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自動車会社の住宅開発
最近はエコ住宅の開発も盛んであり、少しずつ実用化の域に達している。特に気になるのは、住宅専門の会社以外で、省エネ技術を持つ大手電機、自動車メーカーが「エコ住宅」市場に参入していることだ。

外観や住みやすさから言うと、やはり住宅専門の会社がよさそうだが、パナソニックの「エコアイディアハウス」などの「CO2ゼロハウス」は、技術的には優れていた。いろいろな会社のよいところが合わされると、一番よいのだろうと思う。

今日紹介するトヨタと三菱も、自動車の省エネ技術を応用した住宅を開発して売り出す予定。両者とも自動車で培った蓄電池技術では、トップを行く技術を持つ。その技術を活かした、自動車と住宅が一体になったコンセプトが面白い。その最新技術を調べた。

近未来住宅「PAPI」
トヨタ自動車とトヨタホームは「愛・地球博」の開催に合わせ、2005年3月25日より「トヨタ夢の住宅 PAPI(パピ)」を一般公開した。会場は愛知県愛知郡長久手町のトヨタ博物館向かい。これは、より豊かで持続的に発展できる社会を目指し、約10年後の近未来の生活を提案した実験住宅であった。

同住宅はITや環境、防犯・防災、健康等、さまざまな分野の最先端技術を盛り込み未来の生活シーンに合わせた形で実装している。

家中に配置されたセンサーが住まいと人の様々な状況を認識し、「ユビキタスネットワーク」により、空調や照明、エネルギーなどを自動最適制御。人と地球にやさしい環境と快適性の両立をめざしている。

また、最大級の地震に耐える耐震性能を持つトヨタホームのユニット構造に加え、停電時にはハイブリッドカーからの非常用電源供給、断水時には貯水槽としても使える室内プールなどを装備し、地震などの災害にも備えている。

色素増感型太陽電池壁モジュール
植物の光合成をヒントに開発された未来型の太陽電池は、従来利用されていなかった外壁まで組み込み、家全体で発電。次世代のエネルギーシステムで省エネ・低コストの実現を目指した。
 
光、音、空気の質など、寝室の環境を最適にコントロール。穏やかな眠りを誘うBGM、寝返りしやすく快適な姿勢で眠れるマットレス。さらには眠りの深さを推定する生体情報センサーにより、快適な目覚めを促す照明と採光を制御、睡眠から目覚めの時まで健康的な生活をサポートする。
 
トヨタ自動車とトヨタホームはここでの成果をもとに、11年度にも一般家庭向けの蓄電システムを発売する予定。トヨタは10年までに、コンセントに直接つないで充電できる「プラグインHV」を発売する。家庭向け蓄電システムを導入すれば、より効率よく充電できることもアピールして、車と住宅双方の販売増につなげたい考えだ。
 
省エネ住宅「エコスカイハウス」
三菱重工業グループも、太陽光発電とリチウムイオン電池を組み合わせた省エネ住宅「エコスカイハウス」の実証実験を、2月9日から横浜市内で行っている。この実験では、標準家庭の使用エネルギーの97%を賄えるするのが目標だ。2010年3月までの1年間実証実験する。

同モデルハウスは、横浜市西区北軽井沢にある三菱重工の社宅敷地内に建設した。延べ床面積129.17m2の2階建てである。太陽電池、風力発電からの直流電力はLiイオン・バッテリーに蓄電するが、利用時は交流100Vに変換する。ここでの成果をもとに、三菱重工業グループも太陽光発電とリチウムイオン電池を組み合わせた、省エネ住宅用蓄電システムを11年度中に発売する予定だ。

自然エネルギーのほかに、深夜電力を使ってLiイオン・バッテリーの充電とヒート・ポンプによる給湯を行う。また、深夜の200Vを使って電気自動車の充電を行う実験も並行して行う。

新蓄熱システム
モデルハウスのダイニング床下には、縦4m×横8m×深さ1.6mの蓄熱室を持つ。ここには、三菱重工が新たに開発した蓄熱材を使って、冬場は暖気を、夏場は冷気を蓄熱する。20℃で液体と固体の相変化を起こす硫酸ナトリウムを使った蓄熱材と、パラフィン系の蓄熱材を入れて蓄熱する。

2m近く掘り下げているため,夏場でも地中の温度が低く安定しているとする。これに,給湯用に深夜電力で運転するヒート・ポンプから排出される冷気を蓄熱し,昼間の冷房に用いる。

参考HP  トヨタホーム株式会社 近未来住宅「トヨタ夢の住宅PAPI」が完成     三菱エステート株式会社 エコスカイハウス プロジェクト

省エネ時代の家づくり
兼坂 亮一
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