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気候変動枠組み条約締約国会議「COP14」ポーランドで開幕
京都議定書に定めのない2013年以降の地球温暖化対策を話し合う国連の「気候変動枠組み条約第14回締約国会議(COP14)」が12月1日〜12日、ポーランド・ポズナニで開かれた。2050年までの温室効果ガス排出量長期目標途上国に削減目標を設定する道筋がつけられるかが焦点だったが、各国の主張には隔たりがあり交渉は難航した。

地球環境問題の話の中で、よく目にするCOP(コップ)。これはどういう意味であろうか?

COPは締約国会議(Conference of the Parties)の略で、地球環境問題に限らず、多くの国際条約の中で、その加盟国(Parties)が物事を決定するための最高決定機関(Conference)という意味である。

最もよく耳にするCOPは気候変動枠組条約(Framework Convention on Climate Change, FCCC)の締約国会議(COP-FCCC)である。その他,生物多様性にも(COP-CBD)砂漠化対処条約にも(COP-CCD)それぞれ締約国会議がある。

ちなみに日本は、COP3の京都議定書で、温室効果ガスの合計削減目標を1990年度比-6%,減少させることを義務付けられている。

2013年「京都議定書後」の目標へ道筋をつくる
各国はすでに、2009年12月のCOP15で13年以降の枠組みを決めることで合意。今回はその実現に向け作業計画を決める。一方、議定書を離脱した米国だが、オバマ次期大統領は交渉への積極関与を表明しているので、次回のCOP15以降に具体的なことは持ち越したい構えだ。

COP14には189の締約国、384のNGO(非政府組織)などから約1万人が参加した。今回は、COP15までの作業計画や、中長期の削減目標など交渉の基本となる事項を協議した。

その結果、作業計画では「来年は全面的に交渉モードに移行する」ことで合意。先進国に対し中期目標の検討状況の報告を3月までに求めた。条約事務局は6月までに、京都議定書後の国際的な温暖化対策の体制の原案を示すことになった。

一方、長期目標について、日本は今年7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)の宣言に基づき「長期目標2050年までに50%削減・セクター別アプローチ」という目標共有を主張したが、途上国側が次の体制で削減義務を課されることを警戒。意見はまとまらず、長期目標の削減幅は盛り込まれなかった。

中期目標については、日本などが「現段階で中期目標を縛るような表記は時期尚早だ」などと主張。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第4次報告書に基づき「2020年までに1990年比で25〜40%の削減が必要」という数値を、部会の報告書に明記したが、「IPCCの指摘を認識する」という昨年12月のCOP13とまったく同じ表現にとどまった。

COP14での合意事項
1.先進国は13年以降も国別総量目標による削減義務を負う
2.来年は少なくとも4回の特別作業部会を開く。先進国は3月末までに中期目標の検討状況を報告し、条約事務局は6月までに京都議定書後の体制の原案を示す。
3.先進国全体の中期目標は国連「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告を認識、検討を開始する。
4.先進国の京都議定書後の体制での削減幅は、透明性があり理路整然とした方法で決める。各国の削減幅は異なりうる。

期待はオバマ氏 会場にいない次期リーダーにラブコール
今回の議論で、先進国と途上国の対立という長年の課題が再び鮮明になったが、合意に向けた建設的な議論はほとんどなかったと言っていい。

今回のCOP14の「主役」は、会場に姿のないオバマ次期米大統領だった。11、12日の閣僚級会合では、各国からオバマ氏に期待する演説が相次いだ。COP15議長国デンマークのヘデゴー・気候エネルギー相は「ブッシュ政権はあと数週間で去る。重要なのは、オバマ氏が発する新しいシグナルを歓迎することだ」と言い切った。

世界の二酸化炭素排出量の約2割を占める米国は2001年に京都議定書を離脱しているが、次期政権が枠組みに参加すれば世界全体での実質的な排出削減につながり、排出量が米国に匹敵する中国など経済発展著しい新興国に対しても削減を求めやすくなると期待される。とりわけ気候変動対策に積極的なオバマ氏なら、米国の姿勢を大転換してくれるだろうとの期待から、COP14でも交渉開始は「オバマ氏就任後」というのが暗黙の了解。会場にいない次期リーダーにラブコールを送るのが関の山だった。

金融危機に伴う景気後退も影を落とした。これまで温暖化交渉で主導権を握ってきた欧州連合(EU)。「環境先進国」のドイツが、景気後退を受けて温暖化対策への消極姿勢をにじませるなど、EUは、最後までリーダーシップを発揮できなかった。(参考:毎日新聞) 

 

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