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バイオ燃料は本当にカーボンニュートラル?
古舘伊知郎氏は怒っていた。「洞爺湖サミットの場で、まず先進国の政治家は謝罪するべきです。それを見て発展途上国の人たちも本当に温暖化に協力しようという気持ちになるのではないでしょうか?」「特にあやまってほしいのが米国とEU諸国です!」

2008年7月5日に放映されたテレビ朝日「地球危機2008」で古舘伊知郎氏が一番言いたかったことはこのことではないだろうか?先進国の勝手な国策発展途上国をこんなにも苦しめているとは...私は知らなかった。米国とEU諸国のとった策は「新エネルギーの開発」。しかしその中にゆがんだエネルギーの開発があった。それは「バイオ燃料」である。

私たちは「バイオ燃料」というと、CO2を吸収する「植物」を燃料にする「カーボンニュートラル」であり、CO2を増やさない良きものであると考えていたが、番組では矛盾の多いことを指摘していた。

米国「トウモロコシ」をバイオ燃料に選択
例えば米国では2007年12月、バイオ燃料のバイオエタノールの原料にトウモロコシを選んだ。その結果どうなっただろう?

トウモロコシ農家は潤った。それは良かったかもしれない。しかし、トウモロコシの価格は高騰し、トウモロコシ農家よりもはるかに多くの、世界中の貧困者を直撃した。おまけにトウモロコシはバイオ燃料工場でエタノールになるときに、化石燃料を消費し、CO2を発生している。トウモロコシをつくるときにも耕作機、トラクターがCO2を排出する。「カーボンニュートラル」に疑問がある。

アフリカ、スワジランドは四国ぐらいの大きさの中に人口100万人が住む小さな国である。人口の7割が貧困、4割が失業。エイズの感染率が34%という。現在、温暖化のために干ばつが起きており、農地が半分になった。ここに住む、両親をエイズで亡くした4人兄弟。一番上の兄は15才程度。仕事はなく、月1度のトウモロコシの配給だけが頼りだ。兄弟は何もない畑を耕し続けている。いつか種が買えることを信じて...。スワジランドでもトウモロコシの価格は2倍に高騰している。

EU「ジャトロファ」をバイオ燃料に採用
例えばEU諸国はバイオ燃料としてバイオディーゼルを採用、CO2排出量の少ないディーゼル車の普及が進んでいる。その結果どうなっただろう?

EUの企業は、インドネシアのスマトラ島で熱帯雨林を伐採し、油ヤシの畑をつくらせた。アマゾンの熱帯雨林伐採して、大豆畑がつくられた。CO2を減らすために、大量のCO2を固定していた森林を伐採しては何の意味もない。これで「カーボンニュートラル」といえるのだろうか

アフリカのスワジランドにある、イギリス・オイルメジャー「D1」のデモンストレーション農場。ここで栽培されているのは「ジャトロファ」という植物。「ジャトロファ」の種からは30%油が取れる。これを、バイオディーゼルの原料にするのだ。「D1」はこの国で「ジャトロファ」を栽培する農家を増やそうとしている。

問題なのは、貧しい人々に何の補償もせず、勧誘していること。農民には「苗木は無料。手間がかからないし、日本車だって買える…」と勧誘し、契約を増やし続けている。だが、このジャトロファが金を生むのは、2年後に実をつけてから。それまで農家に収入はない。しかも、読めない英語の契約書にサインさせて農民を縛り付けている。枯れてしまっても何の補償もされていないことに後で知る。こうして、植民地でないはずのアフリカが、また収奪されていく...。

参考HP Wikipedia「カーボンニュートラル・ジャトロファ」・地球危機2008「アメリカのバイオ燃料・スワジランドのバイオ燃料〜アフリカの収奪」 → http://www.tv-asahi.co.jp/chikyu-kiki/corner.html

カーボンニュートラルとは?


例えば、植物のからだ(茎・葉・根など)は全て有機化合物(炭素原子を構造の基本骨格に持つ化合物)で出来ている。その植物が種から成長するとき、光合成により大気中の二酸化炭素の炭素原子を取り込んで有機化合物を作り、植物のからだを作る。そのため植物を燃やして二酸化炭素を発生させても、空気中に排出される二酸化炭素の中の炭素原子はもともと空気中に存在した炭素原子を植物が取り込んだものであるため、大気中の二酸化炭素総量の増減には影響を与えない。そのため、カーボンニュートラル(二酸化炭素=炭素循環量に対して中立である)と呼ばれる。

カーボンニュートラル (Carbon Neutral) は環境化学の用語で、直訳すればカーボンは炭素、ニュートラルは中立なので「環境中の炭素循環量に対して中立」となる。何かを生産したり、一連の人為的活動を行った際に、排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量である、という概念。

近年、カーボンニュートラルなエネルギー源として、バイオエタノールの需要が急速に高まっている。これが、穀物市場における食料とエネルギーの資源争奪を生み出し、穀物価格の高騰とそれによる貧困層に飢餓危機という新たな地球規模の課題が登場している。(出典:Wikipedia) 

ジャトロファとは?


ジャトロファとはナンヨウアブラギリ(Jatropha curcas)のこと。トウダイグサ科の中南米原産の落葉低木。別名はタイワンアブラギリなど。16世紀以降、スペイン商人などの手により世界中に伝播した。

種子は毒性が強いが、油分に極めて富むことから、古くから利用が行われている。栽培しなくとも 1 ヘクタールあたり 5 トン程度の種子が収穫できる。干魃に強く、播種や挿し木で増殖が可能であることから、古くから植物性の燃料資源として着目されている。かつては日本軍も着目し、インドネシアにおいて栽培計画も存在した。

1990年代以降は地球温暖化対策の切り札として、アブラヤシと並んで植物性バイオディーゼル燃料の材料としても脚光を浴びている。特にバイオマスエタノールなど、自動車用バイオ燃料の生産が本格化した21世紀以降、毒性があるため食用とはならず、食料の供給を圧迫しないというメリットが注目されている。(出典:Wikipedia)
 

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