ニュースで学ぶサイエンス!このブログでは、最新科学情報をくわしく調べ、やさしく解説!科学がわかります。
絶滅危惧種を救え!
世界中で寿司ブーム。マグロを食べる人が多くなり、クロマグロの乱獲が問題となっている。今やマグロは絶滅危惧種である。国際会議ではマグロの漁獲制限が決められるそうだ。そこで注目されているのが養殖マグロ。昔はマグロの卵から養殖するのは夢であったが、現在は可能となった。

マグロの完全養殖に成功したのは近畿大学である。今回、同じ大学の生物理工学部の細井美彦教授(52)の研究グループが、鹿児島県の奄美大島と徳之島に生息し、絶滅が心配されている特別天然記念物アマミノクロウサギのクローン胚をつくることに成功した。

同グループは、環境省から提供された死んだアマミノクロウサギの耳の一部から細胞を取り出し、その核を、核を除いた実験用ウサギの未受精卵に注入してクローン胚を完成させた。絶滅危惧種のクローン胚完成は国内初。

現在、クローン胚は代理母ならぬ代理ウサギに移植し妊娠を待っている。妊娠する確率は低いが、妊娠すれば30日ほどでクローンアマミノクロウサギが生まれるという。 ウサギの出産に成功すれば、今後種の絶滅を防ぐ技術に発展する可能性がある。

これからは養殖マグロや、クローンアマミノクロウサギのように、絶滅が心配される動物については、人間が生物数をコントロールしていく時代がくるのかもしれない。

アマミノクロウサギとは?
アマミノクロウサギ(奄美野黒兎、Pentalagus furnessi )は、奄美諸島の奄美大島と徳之島だけに生息する、ウサギ科 アマミノクロウサギ属の動物である。アマミノクロウサギ属にはアマミノクロウサギ1種のみが属している。耳が短く、後足も短いため、外見はウサギらしくない。500万年前から160万年前までの鮮新世から変わらない、最も原始的なウサギとされる。

アマミノクロウサギは谷川に面した山の斜面などに巣穴を作り、通常1頭で生活している。昼間は巣穴に隠れているが、夜になると巣を出て、植物の新芽、草、若木の樹皮などを食べる。

子どもは4〜5月に生まれる。一回の出産で通常1頭、時には2頭が生まれる。母親は、自分の巣穴から離れたところに育児専用の巣穴を作り、そこで出産を行う。子どもは育児専用の巣穴に隠され、母親は一晩に一回、そこを訪れ授乳を行う。アマミノクロウサギの母乳は非常に濃いため、一日に一回の授乳で子どもは十分育つことができる。育児専用の巣穴を離れる際、母親は入り口を埋め戻し、外敵から見つからないようにする。

アマミノクロウサギは、奄美大島と徳之島の孤立した環境におり、ハブ以外には特に天敵がいないため、数百万年にわたり変わらぬ生態を続けてきたと考えられている。これらの島のうち、奄美大島にはハブ退治のためにマングースが人為的に移入されて定着し、アマミノクロウサギの生存を脅かしている。また徳之島ではマングースは定着していないが、野犬・野猫などの移入動物によって捕食される観察例がある。それと両島共に車に遭遇した事故も報告されている。(出典:Wikipedia)

関連するニュース
絶滅危惧のアマミノクロウサギ、クローン胚完成 近畿大


鹿児島県の奄美大島と徳之島に生息し、絶滅が心配されている特別天然記念物アマミノクロウサギのクローン胚(はい)をつくることに、近畿大生物理工学部の細井美彦教授(52)=生殖生物学=の研究グループが成功した。同グループによると、絶滅危惧(きぐ)種のクローン胚完成は国内初。種の絶滅を防ぐ技術に発展する可能性がある。

現在、実験用ウサギの卵管に移植し、妊娠を待っている。同グループによると、妊娠する確率は数%だが、妊娠すれば30日ほどでクローンアマミノクロウサギが生まれるという。

同グループは、環境省から提供された死んだアマミノクロウサギの耳の一部から細胞を取り出し、その核を、核を除いた実験用ウサギの未受精卵に注入してクローン胚を完成させた。

死んだ個体から生きた細胞をどうやって取り出すかが課題で、最初は筋肉を使って失敗。血液が少なく腐食が進みにくい耳で試したところ、成功した。

「代理母出産」をめざし、9月下旬からクローン胚を実験用ウサギの卵管に移植した。細井教授は、アマミノクロウサギとは近縁種にあたるため、移植回数を重ねれば妊娠する可能性が高いとみている。妊娠が確かめられれば、ウサギを動物園に移して出産させる。細井教授は「この技術で繁殖ができるようになれば、自然繁殖が難しくなったときの個体数回復策のひとつになり得る」と話す。

一方、クローン技術で希少種を救うことについては「環境への長期的な影響がわからず慎重にすべきだ」といった指摘もある。

アマミノクロウサギはウサギの中でも最も原始的な特徴を残す種とされる。体の毛は灰色で、耳が短い。自然林の伐採や交通事故、マングースなどによる捕食で数が減り、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されている。生息数は奄美大島で2千〜4800匹、徳之島で200匹前後と推定される。

海外では、ウシ科のガウルなど、生息環境の悪化や伝染病で数が減った希少種をクローン技術で誕生させた例がある。しかし、出産数時間後に死亡するなど課題も多い。(asahi.com 2008年11月18日) 
 

世界初!マグロ完全養殖―波乱に富んだ32年の軌跡(DOJIN選書21) (DOJIN選書 21)
林 宏樹
化学同人

このアイテムの詳細を見る
南の島の自然破壊と現代環境訴訟―開発とアマミノクロウサギ・沖縄ジュゴン・ヤンバルクイナの未来
関根 孝道
関西学院大学出版会

このアイテムの詳細を見る

ブログランキング・にほんブログ村へ  ランキング ←One Click please