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生命はどのように誕生したのだろうか?
今回、物質・材料研究機構の中沢弘基名誉フェローらが東北大学と共同で「原始地球の海に隕石が降り注いだことで生命が誕生した可能性が高い」という実験結果を発表した。

この実験では、原始地球に存在した物質を「炭素、鉄、ニッケル、水、窒素ガス」と考え、これらの物質をステンレスカプセルに詰めた。次に隕石に見立てた高速の飛翔体を衝突させ、カプセル内の生成物を調べた。

この結果、アミノ酸のうちで最も簡単な構造をしているグリシンのほか、アミノ基をもつ有機分子、さらに脂肪酸など生体を構成する有機分子がカプセル内に生成することが確かめられた。

「有機分子ビッグバン仮説」とは?
この実験は原始の海の広がる地球に隕石が激突した状態を仮定した。隕石の主な成分は炭素と鉄、ニッケルであることが既によく知られている。最近の研究で、水や窒素ガスは地球側に大量に存在していたことも分かっている。

研究グループは「隕石衝突時の運動エネルギーで隕石中の鉄が水を還元し水素を放出、この水素が隕石中に含まれる炭素と反応して生命の基になる有機分子をつくる」という仮説「有機分子ビッグバン説(2006年 中沢弘基)」を立て、今回の実験を行った。

分析の正確を期すため、実験には自然界には少量しかない炭素の同位体C13を用い、有機分子がカプセルに詰めた炭素から間違いなくできたことも確かめた。

研究チームは、40億-38億年前、原始地球に海ができた後も続いた隕石の海洋衝突によって、有機分子が出現、生命発生の準備をした可能性「有機分子ビッグバン説」を強く示唆する研究成果だ、と言っている。

「ミラーの研究」「表面代謝説」
生命誕生については、原始大気と雷による放電でアミノ酸と生物有機分子が生成することを示した「ミラーの研究(1953年)」が有名である。ミラーは原始大気として、メタンやアンモニアなどからなる還元型を考えたが、最近の研究では、窒素などが多い酸化型だったことがわかった。

1970年代から21世紀初頭にかけて急速に進歩した地球科学は、原始地球が低温ではなく、全地球が一旦溶融するほど高温になったことを明らかにした。原始地球におけるマグマの海(マグマオーシャン)の出現である。大気中に仮に、有機分子やメタンやアンモニアなど還元的な分子があったとしても、高温のマグマ(>1200℃)に接して分解し、軽い水素は宇宙空間に逃散するので、結局、原始大気は主として窒素と二酸化炭素の酸化的大気になったと推定されている。

この他にも最近では、深海底の熱水噴出口に生命誕生の可能性が指摘されている。深海の熱水孔周辺には黄鉄鉱が多く見られる。金属は化学反応の触媒として使われるものが多いが、黄銅鉱などの金属の表面で生命が誕生したとする「表面代謝説(1988年 ギュンター・ヴェヒターショイザー)」などもある。

参考HP Wikipedia「生命の起源」 物質・材料研究機構プレスリリース
‘生命の起源’有機分子は隕石の海洋爆撃によって生成した!
 

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