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驚異の活動を続ける2台の火星ロボット
 デイズニィーの映画「ウォーリー」は、地球上で700年間も働き続ける、ごみ処理ロボットを描いたコメディであるが、この2台のロボットもよく働く。

 火星で活動中のロボット、「スピリット」と「オポチュニティー」は2003年6月に打ち上げられ、2004年1月から火星探査を開始した。

 当初、わずか3ヶ月、90日間と見られていた、2台の活動可能時間は大幅に変更され、2009年5月現在も活動中であり、もう5年が過ぎている。



                                    (出典:NASA)

 砂嵐や故障など、数々の困難に直面しながら、さまざまな発見を続けて現在も活動中というのは驚異というほかない。特に注目されるのは、過去、火星に水があったという証拠をいくつも発見していることである。

「スピリット」の活躍
 「スピリット」は2003年6月10日17時59分 (UTC) に打ち上げられ、2004年1月3日4時35分 (UTC) に火星のグセフ・クレーターに着陸した。

 2007年5月、「スピリット」は温泉や火山活動のあった証拠を見つけた。スピリットが車輪をひきずった跡に明るい色の土が発見されたのだ。そこで、この土を観測機器を使って調べ、90%が二酸化ケイ素であることを明らかにした。

 このような高濃度の二酸化ケイ素の発見は初めてのこと。その形成原因については、温泉のような環境や、火山性の活動によって酸性の蒸気と土が反応したためではないかと考えられている。

 二酸化ケイ素は地球上にも水晶などの結晶構造を持つ物質として存在しており、一般的にはガラスの主成分として使用されている。(2007年5月23日 JPL News Releases)

「オポチュニティ」の活躍
 一方、「オポチュニティ」は、2003年7月7日15時18分 (UTC) に打ち上げられ、2004年1月24日1時5分 (UTC) に火星の反対側にあるメリディアニ平原に着陸した。メリディアニ平原はほとんど平らな場所であるが、オポチュニティは直径約20mのクレーター内に着陸してしまった。このクレーターはイーグル・クレーターと名づけられた。
 
 土壌や岩石のサンプルの調査、風景の撮影などを行うていたが、この時のサンプルの分析結果より火星の表面に赤鉄鉱が存在することが明らかになった。

 昔から予想されていた「火星の表面の赤色は酸化鉄である」というのは本当であった。また、過去に水が存在していた可能性も出てきた。地球上の赤鉄鉱は、海底に堆積してできているからだ。

ビクトリア・クレーターに向かう
 次に「オポチュニティ」はエンデュランスというクレーターを目指して走行し、2004年の6月から12月までここで調査を行った。自らの耐熱装甲が捨てられた場所の近くで隕石を発見し、この隕石はヒート・シールド・ロックという名前で知られるようになった。

 2005年の4月末から6月始めにかけて、オポチュニティは走行困難な砂丘に突入し、いくつかの車輪が砂に埋まってしまった。6週間以上に渡って、地球上で実験を繰り返し、機能を失わずに脱出するための策が検討された。数センチレベルの緻密な作戦によって、オポチュニティは何とか脱出に成功し、走行を続けることができた。

 オポチュニティは2005年10月から2006年3月まで、南方のビクトリア・クレーターを目指したが、その途上でエレバスという大きくて浅いクレーターに立ち寄った。この間に、アーム部分にいくつかの機械的な問題を抱えた。

ビクトリア・クレーターの調査
 2006年6月、火星探査のプロジェクトチームはビクトリアクレーターにオポチュニティを送り込むかどうか長い間決めかねていた。

 クレーターに入るには起伏の激しい地形を通らなければならず、老朽化した探査車の操舵システムや車輪では耐えられない可能性があったからだ。

 ビクトリア・クレーター内部の調査は注意深く実行され、調査は成功。ビクトリアクレーターの壁には、水の流れによって土砂が運ばれて堆積した地層が見つかった。

 似た地層は約6キロ北の別のクレーターでも見つかっており、米コーネル大などの研究チームは「古代の火星では広い範囲で水が流れていたようだ」としている。論文は22日付の米科学誌サイエンスに発表された。

 オポチュニティは2008年8月にビクトリアクレーターを無事抜け出し、現在は約13.5キロ離れた場所にあるさらに大きなエンデバークレーターへ向かってゆっくりと前進している。

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 火星にあるビクトリアクレーターの崖の砂の層の下に、水の流れでできた地層などがあった。

 火星の赤道付近にあるビクトリアクレーターの壁に、水の流れによって土砂が運ばれて堆積(たいせき)した地層が見つかった。似た地層は約6キロ北の別のクレーターでも見つかっており、米コーネル大などの研究チームは「古代の火星では広い範囲で水が流れていたようだ」としている。論文は22日付の米科学誌サイエンスに発表された。

 米航空宇宙局(NASA)の探査車オポチュニティーが撮影した画像を解析してわかった。オポチュニティーは2004年1月に火星に着陸。最近は約2年にわたって、ビクトリアクレーターの周囲を調べていた。(asahi.com 2009年5月26日) 
 

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