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環境省の全国水生生物調査
国土交通省や環境省の行う水質調査は、我が国の水資源を守る上で大切なはたらきをしている。水質調査の方法にも色々あって、環境省の行う水生生物調査による水質調査は、小中学生から一般の方も参加でき、川の中で遊びながらできる水質調査である。私も何度か参加したことがある。 

やり方は簡単で、指標生物の図鑑を見ながら、その川にどの生物が何匹いるか数え、記録用紙に記録する。生息する生物の種類によって1.きれいな水(水質階級�T) 2.少しきたない水(水質階級�U) 3.きたない水(水質階級�V) 4.たいへんきたない水(水質階級�W)の4つに分ける。(ただし、この「きたない水」という表現は疑問で、例えばタイコウチが棲む環境がきたない水と評価される。)



他には記録用紙に日時・場所・天気・水温・水深・流速・におい・透明度などを記録する。結果はインターネットの登録画面から報告できる。申し込みは所定の様式に記入し、都道府県の環境対策課に申し込む。問い合わせ先や調査方法は次のページを参照されたし。

環境省「全国水生生物調査のページ」 →
 http://w-mizu.nies.go.jp/suisei/suisei.html

さて水質調査には他にどんな方法があるのだろうか?

水質汚濁防止法に見る水質調査
環境省、水環境総合情報サイトを見ると、水質汚濁防止法による健康項目として、人の健康被害を起こすおそれのある有害物質(化学物質)として、26項目の元素や化合物を調査。それ以外には生活環境項目として、一般的な水質汚染を測定評価するための9項目が設定されており、定期的に調査している。

生活環境項目とは、特定の物質を指定するのではなく、一般的な水質汚染を測定評価する。すなわち、pH、DO、BOD、COD、油分(n-HEX)、大腸菌群数、SS、全窒素、全リンの9項目である。これらの項目は、「水質指標」ともいわれている。水域ごとに測定している項目が異なる。生活環境項目は、水質測定を開始した昭和46年度には7項目の設定であったが、その後、全窒素と全燐が追加された。

pH
水素イオン濃度指数のことで、主として、水の成分の指標として用いられており、水に何らかの化学物質がイオン状態で溶けこんでいる状態では、酸性か、アルカリ性を示す。酸性はpH7未満、中性はpH7、アルカリ性はpH7を超えた値である。

水質が酸性、あるいはアルカリ性になると、水利用の支障があるほか、水中に生息する生物に影響を及ぼす。

DO
水中に溶けている酸素量のことで、主として、有機物による水質汚濁の指標として用いられており、水中に溶ける酸素量は、水温に比例し、水温15度の時に約9mg/lで飽和状態となる。最もきれいな水ではほぼ飽和状態。やや汚染された水では5mg/L以上。非常に汚染された水ではゼロないし微量になるとされている。

BOD
Biochemical Oxygen Demandの略称で、主として、水中の有機物などによる汚れの量を測ったもので、その汚れを微生物が酸化分解するために必要とする酸素の量で表したものであり、特定の物質を示すものではない。単位は  mg/L または mg-2/L だが、通常 mg/L と略される。一般に、BODの値が大きいほど、その水質は悪いと言える。

COD
Chemical Oxygen Demandの略称で、湖沼及び海域の、主として、有機性物質による水質汚濁の指標として用いられている。水中の被酸化性物質量を酸化するために必要とする酸素量で示したものである。代表的な水質の指標の一つであり、酸素消費量とも呼ばれる。

BODとの違いは、CODが有機物と無機物、両方の要求酸素量であるのに対し、BODは生物分解性有機物のみの酸素要求量であるという点である。また、CODは30分〜2時間程度の短期間で求めれるのに対し、BODは長い時間を要するため、CODがBODの代替指標として用いられることもある。

油分(n-HEX)
油分(ノルマルヘキサン抽出物質量)は、主として、無機性及び有機性の油分による汚染の指標として用いられている。特に海域では、オイルタンカーからの排水・事故による汚染が問題となっている。

大腸菌群数
大腸菌群数は、主として、人または動物の排泄物による汚染の指標として用いられている。水中から大腸菌が検出されることは、その水が人または動物の排泄物で汚染されている可能性を意味し、赤痢菌などの他の病原菌による汚染が疑われる。

SS
Suspended Solid(浮遊物質量)の略称で、主として、水の濁りの原因となる、水に溶解しない固体成分(浮遊物)による汚染の指標として用いられており、河川及び湖沼でのみ環境基準が適用される。

全窒素、全リン
全窒素・全燐は、湖沼や内湾などの閉鎖性水域の、富栄養化の指標として用いられている。水中では、窒素(リン)は、窒素イオン(リンイオン)、窒素化合物(リン化合物)として存在しているが、全窒素(全燐)は、試料水中に含まれる窒素(リン)の総量を測定するものである。

 

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