北京オリンピックが始まった。ギョウザ問題、チベット問題、大気汚染...いろりろと問題のあるオリンピックだが、開会式は趣向をこらしていて美しいし、迫力があった。日本選手には結果よりも力を出し切ってもらい、私たちに感動を伝えてほしい。がんばれニッポン!
ところで、みごとな開会式のとき、北京周辺では雨が降ったが、会場である北京国家体育場「鳥の巣」では雨が一滴も降らなかったという。この時活躍したのが中国の誇る人工降雨ロケットだった。
開会式の間だけは会場に雨を降らせないように、前日から西に20kmも離れた地点で、のべ千数百発の人工降雨ロケットを打ち上げた。その結果、周辺では雨が降ったが、「鳥の巣」ではみごとに雨が降らなかった。人工降雨はどのようにして雨を降らせるのだろうか?
人工降雨の原理
雨ができるには核になる粒子と低温の雲が必要である。ある程度発達した積雲や層積雲の上部では温度は0℃以下になっているものの、氷点下15℃くらいになるまでは、過冷却と言ってまだ水滴のままで、雨は降らない。そこへ、強制的に雪片を作るような物質を散布してやれば雨を降らせることが可能になる。これが人工降雨の考えである。このような方法は、クラウドシーディング(Cloud seeding、雲の種まき)、あるいは単にシーディングとも呼ばれる。
その材料として、ドライアイスやヨウ化銀が用いられる。ドライアイスを飛行機から雲に散布する事で温度を下げ、またドライアイスの粒を核として氷晶を発生・成長させる。またヨウ化銀の場合は、その結晶格子が六方晶形と言って氷や雪の結晶によく似ているため、雪片を成長させやすい性質がある。また、ドライアイスの代わりに液体炭酸を用いる手法もある。(出典:Wikipedia)
ところで、中国で「降雨ロケット」に使われる「ヨウ化銀」、健康に影響はないのだろうか?
環境汚染・大気汚染対策
Wikipediaによると「ヨウ化銀」に毒性があるが、非常に微弱であり異常摂取でもしない限り人体に影響を与えるほどではないという。中国では化学薬品による環境汚染や大気汚染が問題になっているがこちらの方の対策はどうなっているのだろう?
男子マラソンの世界記録保持者、エチオピアのハイレ・ゲブラシラシエ選手が北京の大気汚染を理由に欠場を表明したのは記憶に新しい。
イギリスの水泳代表選手団は、北京の大気汚染が選手へ悪影響を与えることを懸念し、ぎりぎりまで日本の大阪で最終調整を行なった。大気汚染や食品の安全性への懸念から合宿地として、日本で最終調整を行った国は、欧米勢を中心に約25ヵ国にものぼる。
2008年7月現在 工場の移転・閉鎖等を実施し、自動車のナンバープレート末尾が奇数・偶数のみを走行許可させるといった規制など大気汚染を食い止める施策がなされてきたものの好転が見られず、未だWHO(「世界保健機関」)安全基準の5倍の汚染レベルを維持している。
過去我が国でもあった「大気汚染」が、私たちに与える影響はどんなものだろうか?気になるニュースを見た。
大気汚染でドロドロ血に?
「大気汚染による健康被害は選手だけでなく観客に対しても問題!」米ノースウエスタン大医学部(シカゴ)のチームは選手だけでなく観戦者も大気汚染に注意するよう呼びかけている。
私たちは微粒子を吸い込むと、血液が固まりやすくなって、心臓発作や脳卒中、エコノミークラス症候群のリスクが高まるという。大気中の微粒子(直径100分の1mm以下)を吸い込んで肺で炎症が起きると、血液が固まりやすくなることを動物実験で確かめ、昨年10月の米医学誌に発表している。
これまでの研究でも、ディーゼル車や石炭を燃やす工場から出る微粒子が増加すると心臓発作や脳卒中が増えることがわかっていた。また、血が固まりやすい状態で帰りの飛行機に乗ると、足の静脈にできた血栓が肺の血管を詰まらせるエコノミークラス症候群になる恐れもある。
研究チームのゴクハン・マトゥル准教授は「北京に2〜3週間いると血液は粘り気を増す。12時間かけて米国へ飛行機で帰るリスクは高い」という。 高血圧や高コレステロール血症の人は要注意という。研究チームは 1.40歳以上なら毎日、血液を薄めるアスピリンを飲む 2.道路が混雑する時間帯は室内にとどまる 3.帰りの機中では体を動かす、などとアドバイスしている。(asahi.com 2008年8月3日)
中国の空・日本の森 (G‐SEC Eyes) 橋本 芳一,王 雪萍,関根 嘉香 慶應義塾大学出版会 このアイテムの詳細を見る |
ドキュメント大気汚染の日々―思いきり空気を吸いたい 増田 文雄 合同出版 このアイテムの詳細を見る |
��潟�<�潟��
コメント一覧 (1)
今年春頃から、毎夜寝床になかなか入らずにダイニングのイスで長時間うつぶせて寝ていたら、足が浮腫んで赤くなってしまいました。<br>
内科に受診して、足の静脈の超音波検査までしました。<br>
結局エコノミークラス症候群のような静脈瘤はなく、リンパ浮腫でした。<br>
足を上げて寝たり、弾性靴下を履いたりして、痛みは取れましたが、足は太いまま……太ったせいかな…?<br>
エコノミークラス症候群は怖いですね。横になって寝るのって大事なことのようです。