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太陽黒点の正体
太陽の黒点とは、太陽表面を観測した時に黒い点を散らしたかのように見える部分のこと。実際にはこの部分も光を放っているが、周囲よりも弱い光なので黒く見える。

黒点の温度は約4,000℃。太陽の表面(光球)温度は約6,000℃である。発生原因は太陽の磁場であると考えられている。

太陽表面には黒点に代表される強い磁場が存在している。太陽の磁場が、どのようなメカニズムで生成されるかは、現在研究の途中にあるが、太陽自体が電磁石であり、内部の電荷を帯びた物質が移動することによって、磁場が発生していると考えられている。

太陽は電磁石
太陽の内部は水素、ヘリウムなどの気体であるが、気体は高温では、電気を帯びたプラズマになっている。この電気を帯びたプラズマが対流しており電流をつくる。このとき、太陽内部には数十億アンペアの電流が発生しているという。

この電流と対流により1ガウス程度の強力な磁力線が南北方向に発生する。太陽の回転は32日で1周する高緯度地帯より27日で1周する低緯度地帯の方が早く、赤道部の動きに引きずられて南北方向の磁力線も東西赤道部に巻き付くようにズレてゆく。

このようにして、コリオリの力と緯度による自転スピ−ドの違いから、磁力線はねじれていき、3年後には磁力線が6周ほど巻き付いてしまう。こうして何年もの間にできた磁力線の渦が複数集まると、互いに反発しあい、部分的に光球面から浮き上がり、外部に飛び出す。これが黒点であり、黒点の磁場は数千ガウスにもなる。

太陽に未知の磁場
一様に見える太陽だが、このように目に見えない、多数の磁力線にの取り囲まれていることがわかっていた。最近、日本の太陽観測衛星「ひので」によって、さらにくわしいことがわかってきた。

東京大や国立天文台の研究チームは、太陽表面を全域にわたって覆う、未発見の磁場が多数存在することを「ひので」のデータを使って突き止めた。地球の上空約680キロ・メートルを周回する「ひので」は地球大気の影響を受けず、太陽を精密に観測できる。

それによると太陽表面を巨大な蛇がはうような形で、長さ1000キロ・メートルほどの磁場が無数に存在し、わずか5分ほどで生成と消滅を繰り返していることがわかった。

未知の磁場の正体
これまで、太陽表面の磁場としては、「黒点」に存在する磁場だけが知られていたが、表面に多数存在する磁場は知られていなかった。この磁場はその下のプラズマが小さく対流していると予想され、この小対流が太陽表面に無数にあると考えられる。

100万度以上にもなる太陽表面の高温大気「コロナ」を加熱するエネルギーの出所は不明だったが、今回の磁場はコロナ加熱に必要なエネルギーを蓄えており、コロナ加熱の謎を解く可能性があるという。

研究にあたった東京大学大学院の石川遼子さん(26)は「今回の磁場がコロナを加熱する具体的な仕組みを今後、突き止めたい」と話している。(2009年4月8日 読売新聞)

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太陽表面覆う新たな磁場観測


体表表面にこれまで知られていなかった短寿命の水平磁場が大量に存在することを国立天文台を含む日米欧の国際研究チームが、太陽観測衛星「ひので」による観測で発見した。

太陽には黒点と呼ばれる暗い部分があることが知られている。これは太陽の磁場によってできると考えられており、その磁場は太陽の自転速度が場所によって異なる差動回転のために生まれるとみられている。

新たに発見された磁場は、黒点の 30分の1から100分の1の大きさで、黒点の寿命が6日から2カ月程度に対して平均4分と短寿命、さらに黒点をつくる磁場の方向が太陽内部から外部に伸びる垂直なのに対し、太陽表面に対し水平の方向を向いているという特徴がある。また黒点が、太陽中緯度から赤道付近にしか存在しないのに対し、太陽の全面を覆い尽くすように大量に存在している。

この水平磁場は「ローカルダイナモ」と呼ばれる太陽表面付近での対流によってでき、新しい磁場の持つエネルギーは、太陽の全磁気エネルギーのかなりの部分を占めると考えられる、と研究チームは言っている。(サイエンスポータル 2009年4月9日) 

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