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WHO、4月29日夜「フェーズ5」に
新型インフルエンザの警戒レベルが、ついに「フェーズ5」に引き上げられた。フェーズ5とは、「複数国で人から人へ感染が進み、世界的大流行の一歩手前」という状態だ。残るフェーズは、「現実に世界的に大流行している」という、フェーズ6しかない。

これまでは世界的に広がっていながら、人から人への感染がメキシコ国内でしか見られなかったので、「フェーズ4」で止まっていた。ところが29日、米国で人から人への感染が確認されたので、WHOは29日夜に、「フェーズ5」を決定した。

29日には米国テキサス州で、1歳11ヶ月の幼児が死亡し、メキシコ以外で初の死亡者が出てしまった。それにしても他の感染者は、ほぼ回復しているのに、なぜメキシコに、これほど死者が多く出るのか?謎が深まっている。

メキシコの死亡率7.6%の謎
メキシコでの死者数は(28日午後10時半現在)は152人に上る一方、同国以外では犠牲者が出ていない。計算上の死亡率は7.6%に達する。

この理由としては(1)ウイルスの種類が違う(2)貧困のため栄養不足(3)水不足(4)大気汚染(5)医療体制の不備、などが考えられる。

特に問題なのが貧困で、メキシコシティの住民の半数が、1日の収入が200円以下の貧困層。病院に行きたくてもいけない人が多く、重症になって病院に運ばれるときには手遅れになっている場合が多いという。

新型インフルは弱毒性?
今回の新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)のウイルスについて、専門家の間では、当初想定していた強毒性の高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に比べて、感染しても比較的軽症で済む「弱毒性」との見方が強まっている。

強毒性のH5N1型ウイルスは、のどや肺などの呼吸器だけでなく、内臓など全身に感染が広がるのが特徴で、感染者の免疫機能が過剰反応して、重症化すると考えられている。しかし、米疾病対策センター(CDC)の遺伝子解析によると、今回のウイルスは強毒性のH5N1型と異なり、呼吸器にしか感染できない構造だったという。

東北大の押谷仁教授(ウイルス学)も、「感染者の症状から、H5N1型に比べて、毒性ははるかに弱いと考えられる。国内で流行しても感染者が重症で死亡する割合は低いのではないか」と指摘する。

油断できない過去の事例
しかし、たとえ毒性が弱いとしても、今回の新型ウイルスは、ほとんどの人が経験したことがなく、免疫を持っていない。今後、世界各地で、爆発的に感染が広がる恐れがある。

さらに、インフルエンザウイルスは、遺伝子が変異しやすい。大流行して人間の間で感染を繰り返すうちに、弱毒性が強毒性に変わることも考えられる。1918年から19年にかけて世界で4000万人以上の犠牲者を出した「スペインかぜ」も、弱毒性が流行の途中で強毒に変化した。

再度、豚肉の安全性について
気になるのは豚肉であるが、再度安全な理由を確認しよう。

もともと豚肉は食中毒を防ぐために、十分感熱して食べる習慣がある。加熱すればウイルスは死ぬ。インフルエンザウイルスは、71℃以上に加熱すれば、死んでしまう。

豚肉にインフルエンザウイルスが付いているのではないかと心配になるが、豚ウイルスは空気感染で、呼吸器だけで増えるので、筋肉内部では増えない。一部の国がメキシコ産の豚肉の輸入を禁止したが、これはおかしい。

今後の対策は通常どおり?
日本国内では感染者は、まだ報告されていない。ただ、短時間で世界各国に広まった高い感染力を考えると、遅かれ早かれ「水際作戦」を潜り抜けて国内にウイルスが侵入する可能性がある。時間の問題ともいえる。

個人が取り得る対策について検討しよう。新型インフルエンザといっても、従来のインフルエンザと同様の対策が有効なことに変わりはない。

まず今すぐ始めるべきは、うがいと手洗いの励行だ。そして、なるべく人ごみに行かないこと。もし行く場合は、マスクを着用。インフルエンザウイルスは、空気感染はしないが、飛沫感染する。これを防ぐのにマスクは有効だ。少なくとも、頃合いを見て、マスクは備蓄しておくといいだろう。厚労省は、ひとりあたり20枚の備蓄を推奨している。

万一「フェーズ6」になったら?
そして、万が一、「日本にウイルスが侵入」かつ「日本国内で全国的に大流行する」かつ「ウイルスの感染力・毒性共に高いことがわかった」という、限られた事態に対して必要な措置は何だろう?

こうした状況では人混みに出るのは危険なため、あなたと家族は、自宅に籠城するのが、安全対策になる。あくまで経験則でしかないが、これまでの新型インフルエンザの経験では、大流行の時期は2週間から2か月と言われる。だから、その間持つだけの食料を備蓄しておくわけだ。

少なくとも2週間以上の食糧備蓄が必要とされる。具体的には、まず主食。保存性を考えると、米が一番だろう。それほど場所を取らないものなので、これに関してだけは、多めの期間分保管しておくとよい。次に副食。タンパク質と脂肪分。缶詰やレトルトなどの保存が利く物を第一に考える。

あとは健康を維持するという意味でのビタミン類。野菜を多めに買っておく以外は、マルチビタミン・マルチミネラルの錠剤などを置いておけばいいだろう。これは非常用として役に立つ。

参考HP 読売新聞 新型インフル警戒レベル「5」に上げ…WHO 
SAFETY JAPAN 
新型インフルエンザの警戒レベルがついに「フェーズ5」に 

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