毒キノコの確実な見分け方?
10月18日北海道日高町の会社宿舎の従業員16人が、同管内新冠町の山林で採取したキノコを食べ、男女12人がおう吐や下痢など食中毒症状を訴えた。静内保健所はシイタケに似た毒キノコ「ツキヨタケ」を食べたことが原因と断定。12人はほぼ回復している。ツキヨタケはシイタケやムキタケと似ているため誤って食たようだ。キノコ狩りシーズンを迎えていることから、注意が必要だ。
毒キノコの確実な見分け方はあるのだろうか?調べてみると「縦に割けるキノコは食べられる」「毒キノコは色が派手で地味な色で匂いの良いキノコは食べられる」「虫が食べているキノコは人間も食べられる」といった見分け方は何の根拠もない迷信であり、絶対にそれらの基準で判断してはいけないそうだ。
「地味な色で匂いの良いキノコは食べられる」は迷信
例えば、猛毒であるコレラタケ、ドクササコなどは縦に割け、地味な色である。これらのよく知られた俗説が全国区に広まった理由は、明治初期の官報に、この俗説を事実であると誤認し、掲載してしまったためであるといわれている。 食用か毒かを判断するには、そのキノコの種、さらにはどの地域個体群に属するかまでの同定結果に基づくべきである。
私は、昔キャンプしたときにキノコを採って、「これは図鑑のキノコに似ている」「これは香りがよいから食べられるに違いない」と確信して、キノコ汁にしたことがあった。おいしく食べたが、なかまは食べなかった。今思うと、単に運がよかっただけなのかもしれない。
ツキヨタケのもう一つの特徴
さて、今回問題になった「ツキヨタケ」有毒成分は「イルジンS(Illudin)」などの物質。もう一つの特徴としては、発光物質を持ち、暗闇で白色のひだが青白く発光する。発光物質は「ランプテロフラビン」であることが分かったが、発光のしくみはよく分かっていない。
ノーベル化学賞を取った下村脩氏の研究は、「オワンクラゲの発光の解明」であった。実は光る生物は「ホタル」など多数いるが、発光のしくみが分かっているのは「ホタル」や「ウミホタル」「オワンクラゲ」など10種類に満たない。この「ツキヨタケ」など「発光キノコ」の光るしくみは解明されておらず、これから有望な研究分野である。
発光キノコにはどんなものがあるか?
光るキノコで有名な「ツキヨタケ」よりはるかに強く発光するのが「ヤコウタケ」明るい所で見ると傘の直径が2cm 程の真っ白なキノコ。八丈島などでよく見られるため熱帯性のものとされてきたが、最近、東北地方でも確認されている。
また「シイノトモシビタケ」は「ヤコウタケ」よりやや弱いがそれでもかなりの光を放つ。明るい所で見ると傘の直径が1 〜 2cm 程の薄茶色のキノコ。「エナシラッシタケ」はとても小さく、傘裏面のヒダが円形で蜂の巣のような形をしている。光はそれほど強くないが群生するため遠くからでもよく分かる。
ツキヨタケとは
ツキヨタケは、ハラタケ目キシメジ科ツキヨタケ属に属するキノコの一種。現在の学名はOmphalotus guepiniformis。
夏から秋にかけてブナやナラ等の広葉樹の枯れ木に群生する。標高がやや高い場所では多く見られるキノコである。
紫褐色または黄褐色のかさで、柄は短く、つば状の突起がある。新鮮なものはツキヨタケ中に含まれる成分であるランプテロフラビンの効果によって、暗闇で白色のひだが青白く発光するが、熟成が進むと発光しない場合もある。
柄を裂くと、紫褐色のシミがあるので他の食用キノコと見分けられるが、まれにシミのないものもあるので注意が必要である。色が地味で肉厚なためおいしそうに見えるが、いわゆる毒キノコである。食用キノコと間違い誤食し中毒に至ることが多い。日本での毒キノコ中毒例の半数以上がツキヨタケによるものといわれるほどである。
ツキヨタケと間違われやすいムキタケ。これは2cm。幼菌はシイタケに、成菌はムキタケ、ヒラタケに類似し、特にムキタケとは同一場所に生える場合もあり、間違えることも多い。(出典:Wikipedia)
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食中毒:毒キノコ食べ12人おう吐や下痢 北海道・日高
北海道は18日、同日高町の会社宿舎の従業員16人が同管内新冠町の山林で採取したキノコを食べ、20〜70代の男女12人がおう吐や下痢など食中毒症状を訴えたと発表した。静内保健所はシイタケに似た毒キノコ「ツキヨタケ」を食べたことが原因と断定。12人はほぼ回復している。
静内保健所によると、同社従業員が16日にキノコを採取し、宿舎の調理人が17日の朝食でみそ汁にした。従業員は「シイタケだと思った」と話しているという。ツキヨタケはシイタケやムキタケと誤って食べるケースが多く、死亡例もある。
道内では今年、9月に北広島市の70代男性が毒キノコ「テングタケ」を食べ、一時意識不明になるなど毒キノコによる食中毒が4件発生している。キノコ狩りシーズンを迎えていることから、道は注意を呼びかけている。(毎日新聞 2008年10月18日)
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