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クローンとは何だろう?
クローンとは同じ遺伝情報を持つDNA、細胞、個体の集団をいう。先日、死後13年間凍結されていた牛の生きた細胞からクローン牛を作ることに、岐阜県畜産研究所と近畿大の研究チームが成功した。

また、長期凍結保存した細胞による哺乳(ほにゅう)類のクローン作成は、理化学研究所がマウス(16年間冷凍)で成功している。

クローンは体細胞の核を取り出し、別のマウスの核を除いた卵子に入れてクローン胚(はい)を作り、子宮に戻して作る。これまでに生まれた様々なクローン動物は、生きた動物や死んだ直後の動物の新鮮な状態の細胞を使っていた。
 
死後何年も経た細胞でクローンをつくる技術はこれまで確立していなかった。こうした技術は、例えば永久凍土から発掘されるマンモスなどの絶滅動物を復活させる可能性を示している。

ヒトクローンの可能性
それでは、ヒトのクローンについてはどうだろう。どこかでクローンが誕生しているのだろうか?

これだけ動物で成功し、産業にも実用化されようとしていて、ヒトのクローンができないとは考えにくい。公にはされていないが、すでに作成されている可能性を完全に否定することはできない。

しかし、日本におけるクローン技術規制法のように、世界各国でヒトクローンを禁止する枠組みができつつある。

この理由としては、外見の全く一緒の人達が何人もいると社会制度上大変なことになったり、優秀な人間のクローンをたくさん作り優秀な人間だけの軍隊を作る、独裁者がクローンで影武者を立てるなど、人権上問題があるばかりか、ある意味奴隷制度にもつながりかねない。

ヒトクローン誕生か?
これまではこうした倫理的な問題が大きく、ヒトクローンについては公に論じられることはなかった。しかし、今回異例の事態が発生した。

ある米国人医師が14個の人間のクローン胚(はい)を作ることに成功し、このうち11個を4人の女性の子宮に移植、近くクローン人間が誕生する可能性があると伝えた。

4月22日付英インデペンデント紙によると、英国や米国出身の女性が、この医師に不妊治療の相談に来た。この医師は女性の卵細胞と、体細胞からクローン細胞をつくった。これを子宮に移植妊娠を試みたという。

ヒトクローンを実際につくり、公表する異常な医師がいることにも驚いたが、ヒトクローンが法律で規制されていない国があることに驚いた。実際に規制がなければ試してみたい人はいくらでも出てくるであろう。

現在、妊娠・出産の報告はまだないが、ヒトクローンの是非について、重大な議論を引き起こすかもしれない。

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22日付英インデペンデント紙は1面トップで、米国人医師が14個の人間のクローン胚(はい)を作ることに成功し、このうち11個を4人の女性の子宮に移植、近くクローン人間が誕生する可能性が出てきたと伝えた。

同紙が、キプロス生まれで米国籍のザボス医師の話として伝えたところによると、女性は英国や米国などの出身で、いずれも同医師に不妊治療の相談に来た。まだ妊娠は確認されていないというが、医師は同紙に対し、「クローン人間誕生の第1章が開かれた。いずれ、クローン人間は生まれる」と答えた。

同医師は2004年1月にもクローン胚を女性の子宮に移植したと発表したが、妊娠には至らず、信頼性を疑問視する声も強い。(2009年4月22日20時29分  読売新聞)

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