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ミツバチの蜂群崩壊症候群
「もしハチが地球上からいなくなると、人間は四年以上は生きられない」これは、アインシュタインの残した言葉である。最近「ミツバチが少なくなった」ということをよく聞く。実際、蜂群崩壊症候群は数年前から問題になっている。

蜂群崩壊症候群(CCD)は「ほうぐんほうかいしょうこうぐん」と読む。これは、一夜にしてミツバチが原因不明に大量に失踪する現象である。日本では「いないいない病」ともいわれている。

2006年秋〜現在にかけて、セイヨウミツバチが一夜にして大量に失踪する現象が米国各地で起こっており、その数は米国で飼われているミツバチの約3分の1になるという。

蜂群崩壊症候群の原因は?
この原因は、まだはっきりしない。栄養失調や農薬、病原体や免疫不全、ダニや真菌、遺伝子組み換え農作物 (GM)や養蜂上の慣習(例えば抗生物質の使用や、蜂の巣の長距離輸送)、電磁波などさまざまな説がある。

2007年の調査では、多くの養蜂業者は、ミツベチヘギイタダニ、ケシキスイなどの有害な節足動物がCCDの主因に違いないと考えている。また、2007年発表の論文でも、これらの生物が、奇形羽ウイルスやミツバチ急性麻痺ウィルスなどのウィルスを運ぶと言われる。また、ミツバチヘギイタダニによる病気は、ミツバチの免疫系を弱める傾向もある。

ミツバチと農作物
2008年、沖縄県南風原町では、名産のカボチャの受粉のため、ミツバチ50万匹を畑に放った。つい最近まで、この受粉はすべて手作業で行ってきたという。受粉作業を手交配から「ミツバチ交配」に切り替えることで、カボチャの安定生産や増収対策、農家の省力化が期待できる。

ミツバチは他にイチゴやメロンなどの受粉作業にも使われる。ただし、蜜を出さず特殊な振動採粉をするナス科のトマト、ピーマンなどの果菜類の受粉には、ミツバチではなくマルハナバチが使われる。

先日、イチゴ狩りに出かけたとき、ビニールハウスの中でミツバチが飛んでいたのは果実をたくさんつけさせるためであったか。ミツバチが、農作物の受粉作業に一役買っていたとは思わなかった。

ミツバチの「いないいない病」
ところが先日のニュースでは、日本でもミツバチが激減する謎の現象が起きており、イチゴやメロンなどの受粉作業にミツバチを使っている農家に、深刻な影響が出ていて、果物の価格高騰にもつながりかねないという。

イチゴやメロンなどの受粉のためのミツバチは、自然に生息するニホンミツバチやそのほかの虫だけでは足りないため、多くの農家が飼育に適したセイヨウミツバチを購入したり、レンタルしたりして利用している。

減少しているのはこのセイヨウミツバチ。農水省によると、平成20年夏の調査では前年比14%減。ミツバチは女王バチ1匹と1万〜数万匹の働きバチなどの群れで「1群」と数える。19年は38592群だったのが、20年には33220群に減っていた。

ミツバチ不足のせいで、販売価格も高騰している。丸東東海商事では、およそ10アールの広さで使えるミツバチ6000匹の価格は現在、2万6000円。前年同期比1万円程度の値上げだという。

いないいない病の原因は?
農林水産省は、ミツバチが寄生ダニによって発生する病気で、大量死したのではないかと推測している。

他にも2つの原因が考えられており、1つ目は、主に水田で使われる害虫駆除を目的とした農薬「ネオニコチノイド」により死滅してしまったこと。2つ目は女王蜂の輸入が現在ストップしていることがあげられる。これは海外でミツバチの伝染病が確認されたため、2008年11月から輸入できない状況になったためであり、これにより、ハチの数が減ってしまったというわけだ。

授粉にミツバチを利用するには、あらかじめ働きバチを増やしておく必要がある。その役割を担っているのが、海外から持ち込まれる女王バチだ。ミツバチの輸入は、オーストラリア、イタリア、ロシア、ニュージーランド、スロベニア、米国・ハワイ州の5カ国と1つの州から輸入できることになっている。

実際は、ほとんどがオーストラリア産だ。しかも養蜂場の半径5キロ以内でヨーロッパ腐蛆(ふそ)病やノゼマ病が発生していないことなどの条件がある。日本とは季節が反対のオーストラリアから女王バチを輸入し、国内で働きバチを増やす。ところが、オーストラリアでノゼマ病が発生し、女王バチの輸入がストップしている。

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「ミツバチ」21都県で不足、農水省が果物農家ら支援へ


農林水産省は、野菜や果物の受粉を仲介する花粉交配用のミツバチが全国的に不足していることから野菜や果物を栽培している農家を支援するなど総合的な対策に乗り出す。

ミツバチ不足は、オーストラリアのミツバチに伝染病が発生したことなどをきっかけに、日本政府と豪州政府との国際的な取り決めに従って、全面的にミツバチの女王バチの輸入が停止されたことが最大の原因だ。

同省が今月、都道府県や農業団体を通じて行った緊急調査では、千葉県、茨城県、長野県、山形県、熊本県、鹿児島県など21都県で交配用ミツバチが不足していることが分かった。このため、農水省は、ミツバチの数に比較的、余裕がある地域から、融通してもらえるように仲介する仕組みを作る。

さらに、政府がまとめた追加景気対策でも09年度補正予算案として、野菜や果物を栽培している農家の構造改革を支援する名目で9億円を計上する方針で、この予算から、ミツバチの繁殖に取り組む農家に、経費の一部を補助する方針だ。

また、農水省は、新たなミツバチの輸入先として、アルゼンチンとの交渉に入っている。(2009年4月16日22時34分  読売新聞)

参考HP Wikipedia「ミツバチ」「蜂群崩壊症候群」 

庭で飼うはじめてのみつばち―ホビー養蜂入門
和田 依子,中村 純
山と溪谷社

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ハチはなぜ大量死したのか
ローワン・ジェイコブセン
文藝春秋

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