洞爺湖サミットが終わった。福田総理は日本の技術力をアピールすることに成功した。わが国は、他の国々よりもはるかに科学技術開発に予算を使っている。省エネの技術は世界でもトップレベルにある。しかし、EU諸国で新エネルギーについては後れをとり、地球温暖化に対してどのような革新的技術で、有効な手だてを打つのかイメージがわかなかい。
福田総理自身「クール・アース構想」の中で「2050年にCO2排出量半減するためには、省エネだけでなく、革新的な技術が必要。」と述べている。その具体例として「革新的な太陽電池やCCS技術、次世代原子力発電技術」などの開発をあげている。
このブログでも各種太陽電池や次世代原子力発電については取り上げてきた。しかしCCS技術とは何だろうか?
CCS技術とは?
CCS技術とは二酸化炭素回収・貯蔵技術のことである。これについても以前にブログで取り上げた。どの方法も以前から考えられてきた方法である。革新とはいえないのではないか?しかし、6月24日放送の「NHKクローズアップ現代」では最新のCCS技術を紹介。CO2回収効率が徐々に上がってきている。
二酸化炭素の回収方法と貯留方法にはそれぞれいくつかの種類がある。
回収方法として代表的なものの1つが、火力発電所や工場などで燃料の燃焼によって排出される二酸化炭素を回収するものである。また、大気中に含まれる、わずか0.03%の二酸化炭素を集めて貯留する方法もあるが現在は効率が悪い。
貯留方法としては、大気中へ染み出るリスクが小さい、地中の帯水層への封入、地中の油田などに封入することで採掘効率を上げる方法、深海底で水ハイドレートとして沈着させる方法などがある。油田への封入が実用化されているが、他の多くがまだ研究段階である。
二酸化炭素の回収方法とは?
二酸化炭素の具体的な回収方法は、火力発電所や鉄工所などCO2排出量の多い所で「アミン法」という化学吸収法を実験しており、現在発生するCO2のうち97%まで回収することに成功。以前は80%であった。
今まで燃焼には「空気」を使っていたが、空気には酸素以外に窒素が含まれている。また窒素を加熱すると窒素酸化物が発生するなど問題があった。そこで現在酸素だけで燃焼させる「酸素燃焼法」が考えられている。
「アミン法」と「酸素燃焼法」を使えば二酸化炭素だけを効率よく回収することができる。課題としては、アミン液を再利用するときに120℃程度に再加熱するのにコストがかかる点である。
二酸化炭素再利用法とは?
もう一つ新しい技術がある。それは地中に広く生息するメタン生成菌がCO2を吸収し、メタンを生成することが発見された。メタンは天然ガスの主成分である。地上ではエネルギーにならないCO2を地中でエネルギーにもどせれば、究極のリサイクルといえる。
これまで捨てる一方であった、温室効果ガス「二酸化炭素」の回収・貯蔵・再利用までできれば、立派な革新的技術といえる。
アミン法とは?
二酸化炭素のみを吸収するようなアルカリ性の溶液に、二酸化炭素を吸収させて回収する手法。溶液にはアミンや炭酸カリウム水溶液などを用いる。実証が行われており、実用化に向けて研究が進められている。(出典:Wikipedia)
関連するテレビ番組
NHKクロ−ズアップ現代「二酸化炭素を回収せよ〜切り札となるか 地下貯蔵〜」
“待ったなし”の対策が求められる二酸化炭素排出量の削減。7月の洞爺湖サミットでも中心テーマとして話し合われる。しかし、世界に先駆けて省エネ技術を導入してきた日本にとっては、より一層の削減は容易ではない。こうした中、注目を集めているのが、工場などから出る二酸化炭素を回収し、地中に封じ込める新技術だ。実証実験が各地の製鉄所や発電所、そして新潟のガス田で進められている。埋めた二酸化炭素を天然ガスに生まれ変わらせる研究も始まった。その一方で、コストの課題や、埋めた二酸化炭素が漏出しないかなど安全性の議論も起きている。二酸化炭素削減の最新技術と課題を探る。(NO.2603 6月24日放送)
スタジオゲスト : 藤井 康正さん (東京大学大学院教授)
二酸化炭素と地球環境―利用と処理の可能性 (中公新書 (1505)) 大前 巌 中央公論新社 このアイテムの詳細を見る |
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