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「牛やシカは食事や休憩の際、多くが南北方向を向いている」ということが分かった。渡り鳥と同様「地磁気を感知していると考えられる」。ドイツとチェコの研究チームが25日、米科学アカデミー紀要電子版にこんな研究を発表した。

ドイツのチームが調べた方法は「グーグルアース」に写っていた、牛8510頭を調べた結果。チェコのチームは実際にシカを観察した結果。人類の歴史は数千年、最も身近な動物ともいえる牛に、誰も気がつかなかったのが不思議な話である。

ほんとうに動物は「地磁気」つまり地球の磁力を感じることができるのだろうか?

世界で一番長い距離を「渡る」鳥
鳥の中で世界で一番長い距離「渡り」をする鳥がいる。この鳥は「地磁気」つまり、地球の南北方向がわかるという。この鳥は何だろう?

正解は「キョクアジサシ」。何と1年のうちに北極圏と南極圏の間(約16000km)を往き来する。夏の北極圏で繁殖し、太平洋東部と大西洋東部に分かれて南半球へ渡る。 非繁殖期は夏の南極周辺海域ですごし、繁殖期にはふたたび北極圏へ渡るという。いわば「白夜を求めて旅をする」鳥で、渡りの距離は往復32,000�qにもおよぶ。ちなみに地球一周は約40,000kmである。

このときに、「キョクアジサシ」はどうやって正確に方向を知るのだろうか?中には生まれて初めて渡りをする若鳥もいるであろう。地形をおぼえて渡りをするとはとうてい思えない。同様に太陽や星の位置関係だけで南北を知ることができるかどうかも疑問である。南北を移動するためには体内に磁石があり、地球の磁気を感知できると考えるのが自然である。

南北を感知する動物たち
オオカバマダラ」は、チョウ目・タテハチョウ科・マダラチョウ亜科に分類されるチョウの一種。北アメリカでは渡り鳥のように「渡り」をするチョウとして有名である。

このチョウは北アメリカ大陸を、南北3500kmほどに及ぶ分布域内で、1年のうちに北上と南下を行うことが知られている。ただし南下は1世代で行われるが、北上は3世代から4世代にかけて行われるので、同じ個体が移動する渡り鳥とは厳密には異なる。

鳥やチョウだけではない、1年のうちに外洋を数千km-数万kmにわたって移動するクジラなどの回遊は、渡り鳥の渡りに相当するものでよく知られている。その他、アカネズミ、ミツバチ、伝書バト、ベニザケなど多くの動物ばかりか、ある種の細菌までが体内磁石を持ち南北方向を認識できると考えられる。

彼らが正確に南北方向を認知できる、体内磁石とはどのようなものだろうか?

体内磁石(磁性物質)の発見
生物に体内磁石(磁性物質)が最初に発見されたのは1960年代のこと。ヒザラガイという貝につく細菌から見つかった。その体内磁石(磁性物質)は磁気テープなどでもおなじみのマグネタイトと呼ばれる酸化鉄であった。

当初は体内磁石(磁性物質)がなぜ生体に存在するかが不明だったのだが、その後ブレークモアによる磁性細菌の発見、さらにはサケやマグロ、ハトやミツバチなどからも体内磁石(磁性物質)が発見されるにいたって、どうやらこれらの生物は地磁気を感知しているらしいということが明らかになった。

ヒトはどうなのだろうか。ヒトには体内磁石はないのだろうか?現代のほとんどのヒトは南北方向を認知できない。しかし、人間の両目の間には、篩骨(しこつ)という骨がある。この中に微量の鉄分が含まれており、太古の原人は、これが方位磁石の役目を果たしていたのではないか?...と考える研究者もいる。

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地磁気を感知?牛やシカは南北向きで食事や休憩…欧研究チーム


牛やシカは食事や休憩の際、多くが南北方向を向いていることが分かったと、ドイツとチェコの研究チームが25日、米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

回遊魚や渡り鳥と同様、「地磁気を感知しているのではないか」と指摘している。

研究チームは、人工衛星から撮影した写真を公開しているインターネットの「グーグルアース」を活用。世界の牧草地308か所の写真に写っていた牛8510頭を調べた結果、大半が北か南を向いていた。その方位を平均すると、地軸の南北より、少しずれた地磁気の南北に近かった。

また、チェコでは2種類のシカについて現地調査。草を食べたり休んだりしている時の向きや、雪の上で寝た跡を調べた結果、やはり大半が北か南を向いていた。

研究チームは「今まで牛飼いや狩人が気づかなかったのは驚きだ」としている。(2008年8月26日10時23分  読売新聞)

参考HP Wikipedia「キョクアジサジ」 TDK Tech MAG「磁性物質とがん治療」 
 → 
http://www.tdk.co.jp/techmag/magnetism/zzz04000.htm 

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