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デング熱とは何か?
2008年7月5日に放映されたテレビ朝日「地球危機2008」は多くを学べる素晴らしい番組である。地球温暖化で起きることについてわかりやすく説明している。今日はその中の「感染症〜日本に迫る恐ろしい現実」で語られた「デング熱」について調べてみたい。

デング熱(dengue fever)は、デングウイルス(dengue virus)による感染症。ネッタイシマカ(Aedes aegypti)やヒトスジシマカ(Aedes albopictus)などの蚊によって媒介される。ヒトスジシマカは日本でもおなじみのヤブカのことである。蚊に刺されることによって蚊が運ぶ「デングウイルス」によって伝染する病気である。

デング熱唯一の予防法
潜伏期間は4日から7日。突然の発熱、頭痛、眼窩痛、筋肉痛、関節痛が現れる。食欲不振、腹痛、便秘を伴うこともある。発症後3〜4日後より胸部から非特異性の発疹が出現し、四肢、顔面へ広がる。四肢にかゆみを伴うことが多い。こういった症状は通常3〜7日程度で消失し、回復する。

しかし再感染してデング出血熱になると、口、目、鼻などの粘膜から大量に出血し、死に至ることもある。現在のところワクチンはない。予防は蚊に刺されるのを防ぐことが重要。蚊のなかまは小さな水たまりがあれば、なかまを殖やすことができる。予防には蚊の発生を防ぐ環境が必要である。

過去のデング熱大流行
人口密度が世界第2位のシンガポールでは、2005年にデング熱が大流行した。感染者が1万5000人を超えた。シンガポールではその人口密度のため、ひとたび発症すると瞬く間に被害が拡大する。現在国では年間55億円を投じ、蚊の対策に取り組んでいる。具体的には保健所の人が各家庭を訪問し、蚊の発生する水たまりがないかどうかをチェックする。テレビではCMが流れ、公共交通機関には大きな広告で、繰り返し、蚊を発生させないように呼びかけている。

台湾・高雄では3年前、5000人を超える感染爆発に見舞われた。蚊は100円玉ほどの水溜りさえあれば、そこに卵を産み付ける。毎年、梅雨が明けるころ、市は殺虫剤を散布。散布時は人には害はないというが悪臭が立ちこめる。感染の広がりを抑えるために、ひたすら消毒する。これを拒否すれば最大120万円の罰金が科せられる。聞くと台湾には20年前までデング熱はなかったという。

日本でも流行は時間の問題?
日本でも第二次世界大戦中、戦地から持ち帰られたデングウイルスが、日本にも生息するヒトスジシマカによって媒介され、長崎市、佐世保市、広島市、神戸市、大阪市など西日本で流行し20万人が発病したことがある。

その後、日本国内での流行は無いが、海外からの輸入症例(海外で感染してデング熱を発症する症例)は、毎年数十例(2005年は73症例)報告されている。

シンガポールでワクチンを研究している日本人研究者は、日本への感染症拡大はもはや時間の問題だと言っている。熱帯感染症はこれだけではない。国連では10月17日、西ナイルウィルスクリミア・コンゴ出血熱が温帯を含める世界各地に拡大していることを警告している。

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国連警告:熱帯感染症が温帯へ拡大


イタリア、ローマ発−国連食糧農業機関(FAO)は10月8日、西ナイルウィルスやクリミア・コンゴ出血熱など、元来は熱帯で発生していた動物疾病が欧州、米国、オーストラリアなどの温帯を含める世界各地に拡大しており、監視対策への投資を増やさざるを得ないだろうと警告。

感染症拡大の原因としては、グローバリゼーション、人と物の移動、観光産業、都市化、そして気候変動との関連性も指摘されている。FAOのジョゼフ・ドメネク獣医局長は「動物疾病について心配する必要がない国はない」と述べながら、動物の保健への強力な政治支援と資金援助、獣医サービスの充実が必要だと訴えている。
(国連より 2007年10月17日)

参考HP Wikipedia「デング熱」・地球危機2008「感染症〜日本に迫る恐ろしい現実」 → http://www.tv-asahi.co.jp/chikyu-kiki/corner.html
 

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