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火星探査機「フェニックス」と月探査機「かぐや」の発見

2008年7月31日火星探査機「フェニックス」は初めて火星の「水」を直接確認した。今までは電磁波などを地表に当てはね返る波長で「水」があることはわかっていた。今回は化学的分析装置を使って、初めて直接確認した。

2008年10月24日、地球にもっとも近い天体である月に、「水」が存在するかどうかの最新調査結果が、JAXA(宇宙航空研究開発機構)より報告された。日本の月探査機「かぐや」が、月の南極点近くにあり、氷があると有望視されていた「シャックルトン・クレーター」内部の撮影に昨年11月、世界で初めて成功。その後、JAXAなどの画像分析の結果、クレーターの表面には氷になった「水」の層を確認できなかった

人類の宇宙計画では、将来火星や月に基地を建設することを考えており、そのときに宇宙で利用できる、「水」や資源の存在が重要になってくる。地球から生活に必要な「水」や資源をすべて持っていくとなると、大変なエネルギーが必要になるからである。

月に水はあるのか?探査の歴史
これまで月の氷については、衛星クレメンタインによる1996年の観測から、月の南極にあるクレーターの壁に氷が存在する可能性が示された。次いで、1998年に打ち上げられた探査機ルナ・プロスペクターの観測からは水素の存在が示され、そのことから「水」の存在を示唆されていた。

一方、国立科学基金(NSF)の研究グループの調査結果によると、アレシボ天文台の望遠鏡を使って70cm波長での電波観測を行った結果、地表浅いところに氷が存在する可能性はないとの結果が得られていた。「月の極にあるとされる厚い氷」の証拠は見つからなかった。

なぜ月の極に水があるのか?
月大気圧は、地球大気圧の約1千億分の1。ほとんど「真空」である。この状態では水は固体か気体でしか存在できない。昼間の温度は120度まで上昇する月では、水や氷はたちまち蒸発し宇宙空間へと逃げていく。日の当たる月面に水や氷が存在する余地はないのだ。

ところが、月面では、ほとんど空気がないので、日なたと日陰の温度差が大きい。日なたで120度まで上昇する一方で、日陰はマイナス90度になる。このような月面上で、永久に日陰になっている場所があるとすると、温度は永久にマイナスになる。ここにもし「水」があれば。氷となって存在する可能性がある。

月面上にそのような都合のいい場所があるのだろうか?それが極地にあった。極地では、太陽光線がほぼ水平に照射する。このため、深いクレーターの底部には、まったく日光が当たらない部分がある。月面に「水」があるとすれば、この部分にしかないと考えられている。

「シャックルトンクレータ」とは何か?
今回「かぐや」が注目したのは「シャックルトンクレーター」。このクレーターは、月の南極近くに存在する直径21kmのクレーター。南極点近くに存在するため、ほとんど日光が当たらず、内部には永久影が存在する。永久影は、極低温となるため、水氷の存在の可能性が示唆されていた。

「シャックルトンクレーター」の縁は、水平面に対して約1.5°ほど傾いている。このため、太陽が、クレーターの縁が傾いた方向にくるとき、クレーター斜面にあたった光が反射し、内部を照らす散乱光が発生。「シャックルトンクレーター」の傾いた方向に太陽があるのは年に数日あり、今回この稀な機会に「かぐや」の地形カメラがクレーター内部の撮影に成功し、今回の「水」の分析が可能になった。

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月の南極点近くにあり、氷があると有望視されていた「シャックルトン・クレーター」内部の撮影に、日本の月探査機「かぐや」が世界で初めて成功した。だが、宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)などの画像分析では、氷になった水の層を確認できなかった。米科学誌サイエンス(電子版)に論文が掲載された。

シャックルトン・クレーターは月の南極点に近接し、内部は太陽光がほとんど当たらず、極低温とされる。米国が過去に打ち上げた衛星によるレーダーを使った実験では、このクレーターに水氷があるかもしれない、とされた。存在が確認できれば、人が生活するのに欠かせない水を現地調達できるため、月面基地を建設する場合の有力候補地と目されている。

昨年11月、太陽光が散乱してクレーターの内部をかすかに照らす数少ない機会に、かぐやは高さ100キロから高感度の二つの地形カメラ(解像度10メートル)でとらえた。このクレーターが直径21キロ、深さ4.2キロで、底に直径6.6キロの平底があるなど詳しい地形の状況がわかった。

さらに、宇宙機構などの研究チームが分析した結果、クレーターの底は、夏季でも絶対温度90度(零下約183度)前後と極めて低温で、水氷が存在しやすい環境だとわかった。だが、氷の層の存在をうかがわせるような光の反射は確認できなかった。

宇宙機構の春山純一・助教は「このクレーター内に水氷はあっても非常に少なく、土に隠れている可能性もある。今後は北極側のデータ解析も進め、氷の層の存在を調べたい」と話す。(asahi.com 2008年10月26日) 

参考HP JAXA「月周回衛星「かぐや(SELENE)」搭載の地形カメラによる
南極シャックルトンクレータ内の永久影領域の水氷存在に関する論文」
 →
 http://www.jaxa.jp/press/2008/10/20081024_kaguya_j.html
 

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