ニュースで学ぶサイエンス!このブログでは、最新科学情報をくわしく調べ、やさしく解説!科学がわかります。
21世紀の終わりまでには、アルプスの氷河はほとんど消えるだろう。アンデスやヒマラヤ山中に散らばる小さな氷河の寿命はせいぜい数十年程度だ。ボリビアやペルー、インドなどでは、氷河から流れてくる水を、飲料水や農業用水、水力発電に利用して多くの人々が生活している。氷河が消えれば、その暮らしは大打撃を受けるだろう。

グリーンランドと南極を覆う広大な氷床にしても、解けるペースが突然速まったため、いつまでもつかは専門家にもわからない。グリーンランドの氷床を調べている米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所のエリック・リグノットによると、融解のペースはこの10年ほどで2倍になったという。

「5年前なら、『絶対あり得ない』と言われていたような現象が、いま現実に起きています」。グリーンランドと南極の一部にあるもろい氷床が崩壊すれば、海面が上昇して世界各地の島々や沿岸地域が水没する。低地にあるバングラデシュやオランダ、米国フロリダ州などが水浸しになり、何千万もの人々が生活の場を失うことになる。 (2007年6月National Geographic 「Big Melt」ティム・アペンゼラーより)

世界一大きな島
世界一大きな「島」はどこだろう?その前に「島」とは何だろう?

地理学的にはオーストラリア大陸以上の面積をもつ陸が大陸に分類され、それ未満の面積のものは島に分類される。この基準によれば日本は島であり、世界最大の島はグリーンランドになる。

ところが、地図を見るとグリーンランドとオーストラリア大陸の見た目の面積が逆転しており、「大陸」と「島」の違いに錯覚を覚える。これはメルカトル図法のため、極地に近いほど実際の面積比率より拡大表示されるからである。

実際の面積では、グリーンランドはオーストラリア大陸の約30%の面積しかない。グリーンランドは面積2,166,086平方kmのうち、約80%(1,755,637平方km)は氷床が覆う。氷の重さで島の中央部の地面は海面より300mも低いという。氷は中央部から周囲の海岸へゆっくり流れている。海岸線は39,330kmにも及び、これは赤道の長さに相当する。

グリーンランドは氷に覆われた島として有名だが、どうして緑の島(GreenLand)と名付けられたのだろう?

これには、「中世の温暖期には、緑にあふれていた」という説がある。

巨大な穴「ムーラン」
さて現在は北極圏にあるグリーンランド。地球温暖化により、ここの氷床が年々溶けて、少なくなっており、海面を上昇させる原因になっているという。

厚さ千メートル前後の氷床には、夏になると数千、数万個も巨大な穴「ムーラン」が出現し、まわりの氷の解けた水が滝となって流れ込む。「ムーラン」1カ所で約450万トンもの水が1夏に消える。

米コロラド大と米航空宇宙局(NASA)では、その水の行方を調べるために初の実験を行った。その方法はおもちゃのアヒル90個を「ムーラン」に流すという原始的な方法。

アヒルが海で見つかれば、水路は海につながっていることになる。 DASH村のアヒル隊長を思い出した。

関連するニュース
大穴の正体、「アヒル」が探る グリーンランドの氷床


北極圏グリーンランド。厚さ千メートル前後の氷床に、夏になると巨大な穴「ムーラン」が数千、数万個も現れ、氷の解けた水が滝となって流れ込む。その実態を探る米コロラド大と米航空宇宙局(NASA)の初の実験に同行した。

沿岸の町イルリサットからヘリコプターで30分。標高780メートルの氷床に降りると、縦横20メートルもあるムーランが口を開けていた。深さは100メートルを超えている。1カ所で約450万トンの水が一夏に消える。そのメカニズムは謎だ。

高性能の観測機器1個と、おもちゃのアヒル90個をムーランに流した。アヒルが海で見つかれば、水路は海につながっていることになる。

また、観測機器の経路データから、水が岩盤上を流れているとなれば、その上にのっている氷床は海へ滑り落ちやすい状態になっている可能性もある。コロラド大のコンラッド・シュテフェン教授は「氷床が滑り落ちれば、温暖化による将来の海面上昇は、現在の予測を超え、1〜1.5メートルになるかもしれない」と話す。(asahi.cpm 2008年9月1日) 
 

アヒル隊長水てっぽう

パイロットインキ

このアイテムの詳細を見る
鉄が地球温暖化を防ぐ
畠山 重篤
文藝春秋

このアイテムの詳細を見る

ブログランキング・にほんブログ村へ ブログ検索 ブログランキングへ ランキング ←One Click please