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夜空を駆ける吟遊詩人達
天文学者達は素晴らしい。毎日夜空のさまざまな方向の天体を観測し、その中の芥子粒ほどのわずかな光跡を取りあげては、イメージを膨らまして、この大宇宙137億年の成り立ちを1から順に、延々と唱いあげるロマンティックな「吟遊詩人」である。

今回、発見された光りの軌跡は約129億年前の古代宇宙にあった、謎の巨大ガス雲である。この時代の巨大ガス雲は他に例がなく、その正体がわからないという。国立天文台を含む日米欧の研究チームが発表した。

国立天文台のすばる望遠鏡で、約200の銀河の距離を測定したところ、極めて遠くにあるのに、大きくて明るいガス雲が発見された。遠くにあるほど古い銀河で、宇宙ができて8億年しかたっていなかった。大きさは地球がある天の川銀河(銀河系)の半分ほどだった。

古代宇宙の謎のガス雲「ヒ・ミ・コ」
ビッグバン宇宙論によると、この時代には小さな天体しかないはずなのに、理論で説明できる10倍以上の大きさだった。これは、ライマンアルファ・ブローブという天体に分類され、その巨大なガス雲は将来銀河になる可能性を秘めているが、本当はどうなのか分かっていない。

研究者たちは、この古代宇宙でみつかった謎の巨大天体をヒミコと名付けた。これは弥生時代後期における倭国の女王、卑弥呼に由来している。ヒミコは55000光年にも広がり、宇宙初期の時代の天体としては記録的な大きさである。

このガス雲の正体は、超大質量ブラックホールにより電離されたガス雲かもしれないし、銀河誕生の初期にみられると予想されている大規模なガス流や、2つの若い銀河の激しい衝突、爆発的星形成によりもたらされる超銀河風、さらには4百億太陽質量にもなる1つの巨大な銀河なのかもしれない。天空で唯一の謎の天体である。

宇宙再電離期の仮説「種族III」
ヒミコは、宇宙が激動する「宇宙再電離期」と呼ばれる時代で見つかった。この時代は、人類が現在の観測技術で見ることができる限界に相当。「宇宙再電離期」というのは、ビッグバン後およそ2億年から10億年しか経たない、古代宇宙時代だ。

この時代に、宇宙に存在していた中性水素から、超大質量ブラックホールや星、第一世代銀河が作られ始めたと考えられている。電離ガス雲からの光子が散乱されて作られる典型的な水素輝線をたよりに、天文学者たちはこの時代を調べている。

またこの時代には、未発見の種族IIIと呼ばれる、宇宙で最初に誕生した第1世代の星があったと考えられている。種族IIIは、極端に大きく高温で寿命が短かったと考えられており、その質量は太陽の数百倍に達していたとされる。その成分は水素とヘリウムでできており、金属量は0である。


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古代宇宙に謎のガス雲「ヒミコ」発見 日米欧研究チーム


約129億年前の古代宇宙に謎の巨大ガス雲を見つけたと、国立天文台を含む日米欧の研究チームが発表した。ビッグバン宇宙論によると、この時代には小さな天体しかないはずなのに、理論で説明できる10倍以上の大きさだった。実態がよくわからないことから「ヒミコ」と名づけたという。

国立天文台などによると、すばる望遠鏡で観測した約200の銀河の距離を測定したところ、極めて遠くにあるのに、大きくて明るいガス雲があった。遠くにあるほど古い銀河で、宇宙ができて8億年しかたっていなかった。大きさは地球がある天の川銀河の半分ほどだった。

研究チームの大内正己・米カーネギー研究所特別研究員は「初めは測定エラーと思った。これまでの理論では説明できず、正体は全く不明だ」と語った。 (asahi.com 2009年4月24日)

参考HP Wikipedia「宇宙の年表」 「恒星の種族」・すばる望遠鏡HP「古代宇宙で巨大天体を発見 

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