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石油よりも大切な水資源
これからの時代、石油よりも水が重要になるという。現に世界で紛争の起きている地域を見ると水不足で干ばつが続き、作物が育たない地域で起きているケースが多い。

地球は「水の惑星」とも言われているほど、水が豊富な星だが、その内訳を見てみると、海水などの塩水が97%。残り3%の淡水のうちの2%は氷河などの氷。残りの1%もほとんどが地下水で、人間が使える淡水は、地球上の水全体のわずか0.008%しかないそうだ。

地球上の水のわずか0.008%に、人間や陸上動物のほとんどが依存して生活している。この100年間に人間は8倍近く水を使うようになった。人口は3倍程度にしか増えてないので、1人あたり使う水は飛躍的に増えた。このままでいくと、2025年には80億人中50億人もの人が水不足に陥る計算になる。(テレビ朝日地球危機「2008」より)

我が国の豊かな水資源を守れ!
幸いにも我が国は豊かな森、温暖湿潤な気候にめぐまれ、水資源の豊富な国であるが、これは明日も安全とは限らない。これまで水資源はどのように守られてきたのだろうか?

国土交通省では、昭和33 年から一級河川(直轄管理区間)において水質調査を実施しており、毎年調査結果をとりまとめて公表している。平成19年(1月〜12月)の全国一級河川109水系1,117地点における水質状況では、BOD(またはCOD)値が環境基準を満足している地点の割合は88%と過去最高であり、ダイオキシン類についても、水質環境基準を満足した調査地点の割合は99%で、底質環境基準は全ての調査地点が満足した。水質はよくなっていることが分かる。

環境省、水環境総合情報サイトを見ると、我が国の貴重な水資源の状態を知ることができる。具体的には水質汚濁防止法により、健康項目として、人の健康被害を起こすおそれのある有害物質(化学物質)として、26項目の元素や化合物を設定。また生活環境項目としては、一般的な水質汚染を測定評価するための9項目が設定されており、環境省を中心にして定期的に水質調査を行っている。

水質汚濁防止法とは何か?
1970年(昭和45年)にできた法律で、最近では2004年(平成16年)に改正された。我が国の水資源を守るための法律である。

工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに、生活排水対策の実施を堆進すること等によつて、公共用水域及び地下水の水質の汚濁(水質以外の水の状態が悪化することを含む)の防止を図り、もつて国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、並びに工場及び事業場から排出される汚水及び廃液に関して人の健康に係る被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図ることを目的とする。(第1条)

健康項目に設定されている化学物質とは?
カドミウム(Cd)、全シアン(CN)、鉛(Pb)、六価クロム(Cr(VI))、砒素(As)、総水銀(Hg)、アルキル水銀、有機リン、PCB(ポリ塩化ビフェニル)、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3-ジクロロプロペン、チウラム、シマジン、チオベンカルブ、ベンゼン、セレン(Se)、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素、硝酸性窒素、ふっ素(F)、ほう素(B)である。

生活環境項目に設定されている測定評価とは?
生活環境項目には、特定の物質を指定するのではなく、一般的な水質汚染を測定評価するための9項目が設定されている。すなわち、pH、DO、BOD、COD、油分(n-HEX)、大腸菌群数、SS、全窒素、全リンの9項目である。これらの項目は、「水質指標」ともいわれている。水域ごとに測定している項目が異なる。生活環境項目は、水質測定を開始した昭和46年度には7項目の設定であったが、その後、全窒素と全燐が追加された。

参考HP 国土交通省「平成19年全国1級河川水質調査
環境省「水環境総合情報サイト」 → http://www2.env.go.jp/water/mizu-site/
 

水質調査法
半谷 高久,小倉 紀雄
丸善

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水環境調査の基礎
新井 正
古今書院

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