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放射線とは、一般的には電離作用を有する高いエネルギーを持った電磁波や粒子線(ビーム)のことを指す。

電離作用とは、原子の軌道電子をはじき飛ばすことによって、原子を陽イオンと電子に分離する作用や蛍光作用がある。一般的には高エネルギーであることが条件とされるが、中性子線に限ってはどんなに低エネルギーであっても放射線扱いとなる。

放射線には、いろんな種類のものがある。 α線、β線、γ線、 X線というものが一般的でよく知られている。その他にも中性子線、 陽子線等様々な種類のものがある。これらの種類の違いによって、それぞれ放射線の性質が異なる。

放射線の透過能力はα線は紙1枚程度で遮蔽できる。β線は厚さ数mmのアルミニウム板で防ぐことができる。γ線は透過力が強く、コンクリートであれば50cm、鉛であっても10cmの厚みが必要になる。中性子線は最も透過力が強く、水やコンクリートの厚い壁に含まれる水素原子によってはじめて遮断できる。

放射線の人体に対する影響


α線やγ線のような電離放射線を水に照射すると、電離作用によりラジカル、過酸化水素やイオン対等が発生する。ラジカルは激しい化学反応を起こす性質を持つ。人体の細胞中の水にラジカルが生じると、細胞中のDNA分子と化学反応を起こし、遺伝情報を損傷する。

DNAはある程度の損傷に対しては自己修復する機能が備わっているが、損傷が修復できる限度を越えると、細胞分裂不全となり自死してしまう。こうして細胞が必要なときに補充されないと、放射線障害としての症状が現れるのである。

また細胞分裂の周期が短い細胞ほど、放射線の影響を受けやすい(骨髄にある造血細胞、腸の内壁などがこれに当たる)。逆に細胞分裂が起こりにくい骨、筋肉、神経細胞は放射線の影響を受けにくい。

中性子を防ぐ3層構造を持つコンクリート壁とは?


中性子は有害であるが、原子力発電所や病院で撮影や治療にも使われている。不必要な中性子線をカットするため、日本原子力研究開発機構と熊谷組技術研究所は新しいコンクリートを開発した。

中性子線は最も透過力が強く、水やコンクリートの厚い壁に含まれる水素原子によってよく遮断できる性質がある。しかし、普通のコンクリ−トでは「放射化」といって、もともとは放射能がない物質が、中性子線を浴びることによって、放射性同位体になる現象がおき問題になっていた。

コンクリートの放射化に寄与する主な元素としては、短寿命核種に限定すると、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)といったものが挙げられるこの「Na総量」と呼ばれる物質群を減らすことで低放射性コンクリートができる。

さらに中性子を吸収するための物質として、ボロン(B)、カドミウム(Cd)やガドリニウム(Gd)がよく使われている。これらの物質を低放射性コンクリートに混ぜて使う。

今回、「低放射化コンクリート層」と「ボロン含有の低放射化コンクリート層」と「普通コンクリート層」の3層構造を持つコンクリート壁の構造体が開発された。

参考HP 
日本原子力研究開発機構
 → http://www.jaea.go.jp/index.shtml
熊谷組プレスリリース
 → 
http://www.kumagaigumi.co.jp/press/2008/pr_080707_1.html

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中性子を吸収する新コンクリート開発…原発や病院に活用へ


日本原子力研究開発機構と熊谷組技術研究所は7日、原子力発電所や病院の陽電子放射断層撮影(PET)施設などから出る有害な中性子を、効率良く吸収できる新しいコンクリートを開発したと発表した。

原子力関連施設は、中性子を外に出さないように分厚いコンクリート壁で覆われている。新しいコンクリートでは壁をより薄くでき、施設解体時に発生する放射性廃棄物を大幅に低減できるとしている。(2008年7月7日  読売新聞)
 

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