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水深7700mに棲む「シンカイクサウオ」発見
生物はどのくらい深い海の中で生きていけるのだろう?先日、東京大学海洋研究所など日英の研究チームが7700mもの深海で泳ぐ魚の映像撮影に成功した。これまでの記録を700m更新した。

魚の名は「シンカイクサウオ」。カサゴのなかまだという。この魚は深海でも一番深い所に棲息する魚類として知られている。

深海は圧力も高く、エサも少ないのであまり活発に動く魚はいないと考えられていたが、今回の発見はその常識を覆すものだった。

深海魚の生存条件とは?
それにしても深い海の底でどうして生きていけるのだろう?生物に必要な条件をあげてみよう。

温度、酸素、光、栄養分(有機物)、無機物、適度な圧力...などが考えられる。

まず、深海の温度であるが、水深3,000m以深では水温は1.5℃程度で一定になる。

酸素は水深600〜1,000m付近に溶存酸素量が極端に少ない酸素極小層がある。これは上層から降下してくる有機物を細菌が分解する時に、水中の溶存酸素を使うためである。酸素極小層ではさすがに生物の姿もまばらになるが、ここを過ぎると溶存酸素量がわずかながら増え、生物の密度もわずかに上がるという。

深海でも溶存酸素が0にならないのは、深層流という、秒速数cmの海水の流れが深海にあるからだ。しかし、この流れ一度海中に沈むと、再び海上に上がるまでに2000年もかかるという。

化学合成生態系の発見
食糧となる有機物はこれまで、浅海の生物の遺骸や排泄物が、マリンスノーなどのように深海に雪のように降ってくるものを栄養供給源とするものと考えられていたが、近年、各国で進められている深海探査により、浅海の生産物に頼らない独立した生態系が存在することが明らかになった。この生態系を化学合成生態系という。

海嶺や海底火山の周囲にある熱水噴出孔では、300℃以上もの熱水が噴き出している。その周囲には熱水中に含まれる硫化水素をエネルギー源にして生存する化学合成細菌が繁殖している。これらを体内に共生させるチューブワーム(ハオリムシ)やシロウリガイ、細菌を餌にするカイレイツノナシオハラエビ、さらにそれらの生物を餌にするイソギンチャク、シンカイコシオリエビ、ユノハナガニ、ゲンゲなどが世界各地の熱水噴出孔で次々と発見されている。

光は水深1000mまではわずかに光が届くが、それ以深は漆黒の世界である。当然光合成をする植物はいない。しかし、多くの生物が生きており、光は生物の生存に必要な条件ではない。

湧昇が豊かな海をつくる
窒素・リン酸・カリなどの無機化合物は、浅海では光合成が行われ、盛んに消費され、慢性的に不足気味である。

他方、深海では生産者が存在しないため、消費者・分解者共に密度が低いとはいえ、窒素・リン酸・カリなどの無機化合物は作られる一方である。

深海の成分が上昇することを湧昇というが、こういった場所では植物プランクトンが増え、それを食べる消費者が食物連鎖をつくり、豊かな生物層をつくる。

圧力についてはどこまでが限界なのか今のところ分からない。 (参考:Wikipedia「深海」)

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最深7700mに魚住んでた!日英研究チーム撮影に成功


深さ7700メートルの海底で泳ぐ魚の撮影に東京大学海洋研究所など日英の研究チームが成功し、10日に映像を公開した。

従来の記録より700メートル深い世界最深部で魚の生息を確認したことになる。

研究チームは、茨城県沖の日本海溝で、船からステンレスの耐圧壁と強化ガラスで覆われたカメラを下ろし、海底生物を調査。9月30日深夜から10月1日未明にかけ、エサのサバに群がるエビを食べている17匹のカサゴの仲間「シンカイクサウオ」を撮影した。深海魚は全長10〜30センチで、色は薄いピンクだった。

海洋研の松本亜沙子特任研究員は「エサが少ない深海で暮らす魚はあまり動かないと考えられていたが、活発に動いていた」と話している。(2008年10月11日 読売新聞)
 

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北村 雄一
ソフトバンククリエイティブ

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