太陽系の化石というと何だろう?

 それは太陽系を漂う彗星や小惑星などの天体のこと。「エッジワース・カイパーベルト」という海王星より外側の領域には、約46億年前に太陽系が誕生したとき、惑星とはならずに取り残された天体が漂っており「太陽系の化石」とよばれている。

 それらの天体に人類は近づくことはできないが、そこから地球に近づいてくる彗星や小惑星を調査する取り組みが行われている。米国では1999年2月に打ち上げられたNASAの探査機「スターダスト」は2004年1月2日、氷やちりの粒子及びガスを含んだビルト第2彗星のコマのサンプルの採取に成功した。

 日本では「はやぶさ」が、2003年5月9日(金)に打ち上げられた。「はやぶさ」は小惑星「イトカワ」に2005年夏到達し、サンプルを採集して、2010年に地球に持ち帰ることを目的としている。



 地球上でいちばん古い岩石とは?

 宇宙ではこのように、46臆年前もの岩石が漂っているのであるが、地球上ではどうなのだろうか?

これまで知られていた最も古い岩は、カナダ北西部で見つかった40億3000万年前のものであったが、今回、カナダ東部のケベック州ハドソン湾東岸地域で、42億8000万年前の玄武岩質の岩石が発見された。

 発見したのはカナダ・マギル大と米カーネギー研究所のチームで、46億年前にドロドロに溶けていた地球の表面が冷え始め、43億年前頃、地球に初めて地殻ができたときの様子を知る手がかりになるという。

地殻変動がはげしい地球上で40億年以上も前の岩石が発見されるのは珍しい。


 日本最古の岩石は?

 一方、日本ではどのぐらい前の岩石が発見されているのだろうか?

 先日、茨城大や国立極地研究所の研究チームが茨城県日立市北部の山地で約5億年前にできた日本最古の地層を発見した。

 日本最古の地層はこれまで、岐阜県の飛騨山脈にあるオルドビス紀(4.9億〜4.44億年前)のものとされてきたが、今回の岩石はカンブリア紀(5.4億〜4.9億年前)という一つ前の時代にできたものになるという。

 太古の日本列島は、カンブリア紀に中国や南極大陸がつながった「ゴンドワナ大陸」の周辺にあったのではないかとする説がある。地層を形成する「日立変成岩」を調べると火山活動に由来する安山岩と花崗(かこう)岩が多く含まれていた。 日本列島誕生の謎を解くカギになるという。


 カンブリア爆発とは?

 カンブリア紀(カンブリアき、Cambrian)は地質時代、古生代前期における区分の一つで、約5億4,500万年前から約5億500万年前までとされる。

 カンブリア紀では、先カンブリア時代によって形成された海洋が地球上のほぼ全てを覆い尽くす。海中では様々な種類に至る海洋生物が現れ、中でも三葉虫等の節足動物が繁栄し、藻類が発達した。

 カンブリア紀の生物相の多様性がよく知られるようになったのはバージェス動物群の発見以来であり、この時期の初期には動物門のほとんどすべてが出現したと考えられ、この時代に動物の多様性が一気に増大した可能性がある。これをカンブリア爆発と呼ぶ。(出典:Wikipedia)


 関連するニュース
地球最古42億8000万年前の岩、カナダで発見


 カナダ東部のケベック州で、マギル大(モントリオール)などの研究チームが地球最古となる42億8000万年前の岩を発見し、26日の米科学誌サイエンスで発表した。

 これまで知られていた最も古い岩は、カナダ北西部で見つかった40億3000万年前のもので、今回の岩はこれを2億5000万年さかのぼる。地球が誕生したのは46億年前で、初期に形成された岩石が、その後の地殻変動で破壊されずに残った貴重な例と考えられる。研究チームによると「水の存在や当時の気温など、原始の地球の姿を探るうえで重要な手がかりになる」という。(2008年9月27日14時35分  読売新聞)
 
日本最古5億年前の地層、茨城の山地で発見


 約5億年前にできた日本最古の地層を、茨城大や国立極地研究所の研究チームが茨城県日立市北部の山地で発見した。

 日本列島誕生の時期が、従来説より最大で6000万年さかのぼる可能性がある。教科書を書き換える成果で、秋田市で20日から始まる日本地質学会で発表する。
 同大の田切(たぎり)美智雄教授(地球科学)らは山地の2か所で火山岩を採取。マグマが冷えて固まると、時間とともに内部のウランが鉛に分解される点に着目し、ウランと鉛の含有率から火山岩のできた時期を調べた。

 その結果、2か所の火山岩は5億600万年前と4億9800万年前のものと判明した。日本最古の地層はこれまで、岐阜県の飛騨山脈にあるオルドビス紀(4.9億〜4.4億年前)のものとされてきたが、カンブリア紀(5.4億〜4.9億年前)という一つ前の時代にできたものになる。(2008年9月19日  読売新聞) 


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宇佐見 義之
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