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フォッサマグナの北西端にある糸魚川市。糸魚川市の美山公園にはフォッサマグナミュージアムがある。ここは平成6年(1994年)4月25日に開館した石の博物館である。今年(2008年)8月18日の夏休み、家族でここを訪れた。

うちの子は石集めが好きで、さまざまな色の石を集めているが名前がよくわからない。特にこのあたりの海岸の石は色がさまざまで、模様が美しい石が多く、判定が難しい。受付に行くと、学芸員さんが石の名前を教えてくれた。私が予想した石の名前がことごとく外れた。

さすがフォッサマグナにある石だけあって、圧力や熱によって変成を受けたものが多く、色や模様がさまざまである。石英でも白以外に赤や緑に色づいたもの、チャートでも赤、白、褐色など色だけでは区別できない。「ヒスイ」が白や緑なので同じ色の石を持って行ったら白っぽいのは流紋岩、緑色のは斑レイ岩や石英と判定された。よくさまざまな石を判定できるものである。

聞くとヒスイはもっと硬く、重たい。ヒスイの白い部分は石英ではなく長石だそうだ。また緑色の部分は、不純物として「鉄」が含まれたもので、他には紫や黒などのヒスイもある。また、最近の研究ではヒスイの中に含まれる「ジルコン」という鉱物の放射性物質による年代測定では、ヒスイの推定年齢は5億歳だという。

日本にある数少ない宝石「ヒスイ」は地球の長い歴史とともにできた鉱石であった。こうして夏休み、私たち家族の抱いた、淡い夢は打ち砕かれた。

糸魚川付近のおもしろさは「ヒスイ」だけではない。西側には1億〜3億年前の岩石、東側には約2000万年前の岩石を見ることができる。また化石も古生代のウミユリの化石、サンヨウチュウの化石、から中生代アンモナイトの化石、新生代ではクジラ、ナウマン象などのさまざまな化石を産出する。

これだけ、小さな範囲にヒスイや多くの化石や地層を観察できるところは世界的にも少ない。そこで、糸魚川市では付近を「ジオパーク」として公園化して、地域活性化しようと計画を進めている。

ジオパークとは何か?


「ジオパーク」とは火山や活断層でできた特色ある地形などを「地質遺産」として保護し、地学教育や観光に生かす仕組みが整った地域を指す。海外ではすでに18カ国57カ所が「世界ジオパーク」の認定を受け活動。国内でも世界の仲間入りを目指す動きが始まっており、初の国内選考の審査申請が締め切られました。ジオパークの試みは、火山・地震活動でできた地形、太古の津波を記録した地層といった地球の歴史が刻まれた地質遺産を守るとともに、教育や地域振興に役立てようという活動。活動は1990年代、子供の地学離れが進む欧州で始まりました。

国内選考を担当する日本ジオパーク委員会事務局の渡辺真人さんは「環境問題を考えるとき生態系や動植物の多様性に関心が向かいがちだが、それを支えるジオについて興味を持ってもらうための手段が出発点だった」と説明。世界ジオパークの認定機関は、2004年に欧州と中国の活動団体が集まり設立されたNGO世界ジオパークネットワーク(GGN)。単なる地質学上の研究価値だけでなく、その場所特有の生態系や文化的な価値なども併せ持つことを考慮した独自の国際基準を設定。世界遺産が国際条約で保全が主目的なのに対し、世界ジオパークは地層や地形が壊れない程度の利用は許されています。

国別の認定数では、2000年から「国家地質公園」として取り組んだ中国が20カ所と最も多く、英国では、作家のアガサ・クリスティが生まれ育ったトーキーを含む地域が認定されています。昨年認定され、活動を始めたばかりのマレーシアのリゾート地、ランカウイ島では、「海岸の地質を見学できるようにと所々にマングローブツアー船の桟橋がつくられました。これまでは観光案内だけだった船頭に、がけや岩石の解説ができるよう教育が始まっている」(渡辺さん)という。(産経新聞 2008.7.18)

糸魚川ジオパークの特徴
大地の境目にある:
糸魚川市は糸魚川—静岡構造線の北端にあり、市内の中央を南北に大断層が通ります。糸魚川—静岡構造線を境に日本列島は地質学的に東北日本と西南日本に分けられており、糸魚川ジオパークは東北日本と西南日本の両方にまたがっていることになります(地質の多様性)。

大きな標高差を持つ:糸魚川ジオパークは日本海から海抜2,769mの新潟県最高峰の小蓮華山まで、約2,800mの標高差があります。このことが生物の多様性を生む原因になっています。

大きな時代の差を持つ:糸魚川ジオパークには、先カンブリア紀に生成した岩石から、古生代、中生代、新生代の各時代の岩石が分布しています(地質の多様性)。

さまざまなでき方の岩石がある:岩石はそのでき方によって火成岩・堆積岩・変成岩に大きく分けることができます。糸魚川ジオパークにはさまざまなでき方の岩石があります(地質の多様性)。

人間と大地の歴史がある:糸魚川ジオパークには人間と大地の関わりの歴史が多くあります。例えば縄文時代に始まった世界最古のヒスイ文化では、糸魚川産のヒスイを使われました。糸魚川産ヒスイは日本全域に伝播し、さらに朝鮮半島にも運ばれています。

参考HP 糸魚川ジオパーク →  http://www.city.itoigawa.niigata.jp/fmm/geopark/ItoigawaGeopark/aboutIGP.html 

白いヒスイ谷への招待
岡本 真琴;工藤 智巳
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