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簡潔明瞭!冬を暖かくする良い商品
100年に1度の大不況といわれているが、業績をしっかり伸ばしている会社もある。今年の社長1位に輝いた柳井氏の「ユニクロ(ファーストリテイリング)」がそうである。

ユニクロ」は今年もヒット商品「ヒートテック」がよく売れており、品薄状態だという。「ヒートテック」は発熱・保温機能などを備えた肌着で2003年に販売が開始され、2007年に2000万枚を売る大ヒット商品となった。2008年も営業利益を伸ばしている。

「ユニクロ」が行ったのは、寒い冬をより暖かく過ごしやすくする、そんな衣服の基本を追求しただけであった。「ヒートテック」はどうして暖かくなるのだろう?

「ヒートテック」とは何か?
「ヒートテック」は東レとユニクロが共同開発した新技術で、3つの工夫がある。1つはその素材に「吸湿発熱繊維」を使ったこと。2つ目は保温効果を高めるために繊維を細くして束ね、エアポケットをたくさんつくったこと。3つ目は吸収した水分を速く蒸発させる工夫をしたことである。

吸湿発熱繊維とは何だろう?これは、空気中の水蒸気が気体から液体に変わるときに放出される凝結熱を利用したもの。1gの水の凝結熱は、約580カロリー(約2400ジュール)もある。1gの汗が熱に変わると2400ジュールの熱が発生する。つまり、繊維の吸湿量が多くなればなるほど発生する熱量も大きくなるという。

「ヒートテック」の吸湿発熱繊維の素材はポリエステルを使っている。ポリエステルはPET、つまりペットボトルの原料にもなるプラスチック。軽くて加工しやすく、高い伸縮性があり細くしても、形状安定・柔らかい肌触りなどを特徴とする。

さらに発熱した熱を逃がさず、暖かくするために繊維を細くしたものを束ねて、エアーポケットをたくさんつくり、体の周りに薄い空気の層を何層もつくった。また、水滴が蒸発しやすくなるように繊維の断面を星形にして表面積を大きくした。

綿も吸湿発熱繊維?
日本人は綿の肌着を好んで着る。タイへ日本人が赴任するときに、綿100%の衣料を買い揃えていく。 しかしタイの工場ではたらく人たちが着るのはポリエステルである。着てみるとその違いに気がつく、綿は汗を吸ってかえって暑くなる。ポリエステルはサラッとしている。

熱帯の国タイでは、驚いたことに綿が吸湿発熱繊維としてはたらき、ポリエステルが涼しい繊維として使われている。こうしてみると「ヒートテック」というのは、材質よりも、繊維の構造と束ね方による、技術であるようだ。 どんな繊維でも吸湿量が多くなればなるほど発生する熱量も大きくなる。

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今年の社長1位にユニクロの柳井氏


経営者が選んだナンバーワン社長は、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(59)−。産業能率大が17日、企業経営者に対するアンケートを発表、経営手腕が優れている「今年の社長」に柳井氏が選出された。同社の衣料品ブランド「ユニクロ」で、ヒット商品「ヒートテック」などを世に送り出し、独り勝ちの業績を収めた手腕が評価されたものとみられる。

発熱・保温機能などを備えた肌着「ヒートテック」シリーズは2003年に販売が開始され、2007年に2000万枚を売る大ヒット商品となった。2008年8月期の連結決算は、売上高約5864億円(前期比プラス11.7%)で経常利益約856億円(同プラス32.7%)と大幅な増収増益を記録した。

「ユニクロ」は1990年代後半に「フリース」ブームで業績を伸ばし、2001年に英国進出。積極経営を展開したが2002年以降、業績不振に陥った。だがその後も「ヒート−」や水着など、さまざまな新商品開発を続けてきた。柳井氏自身は2002年に社長を退いたが、2005年から再び社長を務め、見事な業績V字回復を達成した。

「ヒート−」は、他社の多機能肌着の半額以下という1000〜15000円を中心とした価格帯で、今年も爆発的に売れている。2008年の販売目標は2800万枚で、同社では「売れ行きは好調ですが、ほとんどの店舗で品薄状態が続いています」とうれしい悲鳴を上げている。11月には米、英、仏、中国にも販路を拡大した。

 アンケートは同大学が12月上旬に実施し、従業員10人以上の中小企業を中心とした経営者365人から回答を得たもの。アンケートでは「見事な復活」「世界同時不況の中で独り勝ちした」などの声が寄せられ、得票数は全体の23%にあたる84票と圧倒的な人気ぶりだった。(2008年12月18日 日刊スポーツ) 

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