、私たちの体なんて幽霊のように透き通って見えるのかもしれない。。ニュートリノは宇宙のあらゆる方角からやってきて、地球でさえも簡単に通り抜ける。

ニュートリノってなんだろう? 
物質を構成している最小の粒子を素粒子と言う。現在では、最小の粒子は原子ではない。原子核の陽子や中性子を構成する粒子の仲間(クオーク)と電子の仲間(レプトン)が素粒子と考えられている。レプトンのうち、電気を持たない粒子をニュートリノと呼び、電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノの3種類がある。 

ニュートリノの存在は、放射性物質のベ−タ崩壊(物質中の中性子が電子を放出して陽子に変わること)のとき、放出されるエネルギーの量が理論的な値より少なく、どこへ消失したのかが問題になったことで、考え出された想像上の粒子であった。

1930年、オーストリアのW.・パウリがベータ崩壊では中性の粒子がエネルギーを持ち去っているという仮説を公表。これが後に「ニュートリノ」になる粒子だった。

1932年に中性子が発見されたのをきっかけに、エンリコ・フェルミはベータ崩壊のプロセスを「ベータ崩壊は原子核内の中性子が陽子と電子を放出しさらに中性の粒子も放出する」との仮説を発表。この粒子を「ニュートリノ」と名付けた。

1956年、アメリカのライネスらによって、原子炉から生まれるニュートリノが初めて発見された。

1969年、アメリカのデイビスが太陽ニュートリノの観測を開始。観測を重ねた結果、ニュートリノは理論からの予想の1/3程度しか発見されなかった。このことは、「太陽ニュートリノ問題」と呼ばれた。

1987年、超新星SN 1987Aの 爆発によるニュートリノが初めて観測された。ニュートリノ天文学の記念すべき第一歩と紹介される。ニュートリノの飛来した方向、時刻、エネルギー分布が詳細に分析されたのはこの観測が初めてであり、ニュートリノ天文学を大きく飛躍させた。この成果によって東京大学名誉教授の小柴昌俊博士が2002年にノーベル物理学賞を受賞した。 

ニュートリノに質量はあるか?


ニュートリノに質量があるかという問題は、これまでの物理学では解決していなかった。ところが質量があるときにしか現れない「ニュートリノ振動」と見られる現象が次々と明らかになったことで、ニュートリノに質量があることがわかった。

1998年6月にスーパーカミオカンデ共同実験グループは、宇宙線が大気と衝突する際に発生する大気ニュートリノの観測から、ニュートリノ振動の証拠を99%の確率で確認した。 また、2001年には、太陽からくる太陽ニュートリノの観察からも強い証拠を得た。

ニュートリノ振動とは何か?


ニュートリノには、電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノの3種類があるが、いつもひとつの性質を保つわけではなく、飛んでいるうちに互いに入れ換わっている。

太陽からやっていくる太陽ニュートリノや宇宙線が大気にぶつかって発生する大気ニュートリノが、その道のりの途中で他の種類のニュートリノに移り変わるのが「ニュートリノ振動」である。 

加速器で100%純粋なミューニュートリノを作っても、距離と共にある割合で別のニュートリノに変化する。これは、ニュートリノが重さをもち、世代間の混合がある場合に限り起きる現象である。


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ニュートリノ研究でノーベル賞候補、戸塚洋二氏が死去


基本粒子のニュートリノ観測により、素粒子物理学の分野で大きな業績をあげた東京大特別栄誉教授の戸塚洋二(とつか・ようじ)さんが10日、大腸がんで亡くなった。66歳だった。

告別式は12日午後0時30分、東京都港区南青山2の33の20の青山葬儀所で行われる。喪主は妻、裕子さん。

静岡県生まれ。東大理学部教授、宇宙線研究所長、高エネルギー加速器研究機構長などを歴任した。

岐阜県飛騨市にある東大の観測施設「スーパーカミオカンデ」の建設と観測を主導し、宇宙を飛び交う謎の素粒子「ニュートリノ」に質量があることを発見した。

また、ニュートリノが移動中に別の種類に変わり、再び元に戻る「ニュートリノ振動」という現象が起きていることを証明するなど、世界の素粒子物理学の研究をリードした。

2004年には文化勲章を受章。ニュートリノ研究でノーベル物理学賞を受賞した恩師の小柴昌俊・東大特別栄誉教授に続き、ノーベル賞候補と目されていた。(2008年7月10日  読売新聞)


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