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海洋は、地球上の地表の70.6%を占める、塩水(海水)で覆われた部分を指す。海の面積は3億6,000万km2で、陸地の面積の1億5千万km2と対比すると、2.4倍である。平均的な深さは3,729m。海水の総量は約14億立方キロメートル。(出典:Wikipedia)このように数値で表わすと、海も有限なのだと思えてくる。

海は陸上に比べてはるかに広い。にもかかわらず、私たちは海面下のことはほとんどわかっていない。5月23日、湘南海岸一帯に大量の海そうが打ち上げられていた。多くの人が珍しげにさわったりしていた。私も近づいて見たが、「アラメ」のようであった。材木座海岸ではパワーショベルで海そうを集めていて、いくつもの山ができた。

あれほどの大量の海そうが一時に打ち上げられるのは、季節的な落葉なのだろうか?それとも数日前の低気圧によるものだろうか?あれほどの有機物が海の中にあるのだから驚く。現在、海そうを人工的に植林して、バイオマスエネルギーに有効利用しようと「京都府立海洋センター」などが研究している。実現が待ちどうしい。

海そうと呼ぶものには海草と海藻がある。どうちがうのだろう?


海草と海藻はともに海域に生育するので、混同されることがあるが、海草は種子植物であり、「あまも」などと呼ばれている。海藻は根・茎・葉の区別がない胞子植物で、コンブ、ワカメなどいわゆる「藻類」である。海そうが生育できるのは沿岸部の比較的浅いところであり広大な海の一部に過ぎない。

これらの海そうの集まりは「藻場」といって、様々な魚介類の産卵場所であり、えさ場となる大切な場所である。現在、日本の沿岸漁業を支えてきた「藻場」が、急速に日本の沿岸から消えつつある。21万haあった全国各地の藻場は20年間で3割に当たる6万5千haが消失したという。最近の燃料費の高騰に加え、日本の漁業には大きな打撃である。

なぜ、沿岸の「藻場」は失われつつあるのだろうか?


これには地球温暖化が影響していると考えられている。一般に低い温度を好む藻類は、一年のうち水温20℃以下の時期を必要とする。水温が上がると発育が停止する。一方低い温度では活動の低下する魚やウニは、高温になると活発になり、藻類をよく食べる。

また、栄養分になる、リンや窒素などを含む海水は冷たくて重いので深海に存在する。正常な循環があれば、藻場は豊かになるのだが、温暖化のために表面に温かな海水が居すわると、藻類が育ちにくくなる。さらに、地球温暖化により海洋に雨が多くなると予想され、表面の塩分濃度は下がり、ますます軽くなる。重たい深層水はますます表面に循環しなくなる。

藻場回復のためにどんな対策があるか?


静岡県では、かつて「藻場」が8000haあった場所が、食害によりほぼ0haになった。藻場を移植した場所で、食害をする魚「アイゴ」や「イスズミ」などを駆除したところ、55haに回復した。「アイゴ」は捕っても商品にはならないという。

また、和歌山県では水中にスピーカーを設置、魚の嫌う音を藻場の近くで鳴らしている。また、北海道では食害をするウニを駆除し、入り江にリンと窒素を含む栄養分を流し続け昆布の回復に成功している。

海洋の二酸化炭素吸収量は陸上の森林をはるかに上回る。この藻場の消失は地球温暖化にとって大変な問題である。かっての藻場を取りもどし、バイオマスエネルギーにも利用できるようにしたい。

関連するテレビ番組
NHKクローズアップ現代「海が枯れる〜温暖化で忍び寄る危機〜」


年間で3割に当たる6万5千ヘクタールが消失した。そのため沿岸漁業の漁獲量が大きく減り始めている。原因の一つと考えられているのが、地球温暖化にともなう海水温の上昇だ。海藻の成長が止まるだけでなく、温かい水温を好む南方系の魚やウニが活発化し、海藻を食べ尽くしているのだ。抜本的な解決策はなかなかないが、海藻を食べる魚やウニを駆除する取り組みも始まっている。番組では、海のゆりかごと言われる藻場消失の実態を通して、身近に迫る温暖化の影響と対策を考える。(NO.2607 7月1日放送)

スタジオゲスト : 谷口 和也さん(東北大学教授) 

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