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クローン病とは何か?
クローン病とは、主として口から肛門までの消化管全体に、炎症および潰瘍を起こす原因不明の病気である。1932年にニューヨークの内科医ブリル・バーナード・クローンらによって報告されたのがその名の由来。遺伝子が同じ生物のクローンとは関係がない。

この病気は消化管の全層を侵し、進行すると腸管が狭くなり腸閉塞をきたすことや、腸管に穴のあく穿孔や、それらに膿が溜まった膿瘍ができる。厚生労働省指定の特定疾患のひとつである。

若年層での発病が顕著であり、欧米先進国での患者数が圧倒的に多いことから、食生活の欧米化、つまり動物性蛋白質や脂質の摂取が関係しているともいわれる。

クローン病の正体はアレルギー?
近年、日本人クローン病に免疫に関係するサイトカインの遺伝子との関連が報告された。この遺伝子により、クローン病の病変部でサイトカインの発現が増加していることがわかった。

腸には口から入ってくる細菌などの外敵から身を守るため、体の免疫細胞の6割が集まっている。炎症は、こうした外からの刺激に対する過剰な免疫反応で起こると考えられている。

例えば腸にある細菌の毒性が、問題になることも考えられるが、東京医科歯科大の渡辺守教授(消化器内科)は「人によって反応する食べ物の成分や細菌類はさまざまだと推測されている。クローン病では特定の菌が原因ではない」と話す。

クローン病の治療法
治療は薬物療法と栄養療法を組み合わせる。炎症を抑える「5-アミノサリチル酸製剤」、副腎皮質ホルモン剤、免疫調整剤などが処方される。2002年に登場した「TNF-α」と呼ばれる炎症性のたんぱく質の働きを抑える点滴剤(商品名レミケード)も使われている。

渡辺教授は「レミケードには、肺結核や悪性リンパ腫などの副作用報告もあるが、潰瘍がきれいに改善した人もいる。治療法は進歩している。悲観しないでほしい」と話す。

クローン病の症状が悪化すると、腸に負担をかけないために食事の回数や量を減らし、アミノ酸を補う「成分栄養療法」などが併用される。症状が治まっても、悪化させないために脂肪の少ない食事が推奨される。よくかむことも大切。

潰瘍性大腸炎の場合は「食事制限は不要で、健康な人と同じ食生活をすればよい」と、渡辺教授は指摘する。人工透析の原理を応用し、炎症を起こす白血球を取り除く治療法もある。(毎日新聞 2008年12月23日より) 

潰瘍性大腸炎・クローン病の人の食事 (健康21シリーズ 14) (健康21シリーズ)
松本 誉之,斎藤恵子
女子栄養大学出版部

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クローン病 患者が本当にききたいこと―140のQ&A
付・診療医リスト、安心レシピ

斎藤 恵子
弘文堂

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