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機能しない火山警報
日本は世界の火山の1割が集中する火山大国。気象庁では、平成19年12月1日より噴火災害軽減のため噴火警報及び噴火予報の発表を行っている。噴火警報及び噴火予報は、全国の活火山を対象とし、火山毎に警戒等を必要とする市区町村を明示して発表している。

このうち噴火警報は、居住地域や火口周辺に影響が及ぶ噴火の発生が予想された場合に、予想される影響範囲を付した名称で発表されている。噴火警報は報道機関、都道府県、市町村等を通じて住民の皆さんにお知らせする。噴火予報は、噴火警報を解除する場合や、火山活動が静穏(平常)な状態が続くことをお知らせする場合に発表される。

また、噴火警戒レベルを導入した火山では、噴火警報及び噴火予報で噴火警戒レベルを発表する。この噴火警戒レベル九州の桜島や霧島で噴火があったが、いずれも「警報」を出したのは、噴火後であった。

なぜ火山警報は遅れるか?
2月3日午後3:54。桜島の昭和火口が噴火。集落のある東側に向かって火砕流が約1km流れた。当時、桜島の噴火警戒レベルは「2」。火砕流の発生は想定していなかった。噴火から15分後鹿児島地方気象台は警戒レベルをようやく「3」に引き上げた。

遅れたのはこれだけではない、桜島では4月と7月、霧島では8月、警戒レベルを引き上げたのはやはり噴火後だった。

現在の火山学では噴火予知技術が確立しているわけではない。厳密に詰めようとすると、判断を下すのに手間取る。判断を下すのに判断を仰ぐ必要がない気象庁本庁を協議に加えてしまったことで遅れにつながっている。

どうやら噴火警報には地元の経験や知識が必要らしい。せっかく気象庁が噴火警報及び噴火予報を行っていてもこれでは意味がない。地元のことは地元がよく知っている。地元の判断で機能するようにしたいものだと思う。

噴火警戒レベルと22火山
現在気象庁が噴火警戒レベルを提供しているのは次の22火山である。雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ケ岳、岩手山、吾妻山、草津白根山、浅間山、御嶽山、富士山、伊豆大島、三宅島、九重山、阿蘇山、雲仙岳、霧島山(新燃岳)、霧島山(御鉢)、桜 島、薩摩硫黄島、口永良部島、諏訪之瀬島

警戒レベル
レベル5(避難)
居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生、あるいは切迫している状態にある。 危険な居住地域からの避難等が必要(状況に応じて対象地域や方法等を判断) 
レベル4(避難準備)
居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生すると予想される(可能性が高まってきている)。 警戒が必要な居住地域での避難の準備、災害時要援護者の避難等が必要(状況に応じて対象地域を判断)
レベル3(入山規制)
居住地域の近くまで重大な影響を及ぼす(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)噴火が発生、あるいは発生すると予想される。 通常の生活(今後の火山活動の推移に注意。入山規制)。状況に応じて災害時要援護者の避難準備等 登山禁止・入山規制等、危険な地域への立入規制等(状況に応じて規制範囲を判断)
レベル2(火口周辺規制)
火口周辺に影響を及ぼす(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)噴火が発生、あるいは発生すると予想される。 通常の生活 火口周辺への立入規制等(状況に応じて火口周辺の規制範囲を判断)
レベル1(平常)
火山活動は静穏。火山活動の状態によって、火口内で火山灰の噴出等が見られる(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)。 特になし(状況に応じて火口内への立入規制等)

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国内には108の活火山があり気象庁では警報発令を目的に約30の火山を連続観測している。文科省は、運営費交付金の削減などで苦境にある大学の研究を下支えするため、今後は気象庁との観測データ共有も進める。(15日 NIKKEI NET)

参考HP 気象庁 「火山」 → http://www.seisvol.kishou.go.jp/tokyo/volcano.html 

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